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この検査は何のための検査?

更新日: 2025.08.20

マイクロアレイ血液検査

マイクロアレイ血液検査とは?

マイクロアレイ血液検査とは、血液中に含まれるRNAなどを用いて、がん関連の遺伝子発現パターンを解析する検査です。RNAなどの核酸(遺伝物質)を網羅的に解析することで、とくに消化器系のがん(胃がん、大腸がん、膵臓がん、胆道がん)について調べます。検査方法は採血です。

なお、マイクロアレイを活用した検査には、上記のがんを調べる目的のほか、ゲノムのコピー数の変化を調べる「マイクロアレイ染色体検査」もあります。マイクロアレイ染色体検査は採血などにより行われ、ゲノムDNAのコピー数変化を検出する目的で、先天性疾患や発達障害、知的障害などの評価などに用いられます。

ここでは、人間ドックなどで行われることがある、がんのスクリーニングを目的とした「マイクロアレイ血液検査」について取り上げます。

マイクロアレイ血液検査の目的

がんなどの疾患における遺伝子発現パターンを解析し、病気の早期発見やリスク評価に活用することが目的です。一部の研究では、消化器系のがん(胃がん、大腸がん、膵臓がん、胆道がん)に対して90%以上の高い感度が報告されています。ただし、研究条件や施設により結果は異なり、偽陽性や偽陰性の可能性もあります。精度は検査法や実施機関によりばらつきがあり、全ての症例に当てはまるわけではありません。あくまでスクリーニング検査のひとつと捉え、その他の検査も受診することが大切です。

マイクロアレイ血液検査で見つけられる病気

マイクロアレイ血液検査は、下記の疾患の発見やリスク評価に役立ちます。

  • ・消化器系のがん(胃がん、大腸がん、膵臓がん、胆道がん)の早期発見
  • ・将来的な罹患リスクの評価

マイクロアレイ血液検査の結果の見方

マイクロアレイ血液検査の結果は多くの場合、下記のように示されます。

  • ・陽性:がんの可能性が疑われるため、精密検査を推奨
  • ・陰性:がんである可能性は低いと考えられるが、完全に否定できるわけではない

 

医療施設によっては、各がんのリスクの高低がレポート内に示されていることもあります。ただし、この検査における「陽性」はがんの診断を意味するものではありません。確定診断には専門医による診断的検査(内視鏡検査やCTなど)が必要です。

マイクロアレイ血液検査の注意点

マイクロアレイ血液検査は、あくまでスクリーニング検査のひとつであり、確定診断には内視鏡検査や画像診断などの精密検査が必要です。また、「陰性」であっても、消化器系のがんが存在する可能性をすべて否定するものではありません。妊娠中の方や妊娠の可能性がある方は、ホルモンの変化や胎児由来の成分が解析結果に影響を与える可能性があり、正確な評価が難しくなる場合があります。

マイクロアレイ血液検査は健康保険の適用外で、自由診療(全額自己負担)となります。

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この記事の監修ドクター

この記事は、以下の医師による監修を受け、MRSO編集部が作成しています。

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
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