愛媛県松山市一番町3-3-3
愛媛県今治市北宝来町2-4-9
愛媛県松山市六軒家町4-20
愛媛県松山市大手町1丁目4-1ココファン松山大手町1階
愛媛県松山市松末2-19-36
愛媛県松山市味酒町1-10-10-5
愛媛県松山市富久町360番地1
愛媛県松山市末広町18-2
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松山市は愛媛県の県庁所在地で、1873年に愛媛県庁が設置されて以降、政治経済の中心都市として成長してきました。2000年には中核市へと移行し、2005年には北条市・中島町と合併し、四国初の50万都市となっています。中核市とは政令指定都市と並ぶ日本の大都市制度の一つであり、地方自治法にもとづき定める政令によって指定される人口20万人以上の市を示します。2021年4月1日現在、62市が指定されています。
2021年9月現在の人口は約50.8万人(住民基本台帳による)です。国勢調査によれば、松山市の人口は2010年をピークに減少に転じています。なお、日本全体のピークは2008年、愛媛県全体のピークは1985年です(いずれも国勢調査をもとにした推計人口)。国立社会保障・人口問題研究所によれば、現状のままでは2045年には約43.9万人に減少すると推計されています。2021年4月現在における65歳以上の高齢者人口は約14.3万人で、高齢化率28.2%です。2020年10月の日本全体の高齢化率は28.8%であることから、松山市の高齢化率は全国よりもやや低いと言えます。多くの地方自治体同様、人口が減少しているのに対して、高齢者の人口は増加しています。
健康寿命とは、2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間を指します。日常生活に制限のない、自立した状態で過ごせる期間と言えます。
下記は、松山市の平均寿命と健康寿命、およびその差です(カッコ内は全国平均)。平均寿命と健康寿命との差(不健康である期間)が長くなるほど医療費や介護費がふくらみ、公費負担が増大する要因になります。
男性 | 女性 | |||
---|---|---|---|---|
2013年 | 2016年 | 2013年 | 2016年 | |
平均寿命(歳) | 79.7 | 79.7(79.6) | 86.5 | 86.5(86.4) |
健康寿命(歳) | 65.1 | 65.1(65.2) | 66.6 | 66.6(66.8) |
不健康である期間(年) | 14.6 | 14.6(14.4) | 19.9 | 19.9(19.6) |
2016年の健康寿命は、男性65.1歳、女性66.6歳で、2013年と同じ数値です。全国平均と比較すると、男女とも平均寿命はやや長くなっていますが、健康寿命はやや短くなっています。そのため、不健康である期間は全国平均よりもわずかに長くなっています。松山市健康増進計画「健康ぞなもし松山」では健康寿命の延伸を目標として明記しています。
1981年以降、日本人の死因の第1位はがんです。以降、生活習慣病を主因とする疾患が上位を占めています。生活習慣病とは、生活習慣(食、運動、喫煙、飲酒等)が影響する一部のがんや心臓病(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)、糖尿病などを指します。人口動態調査によると、松山市と日本全体の死因とその割合は下記のようになっています。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
松山市※2018年 | 悪性新生物(がん)27.0% | 心疾患16.0% | 老衰10.0% | 脳血管疾患8.0% | 肺炎6.0% |
日本全体※2019年 | 悪性新生物(がん)27.3% | 心疾患15.0% | 老衰8.8% | 脳血管疾患7.7% | 肺炎6.9% |
松山市の死因順位は日本全体と同じです。生活習慣病の三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)のポイント数を見ると、がんは日本全体と同程度であるものの、心疾患と脳血管疾患は日本全体を上回っており、生活習慣病は松山市において取り組むべき健康課題と言えます。一方で、老衰は全国平均よりも1.2%高くなっています。
日本では、厚生労働省の指針に基づき、自治体主導で実施されている「5大がん検診」と呼ばれるがん検診があり、全国各自治体とも受診率の向上を目指しています。5大がん検診は、胃がん、子宮がん(子宮頸がん)、肺がん、乳がん、大腸がんの5つの検診を指します。
