11月 | 12月 | 1月 |
---|---|---|
11月 | 12月 | 1月 |
---|---|---|
11月 | 12月 | 1月 |
---|---|---|
徳島県徳島市国府町芝原字天満25-1
目次[非表示]
徳島市は徳島県の県庁所在地です。1966年に板野郡応神村、1967年に名東郡国府町が合併編入され、ほぼ現在の市域となりました。毎年8月12〜15日に開催される阿波踊りが有名で、期間中には国内外から100万人以上が集まります。
2021年8月現在の人口は約25.1万人(住民基本台帳による)です。国勢調査によれば、徳島市の人口は1995年をピークに減少に転じています。なお、日本全体のピークは2008年、徳島県全体の直近のピークは1987年です(いずれも国勢調査をもとにした推計人口)。国立社会保障・人口問題研究所によれば、現状のままでは2045年には約20.5万人に減少すると推計されています。2021年8月現在における65歳以上の高齢者人口は約7.4万人で、高齢化率は29.6%です。2020年10月の日本全体の高齢化率は28.8%であることから、徳島市の高齢化率は全国よりも進んでいると言えます。多くの地方自治体同様、人口が減少しているのに対して、高齢者の人口は増加しています。
健康寿命とは、2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間を指します。日常生活に制限のない、自立した状態で過ごせる期間と言えます。
2021年8月現在、徳島市の健康寿命は公表されていません。参考として、徳島県の平均寿命と健康寿命、およびその差である「不健康である期間」を表にまとめました(カッコ内は全国平均)。平均寿命と健康寿命との差(不健康である期間)が長くなるほど医療費や介護費がふくらみ、公費負担が増大する要因になります。
徳島市平均寿命※2015年 | 参考:徳島県平均寿命※2015年 | 参考:徳島県健康寿命※2016年 | 参考:徳島県不健康である期間 | |
---|---|---|---|---|
男性 | 80.9歳(80.8歳) | 80.3歳(80.8歳) | 71.34歳(72.14歳) | 8.96年(8.66年) |
女性 | 86.1歳(87.0歳) | 86.7歳(87.0歳) | 74.04歳(74.79歳) | 12.66年(12.21年) |
徳島県の2016年現在の健康寿命は、男性71.34歳、女性74.04歳で、これは全国47都道府県のうち男性44位、女性43位です。2013年には、男性は全国最下位となっていました。
1981年以降、日本人の死因の第1位はがんです。以降、生活習慣病を主因とする疾患が上位を占めています。生活習慣病とは、生活習慣(食、運動、喫煙、飲酒等)が影響する一部のがんや心臓病(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)、糖尿病などを指します。人口動態調査によると、徳島市と日本全体の死因とその割合は下記のようになっています。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
徳島市※2019年 | 悪性新生物(がん)25.2% | 心疾患14.3% | 肺炎9.3% | 老衰8.0% | 脳血管疾患7.5% |
日本全体※2019年 | 悪性新生物(がん)27.3% | 心疾患15.0% | 老衰8.8% | 脳血管疾患7.7% | 肺炎6.9% |
徳島市の死因順位は、1位2位については日本全体と共通していますが、3位以下は順位が異なります。3位の肺炎は全国よりも2.4ポイント高くなっています。3位以下は年度により入れ替わっていますが、1位悪性新生物、2位心疾患である状況は過去から変わっていません。
日本では、厚生労働省の指針に基づき、自治体主導で実施されている「5大がん検診」と呼ばれるがん検診があり、全国各自治体とも受診率の向上を目指しています。5大がん検診は、胃がん、子宮がん(子宮頸がん)、肺がん、乳がん、大腸がんの5つの検診を指します。
5大がん検診は、加入している健康保険の種類に関係なく住民票のある自治体で受診することができます。検診の種類によって対象年齢や頻度は異なりますが、受診費の一部もしくは全額が公費で負担されます。ただし、企業に勤めている方などは、企業による健康診断にがん検診が含まれていることが多いため、自治体主導のがん検診受診者は国民健康保険加入者や後期高齢者医療保険加入者を含む、「勤務先などでの受診機会のない人」が中心です。
