宮城県仙台市青葉区上杉1-6-6イースタンビル5F
宮城県宮城野区榴岡1丁目1-1JR仙台イーストゲートビル4F
宮城県仙台市若林区蒲町東4番地の2
宮城県仙台市太白区あすと長町1-5-40
宮城県仙台市青葉区五橋2-1-25
宮城県仙台市青葉区一番町1-9-1仙台トラストタワー4階
宮城県仙台市青葉区一番町4-9-18TICビル5階
宮城県仙台市宮城野区鶴ヶ谷5丁目22番1
宮城県仙台市青葉区中央4-5-1
宮城県仙台市青葉区上杉2-3-3ノースフォービル1F
宮城県仙台市泉区高玉町9-8
宮城県仙台市泉区泉中央1-39-2
宮城県名取市愛島塩手字野田山47-1
宮城県岩沼市里の杜1-2-5
宮城県仙台市泉区長命ヶ丘2-1-1
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仙台市は宮城県の県庁所在地です。1600年(慶長5年)に伊達政宗公が居城を定めました。1889年に市政を施行し、人口約8.6万人の仙台市が誕生しました。その後、宮城町、泉市、秋保町と合併し人口は約90万人となり、1989年4月に全国で11番目の政令指定都市に移行しました。政令指定都市とは、地方自治法に基づき政令によって指定される、人口50万人以上の市を指します。2021年現在、20市が指定されています。
2021年9月現在の人口は約109.8万人(推計人口)です。国勢調査によると、東日本大震災以降、復興需要や被災他からの人口流入により仙台市の人口は今もなお増加しています。なお、日本全体のピークは2008年、宮城県全体のピークは2003年です(いずれも推計人口)。国立社会保障・人口問題研究所によれば、仙台市の人口は現状のままでは2030年には約104.8万人に減少すると推計されています。2021年4月現在における65歳以上の高齢者人口は約26.0万人で、高齢化率は24.4%です。2020年10月の日本全体の高齢化率は28.8%であることから、仙台市の高齢化率は全国よりも低いと言えます。多くの地方自治体と同様に、高齢者の人口は増加しています。
健康寿命とは、2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間を指します。日常生活に制限のない、自立した状態で過ごせる期間と言えます。
下記は、仙台市の平均寿命と健康寿命、およびその差です(カッコ内は全国平均)。平均寿命と健康寿命との差(不健康である期間)が長くなるほど医療費や介護費がふくらみ、公費負担が増大する要因になります。
平均寿命※2015年 | 健康寿命※2016年 | 不健康である期間 | |
---|---|---|---|
男性 | 81.7歳(80.8歳) | 72.26歳(72.14歳) | 9.44年(8.66年) |
女性 | 87.6歳(87.0歳) | 74.59歳(74.79歳) | 13.01年(12.21年) |
2016年現在の仙台市の健康寿命は、男性72.26歳、女性74.59歳で、これは政令指定都市20市のうち男性6位、女性8位です。全国平均と比較すると、仙台市の男性は「健康寿命」と「不健康である期間」が長く、女性は「健康寿命」が短く「不健康である期間」が長いという結果になっています。この結果から、男女とも「平均寿命」が全国に比べて延びている一方で、「不健康である期間」も延びていることがわかります。
仙台市が策定する「第2期いきいき市民健康プラン」では、2022年時点での健康寿命の延伸を目標に掲げています。
1981年以降、日本人の死因の第1位はがんです。以降、生活習慣病を主因とする疾患が上位を占めています。生活習慣病とは、生活習慣(食、運動、喫煙、飲酒等)が影響する一部のがんや心臓病(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)、糖尿病などを指します。人口動態調査によると、仙台市と日本全体の死因とその割合は下記のようになっています。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
仙台市※2019年 | 悪性新生物(がん)29.0% | 心疾患14.1% | 老衰9.4% | 脳血管疾患9.3% | 肺炎4.6% |
日本全体※2019年 | 悪性新生物(がん)27.3% | 心疾患15.0% | 老衰8.8% | 脳血管疾患7.7% | 肺炎6.9% |
仙台市の死因順位は日本全体と同じです。ポイント数では日本全体より1位のがんが2.3ポイント、4位の脳血管疾患が1.6ポイント上回っています。生活習慣病の三大疾病である、がん・心疾患・脳血管疾患を合わせると、日本全体が50.0%であるのに対し、52.7%と高い数値になっています。要因として、日本全体より不健康である期間が長いこと(「1-2.仙台市の健康寿命」参照)が考えられます。また、仙台市がまとめた報告書によると、男女とも40歳から年齢階層が上がるにつれて、メタボリックシンドローム該当者の増加割合が政令市、全国よりも高くなる傾向にあるとされています。
