人間ドックのマーソ
メニューを閉じる 無料会員登録

最大3.5%貯まる!

この検査は何のための検査?

認知機能検査

認知機能検査とは?

認知機能検査は、VSRAD(ブイエスラド)、MMSE-J(日本語版ミニメンタルステートまたは精神状態短時間検査)などを行い、認知機能の低下を調べる検査です。

VSRADは頭部のMRIを撮影し、コンピューターで健康な脳の画像と比較解析を行って、海馬傍回付近における萎縮があるかどうかを確認する検査です。

MMSE-Jは知能検査のひとつで、おもに認知症のスクリーニング検査として活用されています。質疑応答と筆記で行われます。時間の見当識、場所の見当識、物品名の復唱、計算、物品名の想起、物品名の呼称、文章の反復、3段階の口頭命令、読解、習字、図形模写の11項目について確認します。

認知機能検査の目的

認知機能検査は、認知機能の低下の有無を調べ、認知症の恐れがないかを確認する目的をもっています。認知機能は、安全な日常生活を送るために欠かせないものです。認知機能の低下を早期に発見することで、事故などを予防することができるようになります。

認知機能検査で見つけられる病気

認知機能検査をすることで、次のような病気の診断に役立てることができます。

 ●脳血管性認知症
 ●アルツハイマー型認知症
 ●脳出血
 ●脳梗塞
 ●脳腫瘍  など

認知機能検査の結果の見方

【VSRAD】

MRIの頭部画像をコンピューターで解析し、海馬傍回(かいばぼうかい)の萎縮を確認します。海馬傍回とは記憶に関わる器官のひとつで、大脳皮質領域の内側側頭部に位置しています。肉眼では分かりづらい小さな萎縮も、コンピューターなら発見することができます。認知症の脳では、海馬傍回の萎縮が見られます。

【MMSE-J】

見当識、言語性記憶、全般性注意・計算、言語などで29点、図形模写で1点の合計30点になる検査です。合計点数が23点以下の場合、認知症の疑いがあると判断されます(日本神経学会より)。

認知機能検査の長所/短所

【VSRAD】

VSRADのために行うMRIの長所は、放射線ではなく磁気を利用しているため、レントゲンと違って被爆しないところです。そのため、子どもや妊婦でも安心して検査を受けることができます。一方短所は、撮影中に狭い空間でじっとしていないといけないところです。撮影中にはガンガンとという音が鳴り響くため、圧迫感を感じてしまうことがあります。ペースメーカーや金属プレートなどが体に入っている場合、検査を受けられないことがあります。検査には、30分程度かかります。

【MMSE-J】

MMSE-Jの長所は、受診者の身体的負担が少ないところです。MMSE-Jは質疑応答と筆記で行われ、時間も15分程度と短時間で終わります。一方、MMSE-Jだけでは認知症の確定を行うことができない点が短所です。MMSE-Jは認知症の疑いがあるかどうかを確認するスクリーニング検査のため、確定にはVSRADなどの検査が必要になります。

認知機能検査の流れ

認知機能検査の流れは以下のようになっています。

【VSRAD】

1.体についている金属類を外して、MRI検査室に入室する。
2.検査台の上に仰向けに横になる。
3.検査器具を頭部に装着する。
4.撮影中には動かない。
5.撮影した画像をコンピューターで解析する。

【MMSE-J】

1.用紙、筆記用紙、時計など必要な物品を準備する。
2.席について質疑応答、筆記を行う。
3.採点をして評価する。

<参考>
一般社団法人 日本神経学会「認知症疾患診療ガイドライン2017」第2章 症候,評価尺度,診断,検査

この記事の監修ドクター

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
人間ドック健診のご相談はこちらから