大分県別府市東荘園4丁目11-10
大分県別府市北石垣深町851
大分県豊後大野市緒方町馬場276
大分県日出町3156-1
大分県大分市中戸次5185-2
大分県別府市上人ヶ浜町9組
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大分市は大分県の県庁所在地で、別府湾に面しており各地で温泉が湧き出ていることで知られています。2005年に佐賀関町、野津原町と合併し現在の大分市が誕生しました。
2021年9月現在の大分市の人口は約47.8万人(住民基本台帳による)です。国勢調査によると、大分市の人口は国勢調査が始まった1920年から一貫して増加してきましたが、2015年をピークに減少に転じました。なお、日本全体のピークは2008年、大分県全体の直近のピークは1985年です(いずれも国勢調査をもとにした推計人口)。国立社会保障・人口問題研究所によれば、現状のままでは2045年には約43.4万人に減少すると推計されています。2021年8月現在における65歳以上の高齢者人口は約13.3万人で、高齢化率は27.8%です。2020年10月の日本全体の高齢化率は28.8%であることから、大分市の高齢化率は全国よりもやや低いと言えます。多くの地方自治体同様、人口が減少しているのに対して、高齢者の人口は増加しています。
健康寿命とは、2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間を指します。日常生活に制限のない、自立した状態で過ごせる期間と言えます。
下記は、大分市の平均寿命と健康寿命、およびその差の推移です。大分市では大分県と同様に「介護保険制度による要介護2以上に認定されていなければ、健康とする」と定義して健康寿命を算出しています。平均寿命と健康寿命との差(不健康である期間)が長くなるほど医療費や介護費がふくらみ、公費負担が増大する要因になります。
男性 | 女性 | |||||
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2010年 | 2015年 | 増減 | 2010年 | 2015年 | 増減 | |
平均寿命 | 80.54歳 | 81.43歳 | +0.89 | 86.94歳 | 87.36歳 | +0.42 |
健康寿命 | 78.86歳 | 79.72歳 | +0.86 | 83.53歳 | 83.96歳 | +0.43 |
不健康である期間 | 1.68歳 | 1.71歳 | +0.03 | 3.41歳 | 3.40歳 | -0.01 |
大分市の2015年現在の健康寿命は、男性79.72歳、女性83.96歳です。2010年と比較すると男性は0.86歳、女性は0.43歳延伸しました。大分市は「第2期いきいき健康大分市民21」において、健康寿命の延伸を目標に掲げています。
1981年以降、日本人の死因の第1位はがんです。以降、生活習慣病を主因とする疾患が上位を占めています。生活習慣病とは、生活習慣(食、運動、喫煙、飲酒等)が影響する一部のがんや心臓病(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)、糖尿病などを指します。人口動態調査によると、大分市と日本全体の死因とその割合は下記のようになっています。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
大分市※2019年 | 悪性新生物(がん)27.5% | 心疾患13.9% | 老衰7.5% | 脳血管疾患7.4% | 肺炎6.1% |
日本全体※2019年 | 悪性新生物(がん)27.3% | 心疾患15.0% | 老衰8.8% | 脳血管疾患7.7% | 肺炎6.9% |
大分市の死因順位は日本全体と同じです。ポイント数を見ると、生活習慣病の三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)のうち2位の心疾患、4位の脳血管疾患は日本全体を下回っています。しかしながら、3位の老衰も日本全体より1ポイント以上低くなっており、死因がほかの疾患等にも広くわたっていると考えられます。
日本では、厚生労働省の指針に基づき、自治体主導で実施されている「5大がん検診」と呼ばれるがん検診があり、全国各自治体とも受診率の向上を目指しています。5大がん検診は、胃がん、子宮がん(子宮頸がん)、肺がん、乳がん、大腸がんの5つの検診を指します。
