鹿児島県鹿児島市上荒田町8-6
鹿児島県鹿児島市武岡1-121-5
鹿児島県鹿児島市与次郎1-13-1
鹿児島県鹿児島市武1丁目2番地10号JR鹿児島中央ビル3階
鹿児島県鹿児島市高麗町43-25
鹿児島県鹿児島市新屋敷町26-13
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鹿児島県は九州地方に属する県で、県庁所在地は鹿児島市です。日本で初めて世界自然遺産に登録された屋久島や、2021年7月に世界自然遺産への登録が決定した奄美大島と徳之島など、世界に誇る遺産群と多彩な自然景観があります。また、雄大で美しい桜島(桜島火山)は鹿児島県のシンボルとして有名です。
2021年11月1日現在の鹿児島県の人口は約157.7万人(推計人口)で、人口規模は47都道府県のうち24位(2021年1月1日現在)です。国勢調査によると、鹿児島県の直近の人口ピークは1985年で、以降は現在まで減少傾向が続いています。なお、日本全体のピークは2008年です(推計人口)。国立社会保障・人口問題研究所の2018年時点の推計によれば、鹿児島県の人口は現状のままでは2045年には約120.4万人にまで減少するとされています。
2021年1月1日現在における鹿児島県の65歳以上の高齢者人口は約51.9万人で、高齢化率は32.1%です。2020年10月の日本全体の高齢化率は28.8%であることから、鹿児島県の高齢化率は全国平均より高い数値となっています。多くの自治体同様、鹿児島県の高齢化は今後も進んでいくことが予想されます。
健康寿命とは、2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間を指します。日常生活に制限のない、自立した状態で過ごせる期間と言えます。
下記は、2016年における鹿児島県の健康寿命と「日常生活に制限のある期間の平均」です(カッコ内は全国平均)。日常生活に制限のある期間が長くなるほど医療費や介護費がふくらみ、公費負担が増大する要因になります。
健康寿命※2016年 | 日常生活に制限のある期間の平均※2016年 | 【参考】平均寿命※2015年 | |
---|---|---|---|
男性 | 72.31歳(72.14歳) | 7.79年(8.84年) | 80.0歳(80.8歳) |
女性 | 75.51歳(74.79歳) | 11.28年(12.34年) | 86.8歳(87.0歳) |
2016年現在の鹿児島県の健康寿命は、男性72.31歳、女性75.51歳で男女ともに全国平均よりも長く、47都道府県のうち男性15位、女性9位です。また、「日常生活に制限のある期間の平均」が男女ともに全国平均を1.0年ほど下回っていることから、鹿児島県民は健康的に長生きをしている人が多いと言えます。
1981年以降、日本人の死因の第1位はがんです。以降、生活習慣病を主因とする疾患が上位を占めています。生活習慣病とは、生活習慣(食、運動、喫煙、飲酒等)が影響する一部のがんや心臓病(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)、糖尿病などを指します。人口動態調査によると、鹿児島県と日本全体の死因とその割合は下記のようになっています。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
鹿児島県※2019年 | 悪性新生物(がん)24.0% | 心疾患15.1% | 老衰8.9% | 肺炎8.5% | 脳血管疾患8.1% |
日本全体※2019年 | 悪性新生物(がん)27.3% | 心疾患15.0% | 老衰8.8% | 脳血管疾患7.7% | 肺炎6.9% |
鹿児島県の死因順位は、3位までが日本全体と同じです。肺炎と脳血管疾患のポイント数は日本全体を上回っていますが、1位のがんは3.3ポイント下回っています。その要因のひとつとして、鹿児島県民のがん検診受診率が全国平均より高いことが関わっていると考えられます(「4-1.鹿児島県のがん検診受診率の現状」参照)。
日本では、厚生労働省の指針に基づき、自治体主導で実施されている「5大がん検診」と呼ばれるがん検診があり、全国各自治体とも受診率の向上を目指しています。5大がん検診は、胃がん、子宮がん(子宮頸がん)、肺がん、乳がん、大腸がんの5つの検診を指します。
5大がん検診は、加入している健康保険の種類に関係なく住民票のある自治体で受診することができます。検診の種類によって対象年齢や頻度は異なりますが、受診費の一部もしくは全額が公費で負担されます。ただし、企業に勤めている方などは、企業による健康診断にがん検診が含まれていることが多いため、自治体主導のがん検診受診者は国民健康保険加入者や後期高齢者医療保険加入者を含む、「勤務先などでの受診機会のない人」が中心です。
