静岡県富士市永田町2丁目62番地
静岡県静岡県焼津市小川新町5-2-3
静岡県静岡市駿河区小鹿1-1-1
静岡県三島市幸原町2丁目3番1号
静岡県浜松市北区三方原町892-1
静岡県駿東郡長泉町本宿411-5
静岡県焼津市大覚寺2-30-1
静岡県湖西市鷲津2259-1
静岡県磐田市中泉御殿703番
静岡県浜松市浜北区平口5000浜松ホトニクス中央研究所内
静岡県静岡市駿河区下河原南11-1
静岡県沼津市下香貫石原1282-2
静岡県浜松市西区入野町19954-550
静岡県富士宮市杉田270-12
静岡県浜松市東区小池町1790
静岡県浜松市東区神立町570
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静岡市は静岡県の県庁所在地で、2003年に旧静岡市と旧清水市が合併して70万人都市として誕生し、2005年に政令指定都市に移行しました。政令指定都市とは、地方自治法にもとづき政令によって指定される、人口50万人以上の市を指します。2021年現在、20市が指定されています。
2021年6月現在の人口は約69.2万人(住民基本台帳による)です。国勢調査によれば、静岡市の人口は1990年をピークに減少に転じています。なお、日本全体のピークは2008年、静岡県全体のピークは2007年です(いずれも国勢調査をもとにした推計人口)。国立社会保障・人口問題研究所によれば、現状のままでは2030年には約64.6万人に減少すると推計されています。2021年6月現在における65歳以上の高齢者人口は約21.1万人で、高齢化率は30.5%です。2020年10月の日本全体の高齢化率は28.8%であることから、静岡市の高齢化率は全国よりも進んでいると言えます。多くの地方自治体同様、人口が減少しているのに対して、高齢者の人口は増加しています。
健康寿命とは、2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間を指します。日常生活に制限のない、自立した状態で過ごせる期間と言えます。
下記は、静岡市の平均寿命と健康寿命、およびその差です(カッコ内は全国平均)。平均寿命と健康寿命との差(不健康である期間)が長くなるほど医療費や介護費がふくらみ、公費負担が増大する要因になります。
平均寿命※2015年 | 健康寿命※2016年 | 不健康である期間 | |
---|---|---|---|
男性 | 80.9歳(80.8歳) | 72.53歳(72.14歳) | 8.37年(8.66年) |
女性 | 87.1歳(87.0歳) | 73.91歳(74.79歳) | 13.19年(12.21年) |
2016年現在の健康寿命は、男性72.53歳、女性73.91歳で、これは政令指定都市20市のうち男性3位、女性14位です。全国平均と比較すると、静岡市の男性は健康寿命が長くて不健康である期間が短く、静岡市の女性は健康寿命が短くて不健康である期間が長い、という結果になっています。「静岡市健康爛漫計画(第2次)」および「静岡市健康長寿のまちづくり計画」では、2022年度の健康寿命の目標が75歳であることを明記しています。
1981年以降、日本人の死因の第1位はがんです。以降、生活習慣病を主因とする疾患が上位を占めています。生活習慣病とは、生活習慣(食、運動、喫煙、飲酒等)が影響する一部のがんや心臓病(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)、糖尿病などを指します。人口動態調査によると、静岡市と日本全体の死因とその割合は下記のようになっています。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
静岡市※2018年 | 悪性新生物(がん)25.8% | 心疾患13.9% | 老衰13.8% | 脳血管疾患8.0% | 肺炎6.1% |
日本全体※2019年 | 悪性新生物(がん)27.3% | 心疾患15.0% | 老衰8.8% | 脳血管疾患7.7% | 肺炎6.9% |
静岡市の死因順位は日本全体と同じです。ポイント数では、1位のがんや2位の心疾患が日本全体を下回っていますが、3位の老衰が日本全体よりも大きく上回っており、5.8ポイント高い数値になっています。要因として、人口のピークが早かったことや日本全体よりも高齢化率が進んでいること(「1-1.人口統計と高齢化率」参照)が考えられます。