5大がん検診は、加入している健康保険の種類に関係なく住民票のある自治体で受診することができます。検診の種類によって対象年齢や頻度は異なりますが、受診費の一部もしくは全額が公費で負担されます。ただし、企業に勤めている方などは、企業による健康診断にがん検診が含まれていることが多いため、自治体主導のがん検診受診者は国民健康保険加入者や後期高齢者医療保険加入者を含む、「勤務先などでの受診機会のない人」が中心です。
大分市が実施しているがん検診の種類と費用は下記の通りです。太字は、大分市独自の取り組みです。
種類 | 検査項目 | 対象者 | 受診間隔 | 費用 |
---|---|---|---|---|
胃がん | 胃部X線検査(バリウム)または胃内視鏡(胃カメラ) | ・バリウム40歳以上・胃カメラ50歳以上の偶数年齢 | ・バリウム:年1回・胃カメラ:2年に1回 | ・バリウム:無料・胃カメラ:4,000円(定員あり) |
子宮頸がん | 子宮頸部細胞診 | 20歳以上女性 | 2年に1回 | 無料 |
肺がん | 胸部X線検査、喀痰検査※65歳以上は結核検診も同時実施※喀痰検査は50歳以上で喫煙指数600以上の人 | 40歳以上 | 年1回 | 無料 |
乳がん | 超音波検査またはマンモグラフィ | ・超音波検査:30~39歳女性・マンモグラフィ:40歳以上女性 | 2年に1回 | 無料 |
大腸がん | 便潜血検査 | 40歳以上 | 年1回 | 無料 |
前立腺がん | 血液検査(PSA値) | 50歳以上男性 | 年1回 | 無料 |
大分市のがん検診は、基本的には厚生労働省の指針に沿っています。乳がん検診は指針より10歳若い30歳から実施しています。さらに指針にはない前立腺がん検診を運用しているのが特長です。また2021年度は、胃がん検診(内視鏡)以外の各種がん検診を無料で受診できるキャンペーンを行っています。
大分市のがん検診の無料クーポンは下記の通りです。
種類 | 対象者 | 無料になる検査項目 |
---|---|---|
子宮頸がん | 20歳の女性 | 子宮頸部細胞診 |
乳がん | 40歳の女性 | マンモグラフィ |
大分市では2021年度の胃がん検診(胃カメラ)以外の各種がん検診を無料で受診できます。また、次の方は無料となります。
・高齢受給者証を持っている方 ・後期高齢者医療被保険者証を持っている方 ・生活保護診療依頼証を持っている方 ・市民税非課税世帯
下記は、大分市が実施した2015年度から2019年度の各がん検診の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 1.4% | 7.9% | 6.9% | 11.4% | 1.9% |
2016年度 | 3.0% | 10.2% | 7.5% | 14.3% | 3.7% |
2017年度 | - | - | 7.6% | - | 4.3% |
2018年度 | 3.4% | 11.8% | 7.2% | 15.3% | 4.4% |
2019年度 | 3.2% | 11.7% | 5.8% | 14.9% | 4.0% |
下記は、自治体主導のがん検診における2015年度から2019年度の日本全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 6.3% | 23.3% | 11.2% | 20.0% | 13.8% |
2016年度 | 8.6% | 16.4% | 7.7% | 18.2% | 8.8% |
2017年度 | 8.4% | 16.3% | 7.4% | 17.4% | 8.4% |
2018年度 | 8.1% | 16.0% | 7.1% | 17.2% | 8.1% |
2019年度 | 7.8% | 15.7% | 6.8% | 17.0% | 7.7% |
大分市のがん検診受診率は、日本全体を大きく下回っている検診がほとんどです。さらに、日本全体と同様、低下傾向にある検診も多いです。そのため、2021年度はがん検診を無料で受診できるキャンペーンなどのテコ入れ策を行っています。
2016年度から一部の受診率が増減している要因としては、地域保健・健康増進事業報告における受診率の算定法の対象者が変更されたことが考えられます。また、過去に国のがん検診推進事業として、大腸がん検診、乳がん検診では40~60歳の間で5歳おき、子宮頸がん検診では20~40歳の間で5歳おきに無料クーポンが配布されていました。しかし、2016年から大腸がん検診は事業の対象外になり、2017年から子宮頸がん検診と乳がん検診の無料クーポンは検診開始年齢(子宮頸がん検診20歳、乳がん検診40歳)のみになりました。これら無料クーポン対象外の影響が受診率低下につながっていると考えられています。このため、自治体によっては独自の無料クーポンを配布したり、キャンペーンを実施したりして、受診率向上に努めています。
