11月 | 12月 | 1月 |
---|---|---|
11月 | 12月 | 1月 |
---|---|---|
11月 | 12月 | 1月 |
---|---|---|
11月 | 12月 | 1月 |
---|---|---|
目次[非表示]
宇都宮市は栃木県の県庁所在地です。1896年の市制施行により誕生して以来、周辺の11町村と合併を重ねてきました。2007年に上河内町および河内町と合併して、宇都宮市は北関東初の50万人都市へと発展しました。「餃子のまち」として知られ、餃子の消費額は全国でトップクラスです。また「カクテルのまち」、「ジャズのまち」としての顔も持ちあわせています。
2021年11月1日現在の人口は約51.7万人(住民基本台帳による)です。国勢調査によれば、宇都宮市の人口は緩やかながら増加し続けています。なお、日本全体のピークは2008年、栃木県全体のピークは2005年です(いずれも国勢調査をもとにした推計人口)。国立社会保障・人口問題研究所の2018年時点の推計によれば、宇都宮市の人口は2020年ごろがピークとなり、2030年には約51.5万人に、2045年には約48.1万人に減少するとされています。
2021年6月現在における65歳以上の高齢者人口は約13.3万人で、高齢化率は25.6%です。2020年10月の日本全体の高齢化率は28.8%であることから、宇都宮市の高齢化は全国よりも進んでいないと言えます。しかし多くの地方自治体同様、人口全体に対して高齢者の人口は増加しています。
健康寿命とは、2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間を指します。日常生活に制限のない、自立した状態で過ごせる期間と言えます。
下記は、宇都宮市の平均寿命と健康寿命を示した表です(カッコ内は全国平均)。宇都宮市の健康寿命は、国が定める「健康寿命の算定方法の指針」および「健康寿命の算定プログラム」を用いて、介護保険の要介護度に基づき、算定しています。平均寿命と健康寿命との差(不健康である期間)が長くなるほど医療費や介護費がふくらみ、公費負担が増大する要因になります。
男性 | 女性 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
2010年 | 2016年 | 増減 | 2010年 | 2016年 | 増減 | |
平均寿命 | 79.81歳(79.55歳) | 80.96歳(81.09歳※2017年) | +1.15 | 86.06歳(86.30歳) | 86.59歳(87.26歳※2017年) | +0.53 |
健康寿命 | 78.47歳 | 79.56歳 | +1.09 | 83.16歳 | 83.58歳 | +0.42 |
不健康である期間 | 1.34年 | 1.40年 | +0.06 | 2.90年 | 3.01年 | +0.11 |
宇都宮市の2016年現在の平均寿命は、全国平均(2017年)よりわずかに低いです。健康寿命は介護保険の要介護度に基づき算出されているため全国平均と比較することはできませんが、2010年度と2016年度の健康寿命の値を比較すると、男女ともに延びが見られ、とくに男性は約1歳と大きく延びていることがわかります。
宇都宮市では、「第2次健康うつのみや21」のもと、健康寿命の延伸を基本目標として、さまざまな取り組みを行っています。
1981年以降、日本人の死因の第1位はがんです。以降、生活習慣病を主因とする疾患が上位を占めています。生活習慣病とは、生活習慣(食、運動、喫煙、飲酒等)が影響する一部のがんや心臓病(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)、糖尿病などを指します。人口動態調査によると、宇都宮市と日本全体の死因とその割合は下記のようになっています。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
宇都宮市※2019年 | 悪性新生物(がん)26.7% | 心疾患15.9% | 老衰10.1% | 脳血管疾患9.2% | 肺炎6.5% |
日本全体※2019年 | 悪性新生物(がん)27.3% | 心疾患15.0% | 老衰8.8% | 脳血管疾患7.7% | 肺炎6.9% |
宇都宮市の死因順位は日本全体と同じです。ポイント数では、1位のがんや5位の肺炎が日本全体を下回っていますが、2位の心疾患や3位の老衰、4位の脳血管疾患においては、日本全体を上回っています。三大疾病(がん、心疾患、脳血管疾患)の合計は51.8%で死因の半数以上を占めていることから、生活習慣の改善に意識を向けることが大切と言えます。
