福井県本多1丁目10-18
福井県福井市文京2-9-1
福井県福井市下馬3-511
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福井市は福井県の県庁所在地です。2006年に隣接する美山町、越廼村、清水町の3町村と合併しました。
2021年9月現在の人口は約26.0万人(住民基本台帳による)です。国勢調査によれば、福井市の人口は1995年をピークに少しずつ減っています。なお、日本全体のピークは2008年、福井県全体のピークは2001年です(いずれも国勢調査をもとにした推計人口)。国立社会保障・人口問題研究所によれば、現状のままでは2045年には約23.4万人に減少すると推計されています。2021年9月現在における65歳以上の高齢者人口は約7.6万人で、高齢化率は29.4%です。2020年10月の日本全体の高齢化率は28.8%であることから、福井市の高齢化率は全国よりもやや高いと言えます。多くの地方自治体同様、人口が減少しているのに対して、高齢者の人口は増加しています。
健康寿命とは、2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間を指します。日常生活に制限のない、自立した状態で過ごせる期間と言えます。
福井市では、福井県独自の算出方法に基づいた指標を健康寿命としています。下記は、福井市の男女別の平均寿命、健康寿命、およびその差の推移です。平均寿命と健康寿命との差(不健康である期間)が長くなるほど医療費や介護費がふくらみ、公費負担が増大する要因になります。
男性 | 女性 | |||||
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2010年 | 2017年 | 増減 | 2010年 | 2017年 | 増減 | |
平均寿命 | 80.21歳 | 80.80歳 | +0.59 | 86.34歳 | 86.88歳 | +0.54 |
健康寿命 | 78.61歳 | 79.25歳 | +0.64 | 82.95歳 | 83.56歳 | +0.61 |
不健康である期間 | 1.60歳 | 1.55歳 | -0.05 | 3.39歳 | 3.32歳 | -0.07 |
2017年現在の福井市の健康寿命は男性79.25歳、女性83.56歳です。2010年の数値と比較すると男女ともに伸長していますが、平均寿命も伸長している分、不健康である期間はほぼ変わっていません。
福井市は、2016年に「健康ふくふくプラン21(第2次福井市健康増進計画)」を発表し、若い世代から健康への関心を高めて健康的な生活習慣の習得を図り、生活習慣病の発症と重症化を予防することで、健康寿命の延伸及び生活の質の向上を図ることを目指しています。
1981年以降、日本人の死因の第1位はがんです。以降、生活習慣病を主因とする疾患が上位を占めています。生活習慣病とは、生活習慣(食、運動、喫煙、飲酒等)が影響する一部のがんや心臓病(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)、糖尿病などを指します。人口動態調査によると、福井市と日本全体の死因とその割合は下記のようになっています。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
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福井市※2019年 | 悪性新生物(がん)25.9% | 心疾患16.5% | 脳血管疾患8.7% | 肺炎7.3% | 老衰6.6% |
日本全体※2019年 | 悪性新生物(がん)27.3% | 心疾患15.0% | 老衰8.8% | 脳血管疾患7.7% | 肺炎6.9% |
福井市の死因順位は上位3つが生活習慣病の三大疾病で締められています。1位のがんの割合が日本全体と比べて低い一方で、2位の心疾患、3位の脳血管疾患は日本全体と比べ割合が高くなっています。また、老衰は日本全体より2ポイント以上低く、福井市では老衰よりも病気で亡くなる人が多いと言えます。2016年に発表された「健康ふくふくプラン21」では、とくに心疾患のひとつである「急性心筋梗塞」による死亡が、全国に比べて男女ともに高いことが指摘されています。
日本では、厚生労働省の指針に基づき、自治体主導で実施されている「5大がん検診」と呼ばれるがん検診があり、全国各自治体とも受診率の向上を目指しています。5大がん検診は、胃がん、子宮がん(子宮頸がん)、肺がん、乳がん、大腸がんの5つの検診を指します。
5大がん検診は、加入している健康保険の種類に関係なく住民票のある自治体で受診することができます。検診の種類によって対象年齢や頻度は異なりますが、受診費の一部もしくは全額が公費で負担されます。ただし、企業に勤めている方などは、企業による健康診断にがん検診が含まれていることが多いため、自治体主導のがん検診受診者は国民健康保険加入者や後期高齢者医療保険加入者を含む、「勤務先などでの受診機会のない人」が中心です。