厚生労働省が示している指針は下記の通りです。全国各市区町村に対し、科学的根拠に基づいた効果が認められるがん検診を推奨しています。
種類 | 検査項目 | 対象者 | 受診間隔 |
---|---|---|---|
胃がん検診 | 問診、胃部X線検査(バリウム)または胃内視鏡検査(胃カメラ)のいずれか | ・バリウム検査:40歳以上・胃カメラ:50歳以上 | ・バリウム検査:年1回・胃カメラ:2年に1回 |
子宮頸がん検診 | 問診、視診、子宮頸部細胞診および内診 | 20歳以上女性 | 2年に1回 |
肺がん検診 | 問診、胸部X線検査および喀痰検査 | 40歳以上 | 年1回 |
乳がん検診 | 問診およびマンモグラフィ | 40歳以上女性 | 2年に1回 |
大腸がん検診 | 問診および便潜血検査 | 40歳以上 | 年1回 |
これを受け、全国各市区町村は、基本的に上記に沿ってがん検診を実施しています。さらに、前立腺がん検診や子宮体がん検診などの実施、年齢の引き下げ、受診費の無料化などに取り組んでいる市区町村もあります。
市区町村によっては、がん検診の無料クーポンが配布されている場合があります。鹿児島県の県庁所在地である鹿児島市の場合、がん検診無料クーポンは以下の通りです。
種類 | 対象者※年齢は当該年度4月1日時点で判定 | 無料になる検査項目 |
---|---|---|
子宮頸がん | 20歳女性 | 子宮頸部細胞診 |
乳がん | 40歳女性 | マンモグラフィ |
また、次の方はがん検診の自己負担額が免除になります。 ・受診年度に70歳以上の方 ・後期高齢者医療制度に加入している方 ・生活保護受給世帯の方 ・市民税非課税世帯の方 ※受診時に上記条件の証明書類を提示すること
がん検診の詳細は各市町村ページをご参照ください。
鹿児島県鹿児島市の健康への取り組みを見る(医療施設一覧ページへ)
下記は、2015年度から2019年度の鹿児島県全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 7.0% | 23.0% | 11.3% | 27.2% | 11.4% |
2016年度 | 10.1% | 20.7% | 9.9% | 26.2% | 9.5% |
2017年度 | 8.9% | 20.6% | 9.4% | 22.3% | 9.0% |
2018年度 | 8.3% | 20.3% | 8.7% | 21.8% | 8.7% |
2019年度 | 7.8% | 20.0% | 8.2% | 21.3% | 8.5% |
下記は、自治体主導のがん検診における2015年度から2019年度の日本全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 6.3% | 23.3% | 11.2% | 20.0% | 13.8% |
2016年度 | 8.6% | 16.4% | 7.7% | 18.2% | 8.8% |
2017年度 | 8.4% | 16.3% | 7.4% | 17.4% | 8.4% |
2018年度 | 8.1% | 16.0% | 7.1% | 17.2% | 8.1% |
2019年度 | 7.8% | 15.7% | 6.8% | 17.0% | 7.7% |
鹿児島県のがん検診受診率をみると、2016年度以降はどの検診も日本全体を上回っており、子宮頸がん検診と乳がん検診の受診率は20%以上を推移しています。しかしながら、全検診において受診率は年々低下傾向にあり、これは日本全体も同様の傾向です。
2016年度から一部の受診率が顕著に増減している要因としては、地域保健・健康増進事業報告における受診率の算定法の対象者が変更されたことが考えられます。また、過去に国のがん検診推進事業として、大腸がん検診、乳がん検診では40〜60歳の間で5歳おき、子宮頸がん検診では20〜40歳の間で5歳おきに無料クーポンが配布されていました。しかし、2016年から大腸がん検診は事業の対象外になり、2017年から子宮頸がん検診と乳がん検診の無料クーポンは検診開始年齢(子宮頸がん検診20歳、乳がん検診40歳)のみになりました。これら無料クーポン対象外の影響が受診率低下につながっていると考えられています。このため、自治体によっては独自の無料クーポンを配布したり、キャンペーンを実施したりして、受診率向上に努めています。
鹿児島県では、がん検診の受診率向上やがん予防に向けて「鹿児島県がん対策推進計画」を策定し、肝炎ウイルス対策やがん検診受診促進キャンペーンなどの取り組みを行っています。