日本では、厚生労働省の指針に基づき、自治体主導で実施されている「5大がん検診」と呼ばれるがん検診があり、全国各自治体とも受診率の向上を目指しています。5大がん検診は、胃がん、子宮がん(子宮頸がん)、肺がん、乳がん、大腸がんの5つの検診を指します。
5大がん検診は、加入している健康保険の種類に関係なく住民票のある自治体で受診することができます。検診の種類によって対象年齢や頻度は異なりますが、受診費の一部もしくは全額が公費で負担されます。ただし、企業に勤めている方などは、企業による健康診断にがん検診が含まれていることが多いため、自治体主導のがん検診受診者は国民健康保険加入者や後期高齢者医療保険加入者を含む、「勤務先などでの受診機会のない人」が中心です。
宇都宮市が実施しているがん検診の種類と費用は下記の通りです。太字は、宇都宮市独自の取り組みです。
種類 | 検査項目 | 対象者 | 受診間隔 | 費用 |
---|---|---|---|---|
胃がん | 胃部X線検査(バリウム)または胃内視鏡検査(胃カメラ) | 40歳以上 | 年1回 | ●バリウム・集団:840円・個別:3,350円●胃カメラ・個別:3,350円 |
子宮がん | 子宮頸部細胞診※医師が必要と判断した方には、子宮体部細胞診も実施 | 20歳以上女性 | 年1回 | ●子宮頸部・集団:760円・個別:1,400円●子宮頸部+子宮体部・個別:2,710円 |
肺がん | 胸部X線検査※50歳以上で、喫煙指数600以上の方は、喀痰検査も受診可 | 40歳以上 | 年1回 | ●胸部X線・集団:430円・個別:1,030円●胸部X線+喀痰・集団:980円・個別:1,770円 |
乳がん | マンモグラフィ、超音波検査併用※30歳代女性は、視触診も実施 | 30歳以上女性※30歳代女性は視触診のみ | 2年に1回※30歳代は視触診のみの検査(個別健診)で毎年受診可 | ●マンモ+超音波・集団:1,360円●視触診・個別:670円 |
大腸がん | 便潜血反応検査 | 40歳以上 | 年1回 | ・集団:340円・個別:880円 |
前立腺がん | 血液検査 | 50歳以上男性 | 年1回 | ・集団:370円・個別:1,300円 |
宇都宮市のがん検診は、基本的には厚生労働省の指針に沿っています。ただし下記のような宇都宮市が独自で行っている取り組みもあります。 ・子宮がん検診の受診間隔は、国の指針よりも多い年1回で実施。必要に応じて子宮体部細胞診も実施 ・乳がん検診は、30歳代から視触診を実施、また40歳以降は超音波検査の併用あり ・国の指針にはない前立腺がん検診を実施
宇都宮市のがん検診の無料クーポンは下記の通りです。
種類 | 対象者※年齢は当該年度4月1日時点で判定 | 無料になる検査項目 |
---|---|---|
子宮頸がん | 20歳女性 | 子宮頸部細胞診 |
乳がん | 40歳女性 | マンモグラフィ、超音波検査併用 |
無料クーポン券配布対象者が、クーポン券が届く前に「宇都宮市の検診」を受診した場合、期限(翌年度4月の最終開庁日)までに指定の申請書を提出することで、医療機関へ支払った自己負担金が返金されます。詳細は宇都宮市サイトでご確認ください。
また、次の方は無料でがん検診を受診することができます。 ・健診受診日に70歳以上の方 ・後期高齢者医療制度加入者の方 ・生活保護受給中の方 ・市民税非課税世帯に属する方
下記は、宇都宮市が実施した2015年度から2019年度の各がん検診の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 13.8% | 45.5% | 30.0% | 33.8% | 30.5% |
2016年度 | 11.0% | 20.0% | 9.6% | 14.8% | 9.5% |
2017年度 | 13.9% | 19.1% | 9.1% | 13.2% | 8.9% |
2018年度 | 11.5% | 18.2% | 8.7% | 13.2% | 9.9% |
2019年度 | 11.2% | 17.9% | 8.4% | 13.1% | 8.5% |
下記は、自治体主導のがん検診における2015年度から2019年度の日本全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 6.3% | 23.3% | 11.2% | 20.0% | 13.8% |
2016年度 | 8.6% | 16.4% | 7.7% | 18.2% | 8.8% |
2017年度 | 8.4% | 16.3% | 7.4% | 17.4% | 8.4% |
2018年度 | 8.1% | 16.0% | 7.1% | 17.2% | 8.1% |
2019年度 | 7.8% | 15.7% | 6.8% | 17.0% | 7.7% |