徳島市が実施しているがん検診の種類と費用は下記の通りです。太字は、徳島市独自の取り組みです。
種類 | 検査項目 | 対象者 | 受診間隔 | 費用 |
---|---|---|---|---|
胃がん | 胃部X線検査(バリウム) | 50歳以上 | 年1回 | 集団:700円個別:1,500円 |
胃がん | 胃内視鏡検査(胃カメラ) | 50歳以上で偶数年齢の方 | 2年に1回 | 個別:4,100円 |
子宮頸がん | 子宮頸部細胞診 | 20歳以上の女性 | 2年に1回 | 個別:1,200円 |
肺がん | 胸部X線検査 | 40歳以上 | 年1回 | 集団:300円施設:500円 |
乳がん | 乳房X線検査(マンモグラフィ) | 40歳以上の女性 | 2年に1回 | 集団:500円個別:1,500円 |
大腸がん | 便潜血検査 | 40歳以上 | 年1回 | 個別:500円 |
前立腺がん | 血液検査(腫瘍マーカーPSA検査) | 50歳以上で偶数年齢の男性 | 2年に1回 | 個別:1,000円 |
徳島市のがん検診は、基本的には厚生労働省の指針に沿っています。指針にはない前立腺がん検診を運用しているのが特長です。胃がんと肺がんは集団検診以外に、徳島県総合センターでも検診を受け付けています。
徳島市のがん検診の無料クーポンは下記の通りです。
種類 | 対象者 | 無料になる検査項目 |
---|---|---|
子宮頸がん | 20歳の女性 | 問診、内診、細胞診 |
乳がん | 40歳の女性 | 問診、マンモグラフィ |
また、次の方はがん検診自己負担金免除制度により、無料でがん検診を受診することができます。
・70歳以上の方 ・65〜69歳で後期高齢者医療被保険者証を持っている方 ・市民税非課税世帯 ・生活保護受給世帯
プラスがん検診(「4-2.徳島市のがん検診受診率向上やがん予防のための取り組み」参照)での乳がん検診、医療機関での乳がん検診には自己負担金免除制度は適用されません。また、「東日本大震災」にかかる災害救助法の適応となる方は、自己負担金が免除されます。
下記は、徳島市が実施した2015年度から2019年度の各がん検診の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 3.3% | 21.0% | 3.6% | 15.5% | 6.0% |
2016年度 | 4.7% | 20.8% | 3.4% | 14.4% | 5.4% |
2017年度 | 4.6% | 20.4% | 3.4% | 13.2% | 4.8% |
2018年度 | 4.6% | 20.2% | 3.1% | 12.8% | 4.5% |
2019年度 | 4.3% | 19.2% | 2.7% | 12.5% | 4.0% |
下記は、自治体主導のがん検診における2015年度から2019年度の日本全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 6.3% | 23.3% | 11.2% | 20.0% | 13.8% |
2016年度 | 8.6% | 16.4% | 7.7% | 18.2% | 8.8% |
2017年度 | 8.4% | 16.3% | 7.4% | 17.4% | 8.4% |
2018年度 | 8.1% | 16.0% | 7.1% | 17.2% | 8.1% |
2019年度 | 7.8% | 15.7% | 6.8% | 17.0% | 7.7% |
徳島市のがん検診受診率は、日本全体を3ポイント以上下回っている部位がほとんどですが、子宮頸がん検診については、2016年度以降、日本全体の受診率を上回っています。しかしながら、全検診とも年々低下している傾向にあり、これは日本全体においても同様の傾向です。
2016年度から一部の受診率が顕著に低下している要因としては、地域保健・健康増進事業報告における受診率の算定法の対象者が変更されたことが考えられます。また、過去に国のがん検診推進事業として、大腸がん検診、乳がん検診では40~60歳の間で5歳おき、子宮頸がん検診では20~40歳の間で5歳おきに無料クーポンが配布されていました。しかし、2016年から大腸がん検診は事業の対象外になり、2017年から子宮頸がん検診と乳がん検診の無料クーポンは検診開始年齢(子宮頸がん検診20歳、乳がん検診40歳)のみになりました。これら無料クーポン対象外の影響が受診率低下につながっていると考えられています。このため、自治体によっては独自の無料クーポンを配布したり、キャンペーンを実施したりして、受診率向上に努めています。
