長野県長野市栗田695
長野県長野市松代町松代183
長野県飯山市大字下木島9
長野県上伊那郡辰野町辰野1477-6
長野県長野市南長野西後町610
長野県長野市篠ノ井会666-1
長野県長野市信州新町上条137
長野県長野市若里6-6-10
長野県小諸市諸350
長野県佐久市中込3400番地28
長野県鼎中平1970
長野県長野市中御所4-7-23
長野県飯田市上郷黒田218番地2
長野県佐久市中込1-17-8
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長野市は長野県の県庁所在地です。前身である旧長野市は古くから善光寺の門前町や松代藩十万石の城下町として栄えており、1897年の市政施行によって県内で最初の市となりました。その後周辺の町村と合併を繰り返し、2010年に現在の市域となっています。また、1999年には中核市に移行しています。中核市とは、地方自治法に基づき政令によって指定される、人口20万人以上の市を指します。2021年4月1日現在62市が指定されています。
2021年11月現在の人口は約37.2万人(住民基本台帳による)です。国勢調査によれば、長野市の人口は2000年をピークに減少に転じています。なお、日本全体のピークは2008年、長野県全体のピークは2000年です(いずれも国勢調査をもとにした推計人口)。国立社会保障・人口問題研究所によれば、長野市の人口は現状のままでは2040年には約32.9万人に減少すると推計されています。
2020年10月現在における65歳以上の高齢者人口は約11.2万人で、高齢化率は30.1%です。2020年10月の日本全体の高齢化率は28.8%であることから、長野市の高齢化は全国よりも進んでいると言えます。多くの地方自治体同様、人口が減少しているのに対して、高齢者の人口は増加しています。
健康寿命とは、2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間を指します。日常生活に制限のない、自立した状態で過ごせる期間と言えます。
下記は、長野市の平均寿命と健康寿命、およびその差です(カッコ内は全国平均)。平均寿命と健康寿命との差(不健康である期間)が長くなるほど医療費や介護費がふくらみ、公費負担が増大する要因になります。
男性 | 女性 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
2010年 | 2015年 | 2019年 | 2010年 | 2015年 | 2019年 | |
平均寿命 | 81.1歳(79.6歳) | 82.3歳(80.8歳) | - | 87.2歳(86.3歳) | 87.8歳(87.0歳) | - |
健康寿命 | 80.08歳 | 80.81歳 | 81.49歳 | 84.39歳 | 84.97歳 | 84.43歳 |
不健康である期間 | 1.02年 | 1.49年 | - | 2.81年 | 3.15年 | - |
長野市の平均寿命は、男女ともに全国平均より高い数値となっています。長野県は長寿県としても知られており、厚生労働省の「平成27年 市区町村別生命表の概況」では、男性が全国2位、女性が全国1位となっています。長野市でも県と同様、全国平均より高い平均寿命となっています。健康寿命の経年推移をみると、男性は順調に延伸し、女性は2019年において2015年よりも短縮していますが2010年との比較では延伸しています。
1981年以降、日本人の死因の第1位はがんです。以降、生活習慣病を主因とする疾患が上位を占めています。生活習慣病とは、生活習慣(食、運動、喫煙、飲酒等)が影響する一部のがんや心臓病(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)、糖尿病などを指します。人口動態調査によると、長野市と日本全体の死因とその割合は下記のようになっています。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
長野市※2018年 | 悪性新生物(がん)26.6% | 心疾患15.7% | 脳血管疾患8.8% | 老衰8.1% | 肺炎4.9% |
日本全体※2019年 | 悪性新生物(がん)27.3% | 心疾患15.0% | 老衰8.8% | 脳血管疾患7.7% | 肺炎6.9% |
長野市の死因順位は、日本全体と比較すると3位の脳血管疾患と4位の老衰の順位が逆転しています。ポイント数では、1位のがんは日本全体を0.7ポイント下回っているものの、脳血管疾患は1.1ポイント高い数値となっています。また、5位の肺炎も全国平均を2.0ポイント下回っています。