福井市が実施しているがん検診の種類と費用は下記の通りです。太字は、福井市独自の取り組みです。
種類 | 検査項目 | 対象者 | 受診間隔 | 費用 |
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胃がん | 問診、胃部X線検査(バリウム)または胃内視鏡検査(胃カメラ) | ・バリウム:40歳以上・胃カメラ:50~74歳 | 2年に1回 | ・バリウム:1,000円・胃カメラ:3,000円(個別のみ) |
子宮頸がん | 問診、内診、子宮頸部細胞検査 | 20歳以上女性 | 2年に1回 | 1,000円 |
肺がん | 問診、胸部X線検査、喀痰検査※喀痰検査は、50歳以上で喫煙指数600以上または6カ月以内に血痰のある方のみ実施 | 40歳以上 | 年1回 | 500円 |
乳がん | 問診、マンモグラフィ | 40歳以上女性 | 2年に1回 | 1,000円 |
大腸がん | 問診、便潜血検査 | 40歳以上 | 年1回 | 500円 |
前立腺がん | 問診、血液検査(PSA値) | 50歳以上男性 | 年1回 | 700円 |
福井市のがん検診は、基本的には厚生労働省の指針に沿っています。指針にはない前立腺がん検診を実施しているのが特長です。
福井市のがん検診の無料クーポンは下記の通りです。
種類 | 対象者 | 無料になる検査項目 |
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子宮頸がん | 21歳の女性 | 問診、内診、子宮頸部細胞診 |
乳がん | 41歳の女性 | 問診、マンモグラフィ |
子宮頸がんおよび乳がん検診の受診間隔は2年に1回ですが、無料クーポン券対象者は前年受診していても検診が受けられます。
また、市民税非課税世帯の方は事前に申請することで、前立腺がん検診以外のがん検診を無料で受診することができます。
下記は、福井市が実施した2015年度から2019年度の各がん検診の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
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2015年度 | 3.6% | - | 6.2% | 20.9% | 8.4% |
2016年度 | 7.0% | - | 6.2% | 21.4% | 7.7% |
2017年度 | 7.0% | - | 6.0% | 21.2% | 7.0% |
2018年度 | 6.2% | 22.0% | 6.3% | 21.9% | 7.3% |
2019年度 | 6.5% | 22.6% | 6.0% | 22.7% | 7.1% |
下記は、自治体主導のがん検診における2015年度から2019年度の日本全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
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2015年度 | 6.3% | 23.3% | 11.2% | 20.0% | 13.8% |
2016年度 | 8.6% | 16.4% | 7.7% | 18.2% | 8.8% |
2017年度 | 8.4% | 16.3% | 7.4% | 17.4% | 8.4% |
2018年度 | 8.1% | 16.0% | 7.1% | 17.2% | 8.1% |
2019年度 | 7.8% | 15.7% | 6.8% | 17.0% | 7.7% |
福井市のがん検診受診率は、胃がん・肺がん・大腸がん検診が日本全体を下回っていますが、乳がん・子宮頸がん検診は日本全体の数値と比べ、高い受診率を推移しています。
日本のデータにおいて、2016年度から一部の受診率が増減している要因としては、地域保健・健康増進事業報告における受診率の算定法の対象者が変更されたことが考えられます。また、過去に国のがん検診推進事業として、大腸がん検診、乳がん検診では40~60歳の間で5歳おき、子宮頸がん検診では20~40歳の間で5歳おきに無料クーポンが配布されていました。しかし、2016年から大腸がん検診は事業の対象外になり、2017年から子宮頸がん検診と乳がん検診の無料クーポンは検診開始年齢(子宮頸がん検診20歳、乳がん検診40歳)のみになりました。これら無料クーポン対象外の影響が受診率低下につながっていると考えられています。このため、自治体によっては独自の無料クーポンを配布したり、キャンペーンを実施したりして、受診率向上に努めています。
がん検診の受診率向上やがん予防に向けて、福井市では次のような取り組みを行っています。