日本では、厚生労働省の指針に基づき、自治体主導で実施されている「5大がん検診」と呼ばれるがん検診があり、全国各自治体とも受診率の向上を目指しています。5大がん検診は、胃がん、子宮がん(子宮頸がん)、肺がん、乳がん、大腸がんの5つの検診を指します。
5大がん検診は、加入している健康保険の種類に関係なく住民票のある自治体で受診することができます。検診の種類によって対象年齢や頻度は異なりますが、受診費の一部もしくは全額が公費で負担されます。ただし、企業に勤めている方などは、企業による健康診断にがん検診が含まれていることが多いため、自治体主導のがん検診受診者は国民健康保険加入者や後期高齢者医療保険加入者を含む、「勤務先などでの受診機会のない人」が中心です。
仙台市が実施しているがん検診の種類と費用は下記の通りです。太字は、仙台市独自の取り組みです。
種類 | 検査項目 | 対象者 | 受診間隔 | 仙台市国保加入者以外 | 仙台市国保加入者 |
---|---|---|---|---|---|
胃がん | 問診、胃部X線検査(バリウム)または胃内視鏡検査(胃カメラ) | ・バリウム35歳以上・胃カメラ50歳以上 | ・バリウム年1回・胃カメラ2年に1回 | ・バリウム35~39歳:2,430円40歳以上:900円・胃カメラ3,500円 | 35~39歳:1,400円40歳以上:無料 |
子宮頸がん | 問診、視診、子宮頸部細胞診、内診※医師判断により子宮体がん検査追加 | 20歳以上女性 | 20~40歳:年1回41歳以上:2年に1回 | 1,700円※子宮体がん検査追加は別途800円 | 無料 |
肺がん | 問診、胸部X線検査※50歳以上の方は医師判断により喀痰検査追加 | 40歳以上 | 年1回 | 無料※喀痰検査追加は別途700円 | 無料 |
乳がん | 問診、超音波検査(乳腺エコー)またはマンモグラフィ※40~69歳女性は視触診含む | ・乳腺エコー30~39歳の女性・マンモグラフィ40歳以上の女性 | 30~39歳:年1回40歳以上:2年に1回 | 30~39歳:2,000円40~69歳:1,400円70歳以上:無料 | 30~39歳:2,000円40歳以上:無料 |
大腸がん | 便潜血反応検査 | 40歳以上 | 年1回 | 500円 | 無料 |
前立腺がん | 血液検査(PSA値) | 50・55・60・65歳男性 | - | 1,000円 | 無料 |
仙台市のがん検診は、基本的には厚生労働省の指針に沿っています。独自の取り組みとして、胃がん・乳がん検診は国が定めた指針より若い年齢から実施しています。さらに指針にはない前立腺がん検診を実施しているのも特徴です。
仙台市のがん検診の無料クーポンは下記の通りです。
種類 | 対象者※年齢は当該年度4月1日時点で判定 | 無料になる検査項目 |
---|---|---|
子宮頸がん | 20歳女性 | 問診、視診、子宮頸部細胞診、内診 |
乳がん | 40歳女性 | 問診、視触診、マンモグラフィ |
無料クーポン券配布対象者でも以下条件の場合、受診できません。 ・職場健診や人間ドック、妊婦健康診査など、ほかの検査で健診と同様の検査を受ける方 ・現在医療機関で治療や経過観察中など、健診と同様の検査を受けている方
また、次の方は無料でがん検診を受診することができます。 ・70歳以上の方 ・後期高齢者医療保険証を持っている方 ・生活保護受給世帯 ・中国残留邦人等に対する支援給付の受給世代の方 ・市民税非課税世帯の方
下記は、仙台市が実施した2015年度から2019年度の各がん検診の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 15.3% | 38.0% | 22.6% | 41.0% | 19.4% |
2016年度 | 12.2% | 20.9% | 9.0% | 26.2% | 10.6% |
2017年度 | 11.1% | 19.7% | 8.1% | 24.6% | 9.4% |
2018年度 | 10.1% | 18.0% | 7.7% | 22.9% | 8.9% |
2019年度 | 10.5% | 17.6% | 7.0% | 22.2% | 8.3% |
下記は、自治体主導のがん検診における2015年度から2019年度の日本全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 6.3% | 23.3% | 11.2% | 20.0% | 13.8% |