日本では、厚生労働省の指針に基づき、自治体主導で実施されている「5大がん検診」と呼ばれるがん検診があり、全国各自治体とも受診率の向上を目指しています。5大がん検診は、胃がん、子宮がん(子宮頸がん)、肺がん、乳がん、大腸がんの5つの検診を指します。
5大がん検診は、加入している健康保険の種類に関係なく住民票のある自治体で受診することができます。検診の種類によって対象年齢や頻度は異なりますが、受診費の一部もしくは全額が公費で負担されます。ただし、企業に勤めている方などは、企業による健康診断にがん検診が含まれていることが多いため、自治体主導のがん検診受診者は国民健康保険加入者や後期高齢者医療保険加入者を含む、「勤務先などでの受診機会のない人」が中心です。
長野市が実施しているがん検診の種類と費用は下記の通りです。太字は、長野市独自の取り組みです。
種類 | 検査項目 | 対象者 | 受診間隔 | 費用 |
---|---|---|---|---|
胃がん | 問診、胃部X線検査(バリウム)または胃内視鏡検査(胃カメラ) | ・バリウム:40歳以上・胃カメラ:50歳以上の偶数年齢 | ・バリウム:年1回・胃カメラ:2年に1回 | ・バリウム:1,200円・胃カメラ:3,000円 |
子宮頸がん | 問診、視診、子宮頸部細胞診、子宮体部細胞診※子宮体部細胞診は医師の判断による | 20歳以上女性 | 年1回 | ・子宮頸部:1,500円・子宮頸部+子宮体部:2,300円 |
肺がん | 胸部X線検査・喀痰細胞診または低線量胸部CT検査※喀痰細胞診は希望者 | ・胸部X線検査・喀痰細胞診:40歳以上・低線量胸部CT検査:40~74歳 | 年1回 | ・胸部X線検査:無料※喀痰検査希望者は500円+郵送料220円・低線量胸部CT検査:4,000円 |
乳がん | 視触診・超音波検査またはマンモグラフィ | ・視触診・超音波検査:30歳以上女性・マンモグラフィ:40~74歳女性 | ・視触診・超音波検査:年1回・マンモグラフィ:2年に1回 | ・視触診・超音波検査:1,200円・マンモグラフィ:1,600円 |
大腸がん | 問診、便潜血検査 | 40歳以上 | 年1回 | 440円 |
前立腺がん | 問診、血液検査 | 50~74歳男性 | 年1回 | 1,700円 |
長野市のがん検診は、基本的には厚生労働省の指針に沿っています。特徴として、肺がん検診では低線量胸部CT検査を実施している点、乳がん検診では指針より10歳若い30歳以上から超音波検査(乳腺エコー検査)が受けられる点、指針にはない前立腺がん検診の実施が挙げられます。
長野市のがん検診の無料クーポンは下記の通りです。
種類 | 対象者 | 無料になる検査項目 |
---|---|---|
子宮頸がん | 20歳女性 | 問診、視診、子宮頸部細胞診 |
乳がん | 40歳女性 | マンモグラフィ |
次の方は無料でがん検診(大腸がん検診は除く)を受診できます。 ・「高齢受給者証」または「後期高齢者医療被保険者証」をお持ちの方(「福祉医療費受給者証」は対象外)(胃内視鏡検診は無料になりません) ・市民税非課税世帯の方 ・生活保護受給者 ・特定中国残留邦人等支援給付受給者
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 5.4% | 40.3% | 12.9% | 18.9% | 27.6% |
2016年度 | 2.6% | 14.2% | 3.3% | 9.6% | 5.6% |
2017年度 | 2.3% | 12.9% | 2.9% | 7.6% | 5.2% |
2018年度 | 2.1% | 12.3% | 2.5% | 6.6% | 4.7% |
2019年度 | 2.2% | 12.4% | 2.2% | 6.7% | 4.3% |
下記は、自治体主導のがん検診における2015年度から2019年度の日本全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 6.3% | 23.3% | 11.2% | 20.0% | 13.8% |
2016年度 | 8.6% | 16.4% | 7.7% | 18.2% | 8.8% |
2017年度 | 8.4% | 16.3% | 7.4% | 17.4% | 8.4% |
2018年度 | 8.1% | 16.0% | 7.1% | 17.2% | 8.1% |
2019年度 | 7.8% | 15.7% | 6.8% | 17.0% | 7.7% |
長野市の受診率は、2016年度以降すべての検診で日本全体を下回っています。なかでも乳がんは2015年度を除き約10ポイントの開きがあります。ほとんどの検診で受診率は低下傾向にあり、これは日本全体においても同様の傾向です。