・胃がんリスク検査(ピロリ菌抗体検査およびペプシノゲン検査)の実施 胃がんの主因となるヘリコバクター・ピロリ菌感染の有無を調べる検査を実施。対象者は40~69歳で過去に一度も肝炎ウイルス検診の受診歴がない方。受診費1,000円。
・肝炎ウイルス検査の実施 血液検査により肝炎ウイルス検査を実施。肝硬変や肝臓がんの発症リスクとなる肝炎ウイルスの早期発見と早期治療を目的としている。対象者は40歳以上で過去に一度も肝炎ウイルス検診の受診歴がない方。受診費700円。ただし、40歳以上5歳刻みの年齢の方には無料クーポンが配布される。
・40歳代で障がい(等)により胃X線検査が困難な場合の内視鏡検査通常は50歳以上が対象となっている内視鏡による胃がん検診を、立位保持が難しいなどの障がいがあるためにX線検査(バリウム)が受けられない方を対象として実施。
福井市では、福井市在住の国民健康保険加入者および後期高齢者医療制度加入者を対象に、一日人間ドック・脳ドックの費用の一部が助成されます。
福井市の一日人間ドックの助成内容は下記の通りです。
【助成対象者】 74歳以下の福井市国民健康保険加入者および後期高齢者医療制度加入者
【自己負担額】 男性:14,000円 女性:15,000円
助成対象となるには、いくつかの条件があります。 ・受診は市内の契約医療施設のみ ・74歳以下の福井市国民健康保険加入者は、国民健康保険税の滞納がないこと(2021年度の優先要件として、2020年度に福井市一日人間ドックの助成を受けずに、特定健診を受けた人) ・後期高齢者医療制度加入者は、市内在住で、受診日までに後期高齢者医療制度に加入しており、後期高齢者医療保険料の滞納がないこと。2021年度の場合、2020年度に、福井市一日人間ドックの助成を受けていないこと
また、年度ごとに助成定員があるため、希望者全員が助成を受けられるとは限りません(応募多数の場合は抽選)。募集時期や詳細は福井市サイトで確認してください。
福井市の脳ドックの助成内容は下記の通りです。
【助成対象者(※2021年度)】 以下のすべてを満たす方が対象です。 ・福井市国民健康保険加入者 ・1951年4月2日から1971年4月1日生まれ ・国民健康保険税の滞納がないこと ・2021年度中に特定健診・それに相当する健診(事業主健診・人間ドック)を受診済み・受診予定 ・過去3年間に脳ドックの助成を受けていないこと
【自己負担額】 12,000円
【検査項目】 頭部MRI、MRAおよび、認知症の早期発見を目的とした認知機能検査(MMSE)
受診は市内の契約医療施設のみで、年度ごとに助成定員があります(応募多数の場合は抽選)。募集時期や詳細は福井市サイトで確認してください。
「機能評価認定施設」とは、日本人間ドック学会が定めている「人間ドック健診施設機能評価」という評価基準をクリアした医療施設です。申請のあった人間ドック施設に対して日本人間ドック学会が受診者目線で審査している取り組みです。
審査項目には、「運営方針、組織の管理体制が確立しているか」や「検査の業務マニュアルは作成されているか」、「感染対策などの危機管理は徹底されているか」といった施設側の安全面に関する基準から、「受診者が快適に受診できるように配慮しているか」や「受診者のプライバシーに配慮しているか」といった受診者側に関する基準まで、多角的な評価基準があります。また、評価基準は5年ごとに改定され、更新審査が行われます。
全国390以上の施設が認定されており、このうち福井市内の機能評価認定施設は2021年10月現在で2施設あります。
マーソでは、機能評価認定施設から人間ドックのプランを探すことができます。くわしくはこちらをご覧ください。
福井市は、2016年から「健康ふくふくプラン21(第2次福井市健康増進計画)を掲げ、2022年度までの予定でさまざまな取り組みを進めています。ユニークな取り組みを紹介します。
・国保フレッシュ健診 18~39歳の福井市国民健康保険加入者を対象にした健診。自己負担金3,000円で問診、身体計測、血圧測定 、尿検査、血液検査、診察、心電図検査が受診できる。
・「ずっと健康101宣言」や「ずっと健康101チャレンジ」などの実施 生活習慣病を予防して、健康寿命を伸長させるため、「10分の運動」や「1皿の野菜」を毎日の生活にプラスすることを「ずっと健康101宣言」として市民に呼びかけている。関連して、運動や食事などの健康づくりの実践やがん検診の受診等をチャレンジシートに記入しポイントをためると、福井県産コシヒカリ等の商品があたる抽選に応募できる「ずっと健康101チャレンジ」を実施している。
・室内でもできる「元気体操21」 2011年に、健康づくりや生活習慣病予防を目的に作成された、福井市民の歌「わたしのまち ときめきのまち」に合わせた約4分でできる簡単な体操。立った状態で行うバージョンと座った状態でもできるバージョンがある。福井ケーブルテレビ「ふくチャンネル」で1日5回放映しているほか、YouTube動画もある。
※本記事は2021年10月時点の情報を元に作成しています。