日本では、厚生労働省の指針に基づき、自治体主導で実施されている「5大がん検診」と呼ばれるがん検診があり、全国各自治体とも受診率の向上を目指しています。5大がん検診は、胃がん、子宮がん(子宮頸がん)、肺がん、乳がん、大腸がんの5つの検診を指します。
5大がん検診は、加入している健康保険の種類に関係なく住民票のある自治体で受診することができます。検診の種類によって対象年齢や頻度は異なりますが、受診費の一部もしくは全額が公費で負担されます。ただし、企業に勤めている方などは、企業による健康診断にがん検診が含まれていることが多いため、自治体主導のがん検診受診者は国民健康保険加入者や後期高齢者医療保険加入者を含む、「勤務先などでの受診機会のない人」が中心です。
静岡市が実施しているがん検診の種類と費用は下記の通りです。太字は、静岡市独自の取り組みです。
種類 | 検査項目 | 対象者 | 受診間隔 | 費用 |
---|---|---|---|---|
胃がん | 問診、胃部X線検査(バリウム)または胃内視鏡検査(胃カメラ) | 35歳以上 | 年1回 | ・バリウム集団:500円個別:1,900円・胃カメラ:3,000円 |
子宮頸がん | 問診、視診、子宮頸部細胞診、内診 | 20歳以上女性 | 2年に1回 | 集団:800円個別:1,100円 |
肺がん | 問診、胸部X線検査、喀痰検査 | 40歳以上 | 年1回 | 無料※喀痰検査希望者は300円 |
乳がん | 問診、マンモグラフィ、視触診 | 40歳以上女性 | 2年に1回 | 2,000円 |
大腸がん | 問診、便潜血検査 | 40歳以上 | 年1回 | 集団:200円個別:400円 |
前立腺がん | 血液検査(PSA値) | 50歳以上男性 | 年1回 | 1,000円 |
静岡市のがん検診は、基本的には厚生労働省の指針に沿っています。胃がん検診は指針よりも15歳若い35歳から、受診間隔は指針よりも多い年1回、さらに指針にはない前立腺がん検診を運用しているのが特長です。
静岡市のがん検診の無料クーポンは下記の通りです。
種類 | 対象者※年齢は当該年度4月1日時点で判定 | 無料になる検査項目 |
---|---|---|
子宮頸がん | 20歳の女性 | 問診、視診、子宮頸部細胞診 |
乳がん | 40歳の女性 | 問診、視触診、マンモグラフィ |
無料クーポン券配布対象者が、クーポン券が届く前に「静岡市の検診」を受診した場合、医療機関へ支払った自己負担金が返金されます。自己負担金返金の対象は、「静岡市の検診」のみで、勤務先での検診や、健康保険の適用を受けた検診、独自に受診した検診などは、対象外です。
また、次の方は無料でがん検診を受診することができます。・70歳以上の方・後期高齢者医療保険証を持っている方・生活保護受給世帯・市民税非課税世帯
下記は、静岡市が実施した2015年度から2019年度の各がん検診の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 2.9% | 17.5% | 5.9% | 17.1% | 7.8% |
2016年度 | 6.3% | 16.5% | 6.6% | 15.5% | 6.8% |
2017年度 | 6.7% | 15.9% | 6.5% | 14.5% | 6.6% |
2018年度 | 6.5% | 15.7% | 6.2% | 14.0% | 6.5% |
2019年度 | 6.1% | 15.5% | 5.8% | 13.4% | 6.2% |
下記は、自治体主導のがん検診における2015年度から2019年度の日本全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 6.3% | 23.3% | 11.2% | 20.0% | 13.8% |
2016年度 | 8.6% | 16.4% | 7.7% | 18.2% | 8.8% |
2017年度 | 8.4% | 16.3% | 7.4% | 17.4% | 8.4% |
2018年度 | 8.1% | 16.0% | 7.1% | 17.2% | 8.1% |
2019年度 | 7.8% | 15.7% | 6.8% | 17.0% | 7.7% |
静岡市のがん検診受診率は、日本全体を下回っている検診がほとんどです。日本全体との乖離が最も小さいのは子宮頸がん検診で、年度によっては上回っています。しかしながら、全検診とも年々低下している傾向にあり、これは日本全体においても同様の傾向です。