がん検診の受診率向上やがん予防に向けて、徳島市では次のような取り組みを行っています。
・がん検診と特定検診の同時受診「プラスがん検診」 徳島県総合検診センターでは「プラスがん検診」として、特定検診と各種がん検診を同日にまとめて受けることが可能。検診車(バス)で行う、土日午前の胃がん・肺がん検診でも特定検診と同日に受けられる日程を設けている。
・受診券から受診はがきへ 受診券付きの案内はがきから、受診したことを記録するはがきに書式変更。受診状況を自身で把握しやすくなっている。
・J.M.S.(ジャパン・マンモグラフィー・サンデー) 徳島市民病院では、NPO法人J.POSH(日本乳がんピンクリボン運動)が呼びかける「10月第3日曜日に全国どこでも乳がん・マンモグラフィー検査が受診できる環境づくり」に賛同、10月第3日曜日に乳がん検診を実施している。
徳島市では、徳島市在住の国民健康保険被保険者を対象に日帰り人間ドック、脳ドックの助成をしています。定員を超える場合は抽選になります。
徳島市の日帰り人間ドックの助成内容は下記の通りです。
【助成対象者】 徳島市在住の国民健康保険被保険者(30歳以上74歳以下)で保険料を完納している世帯の方
【自己負担額】
検診項目 | 自己負担額(円) |
---|---|
婦人科検診あり | 12,900 |
婦人科検診なし | 11,000 |
徳島市の脳ドックの助成内容は下記の通りです。
【助成対象者】 徳島市在住の国民健康保険被保険者(30歳以上74歳以下)で保険料を完納している世帯の方
【自己負担額】 6,500円
なお、前年度に脳ドックを受診している方は、当該年度の申請はできません。詳細は徳島市サイトまたは徳島市役所で確認してください。
「機能評価認定施設」とは、日本人間ドック学会が定めている「人間ドック健診施設機能評価」という評価基準をクリアした医療施設です。申請のあった人間ドック施設に対して日本人間ドック学会が受診者目線で審査している取り組みです。
審査項目には、「運営方針、組織の管理体制が確立しているか」や「検査の業務マニュアルは作成されているか」、「感染対策などの危機管理は徹底されているか」といった施設側の安全面に関する基準から、「受診者が快適に受診できるように配慮しているか」や「受診者のプライバシーに配慮しているか」といった受診者側に関する基準まで、多角的な評価基準があります。また、評価基準は5年ごとに改定され、更新審査が行われます。
全国390以上の施設が認定されており、このうち徳島市内の機能評価認定施設は2021年9月現在で1施設あります。
マーソでは、機能評価認定施設から人間ドックのプランを探すことができます。くわしくはこちらをご覧ください。
徳島市では、健康意識の向上や知識の普及から一歩進め、健康的な生活への改善行動を後押しすることに重点を置き、ライフステージに応じた健康づくりの支援を行っています。モチベーションを高めるポイントシステムなど、生活改善を促すユニークな取り組みを紹介します。
・とくしま健康ポイントプロジェクト「テクとく」 スマホアプリを活用したポイントプログラム。歩数等に応じて貯まる健康ポイントで、協賛店でのサービスや県産品が当たるプレゼントなどの特典を受けられる。レシピのダウンロードやお遍路さんのバーチャル体験などアプリならではの仕掛けもある。
・トクシィと運動しよう! 市のイメージアップキャラクターを活用した、トレーニング動画をYouTubeで公開している。
・携帯食事手帳システム(四国大学との共同研究) 若者の食生活改善を図るため、四国大学と共同研究を行った。携帯電話から日々の食事データを送信すると栄養摂取量が自動計算・表示されるシステムを提供し、栄養摂取状況を確認したところ、栄養不足となっている実態が明らかとなった。
・もの忘れ検診 市の医師会で「もの忘れ検診医」を養成し、40歳以上の市民に対し、無料で「もの忘れ検診」を行なっている。認知症を早期発見する狙い。
・とくしま病予防教室 肥満・高血圧・脂質異常症などの血管内皮障害を「とくしま病」と名付け、血糖値が高い人や肥満傾向の人などを対象とした、健康教室を開催している。
※本記事は2021年9月時点の情報を元に作成しています。