2016年度から一部の受診率が顕著に低下している要因としては、地域保健・健康増進事業報告における受診率の算定法の対象者が変更されたことが考えられます。また、過去に国のがん検診推進事業として、大腸がん検診、乳がん検診では40~60歳の間で5歳おき、子宮頸がん検診では20~40歳の間で5歳おきに無料クーポンが配布されていました。しかし、2016年から大腸がん検診は事業の対象外になり、2017年から子宮頸がん検診と乳がん検診の無料クーポンは検診開始年齢(子宮頸がん検診20歳、乳がん検診40歳)のみになりました。これら無料クーポン対象外の影響が受診率低下につながっていると考えられています。このため、自治体によっては独自の無料クーポンを配布したり、キャンペーンを実施したりして、受診率向上に努めています。
がん検診の受診率向上やがん予防に向けて、長野市では次のような取り組みを行っています。
・肝炎ウイルス検診の実施 肝硬変や肝臓がんの発症リスクとなる肝炎ウイルスの早期発見と早期治療を目的として、肝炎ウイルス検診を実施。対象は40歳以上で特定健診等を受診する方のうち、過去に肝炎ウイルス検診の受診歴がない方など。費用は一次検診800円、二次検診1,300円(受診料が無料になる場合あり)。
・日曜日の子宮頸がん検診 平日は受診が難しい女性のために、日曜日に開設している「休日産婦人科当番医」で子宮頸がん検診を実施している。
・特定健診とがん検診との連携強化 特定健診の受診券に大腸がん検診の問診票や、各種がん検診の案内を追加し、がん検診の受診率の向上を図っている。
・がん検診フォローアップ (精密検査受診勧奨) がん検診で精密検査となった方への受診奨励を個別に行っている。
長野市では指定医療機関での人間ドックまたは脳ドックの受診料の一部を補助しています。補助内容は下記の通りです。
【対象者】 ・長野市国民健康保険の加入者(35歳以上受診日年齢74歳以下)で、国民健康保険料に滞納がない方 ・後期高齢者医療保険に加入している長野市民で、後期高齢者医療保険料に滞納がない方
【補助額】 長野市国民健康保険加入者:15,000円 後期高齢者医療保険加入者:7,500円 ※人間ドック、脳ドック、日帰りドック、1泊2日ドック、いずれも同額 ※人間ドック、脳ドック、国保特定健診(30歳代の国保健診含む)または後期高齢者健診の2つ以上の補助を同年度内に受けることは不可
「機能評価認定施設」とは、日本人間ドック学会が定めている「人間ドック健診施設機能評価」という評価基準をクリアした医療施設です。申請のあった人間ドック施設に対して日本人間ドック学会が受診者目線で審査している取り組みです。
審査項目には、「運営方針、組織の管理体制が確立しているか」や「検査の業務マニュアルは作成されているか」、「感染対策などの危機管理は徹底されているか」といった施設側の安全面に関する基準から、「受診者が快適に受診できるように配慮しているか」や「受診者のプライバシーに配慮しているか」といった受診者側に関する基準まで、多角的な評価基準があります。また、評価基準は5年ごとに改定され、更新審査が行われます。
全国390以上の施設が認定されており、このうち長野市内の2021年12月現在の機能評価認定施設は4施設あります。
マーソでは、機能評価認定施設から人間ドックのプランを探すことができます。くわしくはこちらをご覧ください。
長野市では各種検診に加え、「ながのベジライフ宣言」などを推進し市民の健康増進策に努めています。とくに長野市では糖尿病有病者と予備軍が全国平均より高い傾向にあることから、生活習慣病予防につながる取り組みに力を入れています。
・「ながのベジライフ宣言」 食後の急激な血糖値の上昇抑え、生活習慣病などの予防につながる生活習慣「ハッピーかみんぐ1.2.30」を提言。この趣旨に賛同し、生活習慣病の予防など市民の健康づくりを応援する飲食店には、本宣言のロゴマークが入ったステッカーが掲示されている。
・糖尿病性腎症重症化予防プログラムの実施 長野市では糖尿病有病者と予備軍が多いため、国保特定健診、後期高齢者健診の結果から、対象者に保健師や管理栄養士が個別面談を行い、生活習慣改善のアドバイスなどを無料で行っている。
・各種検診の実施 長野市では40〜70歳の5歳刻みの年齢に達する(満年齢)女性を対象に、骨粗しょう症検診を実施。費用は1,000円。また、当該年度30・ 40・50・60・70歳になる方を対象に歯周疾患検診も行っている。費用は500円。いずれも、受診費用が無料になる場合あり。
・フィットネス体験チケットの配付 国保特定健診・30歳代の国保健診を受診した方、人間ドック・脳ドックの補助申請をした方に、市内のフィットネスクラブで使用できるフィットネス体験チケットを配付している。
※本記事は2021年12月時点の情報を元に作成しています。