人間ドックのマーソ
メニューを閉じる 無料会員登録

Vポイントまたはdポイント最大1.5%貯まる!

この検査は何のための検査?

更新日: 2025.04.17

総ビリルビン(T-BIL)

総ビリルビン(T-BIL)とは?

ビリルビンとは、古くなった赤血球が壊れ分解される際に生成される黄色の色素です。血液中のビリルビンは、肝臓で処理される前の「間接型ビリルビン(I-BIL)」と、処理された後の「直接型ビリルビン(D-BIL)」に分類されます。この2つを合わせて「総ビリルビン(T-BIL)」と言います。

ビリルビンは血液によって運ばれ、肝臓で処理されます。処理されたビリルビンは、肝臓でつくられる胆汁中に排出され、胆管を通り胆のうに一時的に貯められます。その後、消化の過程で胆のうから胆管を通り、十二指腸から流れ出て、大部分は便とともに体外に排泄されます。

総ビリルビン(T-BIL)を調べる目的

総ビリルビン(T-BIL)の値は血液検査で調べることができます。通常、血液中に含まれているビリルビンはごく少量です。しかし、肝臓・胆のう・胆管など、体内になんらかの障害があり、ビリルビンが体外に排出できなくなると、血液中でビリルビンが増加します。ビリルビンは黄色の色素なので、血液中で異常に増加すると皮膚や白目が黄色くなる症状(黄疸)を引き起こします。

人間ドックで総ビリルビン(T-BIL)の値を測定することで、肝・胆道系や血液などの異常の有無を知ることができます。総ビリルビン(T-BIL)の値に異常があった場合には、その原因を探るために、直接型ビリルビン(D-BIL)と間接型ビリルビン(I-BIL)の値を調べます。

総ビリルビン(T-BIL)の血液検査で見つけられる病気

血液検査で総ビリルビン(T-BIL)を調べると次のような病気の診断に役立ちます。

 ・急性肝炎
・慢性肝炎
・自己免疫性肝炎、薬剤性肝障害
・肝機能障害
・肝硬変
・肝臓がん
・胆のう炎
・胆嚢がん
・胆石症
・胆汁うっ滞
・胆管結石
・胆管がん
・膵臓がん
・体質性黄疸
・溶血性貧血
 など

総ビリルビン(T-BIL)の血液検査の見方

総ビリルビン(T-BIL)の判定区分は下記の通りです。
総ビリルビン(T-BIL)の判定区分

総ビリルビン(T-BIL)の基準値は医療施設によって若干異なる場合があります。また、総ビリルビン(T-BIL)が高値であっても、ほかの検査結果とともに医師が総合的に判断するため、必ずしも問題があるとは限りません。日本人間ドック・予防医療学会でも「総ビリルビンについては中等度までは、上昇に比例して死亡率の減少、動脈硬化予防となるので判定区分を設定していない」とされています。

ただし、検査結果が「要再検査」「要精密検査」などとなった場合は、なるべく早く受診しましょう。

関連記事

ALT(GPT)
AST(GOT)
γ-GTP

「人間ドックのミカタ」関連記事

肝臓がんの初期症状とは? なりやすい人や早期発見におすすめの検査方法も解説

この記事の監修ドクター

この記事は、以下の医師による監修を受け、MRSO編集部が作成しています。

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
人間ドック健診のご相談はこちらから