とくに大きく低下したのは2017年度以降の乳がん検診です。日本全体のデータにおいて、2016年度から一部の受診率が顕著に増減している要因としては、地域保健・健康増進事業報告における受診率の算定法の対象者が変更されたことが考えられます。また、過去に国のがん検診推進事業として、国のがん検診推進事業として、大腸がん検診、乳がん検診では40~60歳の間で5歳おき、子宮頸がん検診では20~40歳の間で5歳おきに無料クーポンが配布されていました。しかし、2016年から大腸がん検診は事業の対象外になり、2017年から子宮頸がん検診と乳がん検診の無料クーポンは検診開始年齢(子宮頸がん検診20歳、乳がん検診40歳)のみになりました。これら無料クーポン対象外の影響が受診率低下につながっていると考えられています。このため、自治体によっては独自の無料クーポンを配布したり、キャンペーンを実施したりして、受診率向上に努めています。
がん検診の受診率向上やがん予防に向けて、静岡市では次のような取り組みを行っています。女性対象の検診を特定健診とともに受診できる取り組みや検診受診時の託児サービス、なかには“緑茶を飲む習慣”の普及という静岡市ならではの施策もあります。
・サンデーレディース健診 女性限定で特定の日曜日に健診を受診できる取り組み。子宮頸がん検診・乳がん検診および特定健診を同時に受診できる。特定健診は、国民健康保険加入者または協会けんぽの被扶養者も対象。
・トリプル健診 特定健診と大腸がん検診の両方を受けた41~69歳の市民を対象に歯周病健診無料受診券を送付。
・子宮頸がん検診・乳がん検診における託児サービス 集団検診の特定日に託児サービスを実施。
・小中高生に対するがん教育 専門医を学校に招き、「がんに関する授業」を実施。小中高生に対して、がんの正しい知識や予防の大切さを啓蒙する取り組み。
・“緑茶を飲む習慣”の推進 緑茶飲用が、がんや生活習慣病リスクの低下を期待できるという研究成果をもとに、緑茶を飲む習慣を推進。小学5・6年生を対象としたお茶の講義、18歳以上を対象としたお茶について学ぶ講座などを実施している。
静岡市では、人間ドックの補助や助成は行っていません。
「機能評価認定施設」とは、日本人間ドック学会が定めている「人間ドック健診施設機能評価」という評価基準をクリアした医療施設です。申請のあった人間ドック施設に対して日本人間ドック学会が受診者目線で審査している取り組みです。
審査項目には、「運営方針、組織の管理体制が確立しているか」や「検査の業務マニュアルは作成されているか」、「感染対策などの危機管理は徹底されているか」といった人間ドックの健診施設側の安全面に関する基準から、「受診者が快適に受診できるように配慮しているか」や「受診者のプライバシーに配慮しているか」といった受診者側に関する基準まで、多角的な評価基準があります。また、評価基準は5年ごとに改定され、更新審査が行われます。
日本人間ドック学会が審査した機能評価認定施設は、全国で410以上の施設が認定されており、このうち静岡市内の機能評価認定施設は2023年8月現在で3施設あります。
マーソでは、機能評価認定施設から人間ドックのプランを探すことができます。くわしくはこちらをご覧ください。
静岡市は、2022年度の市民の健康寿命を75歳とする目標を掲げています。健康寿命の延伸に向け、市民の健康への意識づくり、行動変容、環境づくりの3つを基本方針に、さまざまな取り組みを行っています。ユニークな取り組みを紹介します。
・元気静岡マイレージ 特定健診やがん検診の受診、生活習慣の目標達成に応じてポイントを付与。特定のポイント数を集めると、県内の協力店でサービスを受けられる「ふじのくに健康いきいきカード」をもらえたり、抽選で特産物などが当たったりする。
・口腔ケアへの取り組み 歯科健診受診率、むし歯のない子どもの割合、高齢での自分の歯の本数などの目標値を定め、達成ための取り組みを行っている。乳幼児期から高校生、そして口腔状態が悪化する妊婦、40歳以上の全市民への歯科健診などのほか、高齢者や障がい者への口腔ケア支援にも力を入れている。
・ICTを活用した生活習慣改善プログラム パソコンやスマートフォンを使用し、オンラインで保健指導を受けられる仕組み。平日の日中に時間が取れなくても、夜間や休日に保健指導を受けることができる。
※本記事は2021年6月時点の情報を元に作成しています。