5大がん検診は、加入している健康保険の種類に関係なく住民票のある自治体で受診することができます。検診の種類によって対象年齢や頻度は異なりますが、受診費の一部もしくは全額が公費で負担されます。ただし、企業に勤めている方などは、企業による健康診断にがん検診が含まれていることが多いため、自治体主導のがん検診受診者は国民健康保険加入者や後期高齢者医療保険加入者を含む、「勤務先などでの受診機会のない人」が中心です。
松山市が実施しているがん検診の種類と費用は下記の通りです。太字は、松山市独自の取り組みです。
種類 | 検査項目 | 対象者 | 受診間隔 | 費用 |
---|---|---|---|---|
胃がん | 胃部X線(バリウム)もしくは胃内視鏡(胃カメラ) | 50歳以上 | ・バリウム年1回・胃カメラ2年に1回 | ・バリウム(集団のみ)1,000円・胃カメラ(個別のみ)3,500円 |
子宮頸がん | 視診、内診、細胞診 | 20歳以上女性 | 2年に1回 | 集団:800円個別:1,300円 |
肺がん | 胸部X線※結核検診も同時実施 | 40歳以上 | 年1回 | 集団:800円個別:900円 |
乳がん | マンモグラフィ | 40歳以上女性 | 2年に1回 | 集団:1,200円個別:2,000円 |
大腸がん | 便潜血反応 | 40歳以上 | 年1回 | 集団:500円個別:600円 |
前立腺がん | PSA値(血液検査) | 50歳以上男性 | 年1回 | 集団:700円 |
松山市のがん検診は、基本的には厚生労働省の指針に沿っています。指針にはない前立腺がん検診を実施しているのが特長です。
松山市のがん検診の無料クーポンは下記の通りです。
種類 | 対象者※年齢は当該年度4月20日時点で判定 | 無料になる検査項目 |
---|---|---|
子宮頸がん | 20歳の女性 | 視診、内診、細胞診 |
乳がん | 40歳の女性 | マンモグラフィ |
松山市に転入してきてクーポンを受け取っていない方は、受診前に健康づくり推進課まで電話で申し込むと、郵送で受け取ることができます。
また、次の方は免除制度があり、無料でがん検診を受診することができます。 ・松山市国民健康保険加入者(2020〜2023年度限定) ・後期高齢者医療保険加入者 ・生活保護受給世帯 ・市民税非課税世帯 ・中国残留邦人等の支援給付の受給者
下記は、松山市が実施した2015年度から2019年度の各がん検診の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 8.2% | 33.1% | 12.0% | 9.7% | 16.2% |
2016年度 | 7.0% | 13.8% | 4.0% | 13.4% | 4.2% |
2017年度 | 4.7% | 13.7% | 4.1% | 12.5% | 4.2% |
2018年度 | 4.9% | 13.6% | 4.4% | 11.9% | 4.5% |
2019年度 | 4.9% | 12.8% | 4.1% | 11.4% | 4.3% |
下記は、自治体主導のがん検診における2015年度から2019年度の日本全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 6.3% | 23.3% | 11.2% | 20.0% | 13.8% |
2016年度 | 8.6% | 16.4% | 7.7% | 18.2% | 8.8% |
2017年度 | 8.4% | 16.3% | 7.4% | 17.4% | 8.4% |
2018年度 | 8.1% | 16.0% | 7.1% | 17.2% | 8.1% |
2019年度 | 7.8% | 15.7% | 6.8% | 17.0% | 7.7% |
松山市のがん検診受診率は、2015年度は乳がんを除いて、日本全体の水準を上回っていましたが、2016年度以降はすべての検診で受診率が日本全体を下回っています。また、日本全体と同様に、全検診で受診率が年々低下しています。
とくに大きく低下したのは2016年度以降の子宮頸がん検診です。2016年度から一部の受診率が顕著に低下している要因としては、地域保健・健康増進事業報告における受診率の算定法の対象者が変更されたことが考えられます。また、過去に国のがん検診推進事業として、大腸がん検診、乳がん検診では40~60歳の間で5歳おき、子宮頸がん検診では20~40歳の間で5歳おきに無料クーポンが配布されていました。しかし、2016年から大腸がん検診は事業の対象外になり、2017年から子宮頸がん検診と乳がん検診の無料クーポンは検診開始年齢(子宮頸がん検診20歳、乳がん検診40歳)のみになりました。これら無料クーポン対象外の影響が受診率低下につながっていると考えられています。このため、自治体によっては独自の無料クーポンを配布したり、キャンペーンを実施したりして、受診率向上に努めています。