2016年度 | 8.6% | 16.4% | 7.7% | 18.2% | 8.8% |
2017年度 | 8.4% | 16.3% | 7.4% | 17.4% | 8.4% |
2018年度 | 8.1% | 16.0% | 7.1% | 17.2% | 8.1% |
2019年度 | 7.8% | 15.7% | 6.8% | 17.0% | 7.7% |
仙台市の受診率は、すべての検診で日本全体を上回っています。とくに「子宮頸がん検診」「乳がん検診」の受診率が高いです。子宮頸がん検診の20~40歳の受診頻度を年1回にしたり、乳がん検診を30代から受診できるようにしたりするなどの施策が、仙台市女性の検診に対する意識の高さにつながっていると考えられます。乳がん検診受診率は、全国の政令指定都市の中で、5年連続1位(2015〜2019年度)でした。しかしながら、全検診とも年々低下傾向にあり、これは日本全体においても同様の傾向です。
2016年度から一部の受診率が顕著に低下している要因としては、地域保健・健康増進事業報告における受診率の算定法の対象者が変更されたことが考えられます。また、過去に国のがん検診推進事業として、大腸がん検診、乳がん検診では40~60歳の間で5歳おき、子宮頸がん検診では20~40歳の間で5歳おきに無料クーポンが配布されていました。しかし、2016年から大腸がん検診は事業の対象外になり、2017年から子宮頸がん検診と乳がん検診の無料クーポンは検診開始年齢(子宮頸がん検診20歳、乳がん検診40歳)のみになりました。これら無料クーポン対象外の影響が受診率低下につながっていると考えられています。このため、自治体によっては独自の無料クーポンを配布したり、キャンペーンを実施したりして、受診率向上に努めています。
がん検診の受診率向上やがん予防に向けて、仙台市では次のような取り組みを行っています。
・民間企業と「がん啓発及びがん検診受診率向上のための取組を連携する協定」を締結 市と民間企業などが連携・協力してがん検診の受診率向上に取り組むための協定を締結。連携による取り組みは以下の2つ。 1.窓口におけるパンフレット配布やポスターの掲示などを実施 2.従業員や家族、系列企業や取引企業などに対する啓発や検診の受診勧奨の実施
・スポーツイベントでの啓発 スポーツ団体と連携し、スポーツイベントの際にがん検診受診の啓発を実施。若い世代へ働きかける貴重な機会とし、協定企業を増やす働きかけを今後も継続。
・肝炎ウイルス検査の無料実施 肝硬変や肝臓がんの発症リスクとなる肝炎ウイルスの早期発見と早期治療を目的とした、肝炎ウイルスの検査を無料で実施。対象は仙台市民で過去に一度も肝炎ウイルス検診の受診歴がない、または受診歴がわからない方。
仙台市では、市による直接の補助や助成はありませんが、仙台商工会議所と仙台市が設立した「公益財団法人仙台ひと・まち交流財団」の福利厚生事業「グリーン・パル」において、人間ドックや脳ドックの費用補助・助成を行っています。それぞれの会員が対象です。なお、「グリーン・パル」の会員対象はおもに、仙台市内の中小企業に勤務する勤労者および事業主です。
仙台商工会議所とグリーン・パルの人間ドック等の助成内容は下記の通りです。仙台商工会議所会員は割引金額で受診でき、グリーン・パル会員は実費(医療施設に支払った金額)に対し後日助成を受けられる仕組みです。
【人間ドック等の助成対象者】 a)仙台商工会議所の役員・会員とその家族 b)公益財団法人仙台ひと・まち交流財団グリーン・パルの会員
【人間ドック等の自己負担額および助成額】
検診項目 | 通常費用(円) | 自己負担額(円) | 「協会けんぽ」対象者料金(円) |
---|---|---|---|
日帰り半日人間ドック | 37,400 | 35,200 | 18,312 |
一般健診 | 24,915 | 23,100 | 7,169 |
定期健康診断 | 10,120 | 9,350 | - |
人間ドック等の受診は市内の契約医療施設のみです。また、会議所共済「あおば」加入者は、50歳以下2,000円、51歳以上5,000円が上記金額より割引されます。
検診項目 | 実費 | 助成額(円) |
---|---|---|
人間ドックおよび定期健康診断 | 8,000円以上25,000円未満 | 6,000 |
同上 | 25,000円以上40,000円未満 | 6,000 |
同上 | 40,000円以上 | 8,000 |
人間ドック等の助成対象は以下の条件があります。 ・実費が「8,000円以上25,000円未満」の場合、当該年度末で年齢が満35〜60歳の5歳刻みの年齢に到達する会員 ・実費が25,000円以上または40,000円以上の場合、年齢制限はなく毎年申請可 ・申請期限は受診後1年以内 ・助成方法は、クオカードの送付または事業所口座への振込より選択