・肝炎ウイルス対策の無料実施 肝硬変や肝臓がんの発症リスクとなり得るB型およびC型肝炎ウイルスの早期発見と早期治療を目的に、肝炎ウイルス検査を無料で実施。希望者は保健所や委託医療施設にて、匿名で受診できる。また、肝炎ウイルスの感染が確認された場合、治療費の一部助成も行っている。
・婦人科系がん検診の受診促進活動 乳がん検診の重要性を伝えるため、毎年10月を「鹿児島県ピンクリボン月間」と定め、県庁舎内にピンクリボンツリーを設置。街頭キャンペーン(2021年度は中止)などのイベントも実施している。子宮頸がん検診においては、新成人への受診促進のため、成人式などでリーフレットや啓発グッズの配布などを行っている。
・「がん征圧月間」でのがん予防の普及啓発 日本対がん協会が毎年9月に定めた「がん征圧月間」にあわせ、ラジオやテレビ番組、YouTubeでの公式チャンネルおよび新聞掲載によるがん予防の啓発や、県庁舎内でのパネル展示を実施している。
鹿児島県では、市町村によって人間ドックの費用を補助または助成している場合があります。詳しくは各市町村のWebサイトをご参照ください。例として、鹿児島市、霧島市、鹿屋市の人間ドック費用補助・助成を紹介します。
●人間ドック、脳ドック(いずれかひとつ) 【対象者】 当該年度4月1日時点で35歳以上の鹿児島市国民健康保険の被保険者の方で、国民健康保険税完納世帯の方 【補助金額】 検査費用の半額(上限20,000円、消費税は自己負担) 【留意事項】 ・前年度に人間ドックの補助を受けた方や、今年度に脳ドックの補助を申し込む方は除く ・市が指定する医療機関のみ
●人間ドック、脳ドック 【対象者】 当該年度4月1日時点で30~74歳の国民健康保険の被保険者の方で、国民健康保険税の完納世帯の方 【補助金額】 ・人間ドック 一般コース:25,000円 女性コース:27,000円 がん予防コース:50,000円を上限に費用の1/2相当額 ・脳ドック 脳疾患予防コース : 20,000円 【留意事項】 ・同一年度内に、各ドックと、特定健康診査・市が実施するがん検診との重複は不可 ・市が指定する医療機関のみ
●人間ドック、脳ドック、がんドック 【対象者】 ・受診日現在、30歳以上74歳以下の国民健康保険の被保険者の方で、前年度分の国民健康保険税の完納世帯の方 ・人間ドックの検査結果の提供に承諾できる方 【助成金額】 一般(人間)ドック:16,500円 脳ドック:18,000円 がんドック:50,000円 【留意事項】 ・同一年度内に、各ドックと、特定健康診査・市が実施するがん検診との重複は不可 ・市が指定する医療機関のみ
「機能評価認定施設」とは、日本人間ドック学会が定めている「人間ドック健診施設機能評価」という評価基準をクリアした医療施設です。申請のあった人間ドック施設に対して日本人間ドック学会が受診者目線で審査している取り組みです。
審査項目には、「運営方針、組織の管理体制が確立しているか」や「検査の業務マニュアルは作成されているか」、「感染対策などの危機管理は徹底されているか」といった施設側の安全面に関する基準から、「受診者が快適に受診できるように配慮しているか」や「受診者のプライバシーに配慮しているか」といった受診者側に関する基準まで、多角的な評価基準があります。また、評価基準は5年ごとに改定され、更新審査が行われます。
全国で390以上の施設が認定されており、このうち鹿児島県内の機能評価認定施設は2021年11月現在で4施設あります。
マーソでは、機能評価認定施設から人間ドックのプランを探すことができます。くわしくはこちらをご覧ください。
鹿児島県は「心豊かに生涯を送れる健康長寿県の創造」を目指し、鹿児島県ならではの食材や温泉などを活用した健康増進への取り組みを行っています。
・かごしま健康イエローカードキャンペーン 健康関連団体と協働で県民の健康への関心を喚起し、食生活の改善や運動の習慣化など生活習慣の見直しを呼びかけるキャンペーン。毎年10月をキャンペーン強化月間と定め、「かごしま食の健康応援店」や「たばこの煙のないお店」、「女性の健康づくり協力店」を募集・登録し、割引や特典などの協賛企画を実施している(2021年は協賛企画の募集はなし)。
・「鹿児島のウェルネススポット(健康づくりスポット)」の選定と普及 健康や癒やし、長寿に有益な地域資源のなかから食と公衆浴場を中心に「鹿児島のウェルネススポット(健康づくりスポット)」を選定・普及することで、県民の心身の健康づくりを促進。あまみ長寿食材(塩豚、トウガンなど)を提供する郷土料理店や、公営の公衆浴場をパンフレットなどで普及に努めている。
・温泉を活用した健康づくり 鹿児島県は全国でも有数の温泉地であることを活かし、温泉を活用した健康づくりの情報を県の公式サイトで発信。砂浴と泥浴、蒸し湯とサウナ、飲泉、吸入浴などの入浴方法や、源泉の種類ごとの効果などを掲載している。
※本記事は2021年11月時点の情報を元に作成しています。