宇都宮市のがん検診受診率は、日本全体を上回っている検診がほとんどです。乳がんは、2015年度に日本全体を大きく上回っていましたが、その後は下回る値を推移しています。全検診とも年々低下している傾向にあり、これは日本全体においても同様の傾向です。
2016年度から一部の受診率が顕著に低下している要因としては、地域保健・健康増進事業報告における受診率の算定法の対象者が変更されたことが考えられます。また、過去に国のがん検診推進事業として、大腸がん検診、乳がん検診では40~60歳の間で5歳おき、子宮頸がん検診では20~40歳の間で5歳おきに無料クーポンが配布されていました。しかし、2016年から大腸がん検診は事業の対象外になり、2017年から子宮頸がん検診と乳がん検診の無料クーポンは検診開始年齢(子宮頸がん検診20歳、乳がん検診40歳)のみになりました。これら無料クーポン対象外の影響が受診率低下につながっていると考えられています。このため、自治体によっては独自の無料クーポンを配布したり、キャンペーンを実施したりして、受診率向上に努めています。
がん検診の受診率向上やがん予防に向けて、宇都宮市では次のような取り組みを行っています。がん検診を出前で受けられるサービスや、乳がんの普及啓発活動が行われています。
・肝炎ウイルス検診の実施 一肝硬変や肝臓がんの発症リスクとなる肝炎ウイルスの検査を実施。対象は40歳以上で、過去に受診歴がない方または特定健診で肝機能の数値に異常がみられた方。費用は集団検診290円、個別検診800円。
・がん検診の出前検診 20名以上の宇都宮市民(企業などの団体)を対象に出前検診を実施。出前の費用は無料で、集団健診の料金で受診できる。健診内容は各がん検診のほか、心電図検査、貧血検査、肝炎ウイルス検診、骨粗しょう症検診も選択可能。
・ピンクリボンキャンペーン 乳がん月間の10月に、乳がんについての正しい知識を普及啓発する。乳がんモデルを使用した自己触診体験や、家庭でできる自己触診法リーフレットの配布、乳がんに関するパネル展示などを実施。
宇都宮市では、市内在住の国民健康保険被保険者を対象に、人間ドック・脳ドックの費用の一部が補助されます。同一年度内で人間ドックまたは脳ドックのどちらかの補助を受けることができます。補助内容は下記の通りです。
【対象者】 宇都宮市の国民健康保険被保険者(満40歳以上75歳未満)で、国民健康保険税を含む市税に滞納がない方
【補助額】 10,000円(人間ドックまたは脳ドック健診費用のいずれか)
受診できる施設は、市内の契約医療施設のみです。詳細は、宇都宮市サイトもしくは宇都宮市役所で確認してください。
「機能評価認定施設」とは、日本人間ドック学会が定めている「人間ドック健診施設機能評価」という評価基準をクリアした医療施設です。申請のあった人間ドック施設に対して日本人間ドック学会が受診者目線で審査している取り組みです。
審査項目には、「運営方針、組織の管理体制が確立しているか」や「検査の業務マニュアルは作成されているか」、「感染対策などの危機管理は徹底されているか」といった施設側の安全面に関する基準から、「受診者が快適に受診できるように配慮しているか」や「受診者のプライバシーに配慮しているか」といった受診者側に関する基準まで、多角的な評価基準があります。また、評価基準は5年ごとに改定され、更新審査が行われます。
全国で390以上の施設が認定されており、このうち宇都宮市内の機能評価認定施設は2021年11月現在で4施設あります。
マーソでは、機能評価認定施設から人間ドックのプランを探すことができます。くわしくはこちらをご覧ください。
宇都宮市では健康寿命の延伸を目指し、市民の自発的な健康活動をサポートできる環境の整備を中心に、以下のような取り組みを実施しています。
・うつのみや健康ポイント 健康づくりに取り組むことでポイントが貯まる健康ポイント事業。スマートフォン用アプリまたは紙の活動記録表により参加でき、徒歩などの運動、体重記録、健診受診、BMI改善などの活動によりポイントが付与される。ポイントは、翌年度に図書カードや市有施設の利用券などに交換できる。また、1年間で3000ポイント貯めた場合、翌年度に飲食店などで使える割引券への交換や、豪華景品があたる抽選への参加ができる。
・ウォーキングマップの作成 健康づくり推進員を中心に、各地域のウォーキングマップを作成。ウォーキングマップには、各コースの見所が掲載されており、地域の魅力を再発見でき、身近な場所で気軽に楽しくウォーキングができる。
・総合型地域スポーツクラブ 子どもからお年寄りまで誰もが参加でき、スポーツの楽しさを知ることができる地域密着型のスポーツクラブ。複数のスポーツ種目から自由に選択でき、質の高い指導者のもと個々のニーズに応じた指導を受けられる。
※本記事は2021年11月時点の情報を元に作成しています。