人間ドック等の費用助成について、募集時期や詳細は、仙台商工会議所または仙台ひと・まち交流財団グリーン・パルのサイトで確認してください。
仙台商工会議所とグリーン・パルの脳ドックの助成内容は下記の通りです。仙台商工会議所会員は割引金額で受診でき、グリーン・パル会員は実費(医療施設に支払った金額)に対し後日脳ドックの助成を受けられる仕組みです。
【脳ドックの自己負担額および助成額】 a)仙台商工会議所の役員・会員とその家族 b)公益財団法人仙台ひと・まち交流財団グリーン・パルの会員
【脳ドックの自己負担額および助成額】
検診項目 | 通常費用(円) | 自己負担額(円) | 「協会けんぽ」対象者料金(円) |
---|---|---|---|
脳ドック | 44,000 | 39,600 | - |
一般健診+脳ドック | 57,915 | 50,600 | 34,669 |
定期健康診断+脳ドック | 43,120 | 36,850 | - |
日帰り半日人間ドック+脳ドック | 70,400 | 62,700 | 45,811 |
脳ドックの受診は市内の契約医療施設のみです。また、会議所共済「あおば」加入者は、50歳以下2,000円、51歳以上5,000円が上記金額より割引されます。
検診項目 | 実費 | 助成額(円) |
---|---|---|
脳ドック | 8,000円以上25,000円未満 | 6,000 |
同上 | 25,000円以上40,000円未満 | 6,000 |
同上 | 40,000円以上 | 8,000 |
脳ドックの助成対象は以下の条件があります。 ・実費が「8,000円以上25,000円未満」の場合、当該年度末で年齢が満35〜60歳の5歳刻みの年齢に到達する会員 ・実費が25,000円以上または40,000円以上の場合、年齢制限はなく毎年申請可 ・申請期限は受診後1年以内 ・助成方法は、クオカードの送付または事業所口座への振込より選択
脳ドックの助成について、募集時期や詳細は、仙台商工会議所または仙台ひと・まち交流財団グリーン・パルのサイトで確認してください。
「機能評価認定施設」とは、日本人間ドック学会が定めている「人間ドック健診施設機能評価」という評価基準をクリアした医療施設です。申請のあった人間ドック施設に対して日本人間ドック学会が受診者目線で審査している取り組みです。
審査項目には、「運営方針、組織の管理体制が確立しているか」や「検査の業務マニュアルは作成されているか」、「感染対策などの危機管理は徹底されているか」といった人間ドックの健診施設側の安全面に関する基準から、「受診者が快適に受診できるように配慮しているか」や「受診者のプライバシーに配慮しているか」といった受診者側に関する基準まで、多角的な評価基準があります。また、評価基準は5年ごとに改定され、更新審査が行われます。
日本人間ドック学会が審査した機能評価認定施設は、全国410以上の施設が認定されており、このうち仙台市内の人間ドック機能評価認定施設は2023年8月現在で10施設あります。
マーソでは、機能評価認定施設から人間ドックのプランを探すことができます。くわしくはこちらをご覧ください。
仙台市は、「みんなでのばす健康寿命〜つながる、広がる、健康づくりの輪〜」を基本目標に掲げています。「健康寿命の延伸」と「健康であると自覚している人の増加」を目指し、さまざまな取り組みを行っています。
・学生対象の健康づくり川柳コンテスト 2014年度より学生対象の健康づくり川柳コンテストを開催。川柳作品を使用した啓発活動など、活動内容を拡大している。参加者は年々増加し、健康づくりを考える機会に活用されている。また、作品を健康づくりの啓発媒体とすることで、市民への幅広い啓発の機会を提供している。
・被災者を対象とした運動教室 東日本大震災後、おもに仮設住宅や復興公営住宅入居者を対象とした運動教室を実施。閉じこもりによる活動量低下の予防と住民同士の交流を目的に、各住宅集会所等で定期的に開催。外出のきっかけづくりや、身近な場所での運動実践の継続につながっている。
・医療機関未受診の検査値高値者に対する受診勧奨 健診の結果、血糖、血圧などが要医療と判定された受診者を追跡調査し、医療機関未受診者に対し受診勧奨を実施。2016年度からは文章や電話が中心の支援に加え、必要な方へ個別訪問による支援も行っている。対象者が不在であったとしても、訪問による痕跡を残すことで対象者からの折り返しの連絡を受けることも多く、受診者増加の効果がみられた。
※本記事は2021年9月時点の情報を元に作成しています。