がん検診の受診率向上やがん予防に向けて、松山市では次のような取り組みを行っています。市内の関係機関・団体や企業等の連携により、周知啓発とともに受診しやすい環境づくりが行われています。
・2020年度〜2023年度のがん検診の自己負担の無料化 2020年度〜2023年度をがん検診受診促進期間として、国民健康保険加入者のがん検診受診料を無料化。
・肝炎ウイルス検診の無料実施 肝炎ウイルスの感染による慢性肝炎や肝硬変は、肝臓がんの主要な原因となっている。ウイルスに感染していても数年は無症状のため、肝炎ウイルスの血液検査(B型・C型)の実施は、肝臓がんの予防につながる。松山市に住民登録があり、過去に肝炎ウイルス検査を受けたことがない人が無料で受診することができる。
・ヘリカルCTによる肺がん検診と他のがん検診のセット検診 ヘリカルCTによる肺がん検診と胃がんまたは大腸がんの検診をまとめて受診できる仕組み(自己負担金免除対象外)。従来のCTが特定断面の撮影であることに対し、ヘリカルCTは特定範囲をらせん状に撮影する検査機器で、検査時間が短く呼吸の影響を受けにくいとされている。
・乳児検診会場での子宮頸がん検診の実施 1歳6ヶ月児健診の会場で、来場した母親などを対象に子宮頸がん検診を実施。保育士による託児ルームを併設して、検診を促している。
・がん検診レンジャーによる啓発活動 がん検診受診率向上キャラクター「検診戦隊がん検診レンジャー」を活用し、印刷物やローカルメディアにおいて周知啓発を行っている。
松山市では、「まつやま笑顔ドック(人間ドック)」という名称で、国民健康保険加入者に対して人間ドックを実施している。
【対象者】 松山市国民健康保険加入者(40~74歳)で、受診年度に特定健康診査および各種がん検診どちらも受診していない方 ※胃・前立腺がん検診は50歳以上の方が対象 ※胃(内視鏡)・乳・子宮頸がん検診は2年度に1回の受診
【自己負担額】 15,250円 ※2020~2023年度は13,950円で受診可、またオプション検査無料
「まつやま笑顔ドック」は、2020年度から4年間限定で自己負担額が引き下げされています。さらにこの間は、子宮頸がん、乳がん、胃がん、前立腺がんの4つのオプション検査も無料で受診できます。
「機能評価認定施設」とは、日本人間ドック学会が定めている「人間ドック健診施設機能評価」という評価基準をクリアした医療施設です。申請のあった人間ドック施設に対して日本人間ドック学会が受診者目線で審査している取り組みです。
審査項目には、「運営方針、組織の管理体制が確立しているか」や「検査の業務マニュアルは作成されているか」、「感染対策などの危機管理は徹底されているか」といった施設側の安全面に関する基準から、「受診者が快適に受診できるように配慮しているか」や「受診者のプライバシーに配慮しているか」といった受診者側に関する基準まで、多角的な評価基準があります。また、評価基準は5年ごとに改定され、更新審査が行われます。
全国390以上の施設が認定されており、このうち松山市内の機能評価認定施設は2021年9月現在で3施設あります。
マーソでは、機能評価認定施設から人間ドックのプランを探すことができます。くわしくはこちらをご覧ください。
松山市は、壮年期死亡の減少と健康寿命の延伸を目標に掲げ、地域をあげて健康増進に取り組んでいます。以下にユニークな取り組みを紹介します。
・18歳からの健診 松山市内に住民登録があり、勤務先などで受診機会のない18~39歳までを対象に、血液検査や尿検査による健康診断を自己負担額1,000円で実施している。受診間隔は1年度に1回。
・健康づくりへの取り組みで付与される松山市健康マイレージ 検診受診や健康づくりを行ってポイントをためると、参加賞がもらえる仕組み。大人版は検診の受診や健康づくりイベントへの参加、3週間健康チャレンジなどでポイントがたまり、子ども版は健康づくりの目標を決めて3週間実施するとポイントがたまる。さらに抽選で、親子参加で子ども向け商品、事前エントリーをしてチャレンジシートに取り組むとエントリー賞がもらえるオプションもある。
・松山市もっと野菜を!応援店 「松山市健康づくり応援パートナー」制度の一環で、飲食店や弁当・惣菜店等を対象とした登録認証制度。「野菜350g以上摂取」の啓発と野菜を規定量以上使用したメニューの提供をしており、敷地内禁煙を実施している事業者に対し、審査の上、登録証と認定ステッカーを交付。
※本記事は2021年9月時点の情報を元に作成しています。