がん検診の受診率向上やがん予防に向けて、大分市では2016年度から、がん検診の自己負担額を500円(一部無料)に統一していましたが、2021年現在はさらに、胃がん検診(内視鏡)以外のすべてのがん検診を無料とするキャンペーンを行うなど、ユニークな試みが行われています。
・1日まるごと“0円”検診キャンペーン 2021年度に限り、胃カメラを除く各種がん検診や市民検診などが無料で受けられるキャンペーンを実施。
・無料送迎付き日帰り検診バスツアー 検診会場が自宅から遠く、会場までの移動手段がない市民を、希望する会場までバスで無料送迎する。受診条件を満たす5人以上のグループで申込みができる。
・胃がんリスク検診の無料実施 胃がん発症の原因とされる胃粘膜中のピロリ菌の有無や、胃粘膜の萎縮度(ペプシノゲン)を調べることは胃がんの予防につながる。大分市では40・41・45・46・50・51・55・56・60・61歳になる人を対象に、血液検査によるピロリ菌抗体検査とペプシノゲン検査を行なっている。「1日まるごと“0円”検診キャンペーン」内で無料で受診できる。
・肝炎ウイルス検診の無料実施 肝炎ウイルスの感染による慢性肝炎や肝硬変は、肝臓がんの主要な原因となっている。ウイルスに感染していても数年は無症状のため、肝炎ウイルスの血液検査(B型・C型)の実施は、肝臓がんの予防につながる。大分市では、「1日まるごと”0円”検診キャンペーン」において、40歳になる人、または 41歳以上で過去に肝炎ウイルス検診未受診の人を対象に、 血液検査によるB型・C型肝炎ウイルス検査を無料で行なっている。また、大分市保健所でも、過去に検査歴のない希望者を対象に、無料で検査を行っている。
大分市では、大分市在住の国民健康保険被保険者を対象に、脳ドックの費用の一部が助成されます。助成内容は下記の通りです。
【助成対象者】 大分市在住の国民健康保険被保険者(34歳以上75歳未満)で、1年以上継続加入しており国保税完納世帯の人
【検査項目】 問診、身体測定、血圧検査、心電図、尿検査、血液検査、内科診察、眼底検査、MRI検査、MRA検査、認知機能検査、頸部検査(検査項目の詳細は検診実施機関により異なる場合あり)
【自己負担額】 18,080円
受診は市内の契約医療施設のみで、特定健診と同時実施となります。また年度ごとに助成定員があります。募集時期や詳細は大分市サイトで確認してください。
「機能評価認定施設」とは、日本人間ドック学会が定めている「人間ドック健診施設機能評価」という評価基準をクリアした医療施設です。申請のあった人間ドック施設に対して日本人間ドック学会が受診者目線で審査している取り組みです。
審査項目には、「運営方針、組織の管理体制が確立しているか」や「検査の業務マニュアルは作成されているか」、「感染対策などの危機管理は徹底されているか」といった施設側の安全面に関する基準から、「受診者が快適に受診できるように配慮しているか」や「受診者のプライバシーに配慮しているか」といった受診者側に関する基準まで、多角的な評価基準があります。また、評価基準は5年ごとに改定され、更新審査が行われます。
全国で390以上の施設が認定されており、このうち大分市内の機能評価認定施設は2021年10月現在で2施設あります。
マーソでは、機能評価認定施設から人間ドックのプランを探すことができます。くわしくはこちらをご覧ください。
大分市は、2013年に市民の健康づくりを目的とした「第2期いきいき健康大分市民21」を策定しています。健康寿命の延伸に向け、10年計画でさまざまな取り組みを行っています。ユニークな取り組みを紹介します。
・口腔ケアの取り組み 歯や口腔の健康をまもるため、40~74歳の市民を対象に、無料で歯周病検診を実施している。また乳幼児から成人や妊婦を対象に、無料で歯の健康診査も行っている。
・CKD(慢性腎臓病)重症化を予防する医療連携システム 糖尿病などの生活習慣病によって引き起こされ、心筋梗塞や脳卒中などのリスクを高めるCKD(慢性腎臓病)の重症化予防を目的に、「大分市CKD病診連携システム」を整備。1人の患者に対してかかりつけ医と腎臓専門医とが連携して診療を行う、「並診」を利用できる。
・受動喫煙防止のためのメッセージカードの配布 市内の保健福祉センターや公民館など各所で配布している。不特定多数が利用する公共施設や飲食店などで、タバコの煙でつらい思いをしたり困った時、そっと置いたり施設の担当者に手渡したりすることで、受動喫煙防止の努力義務について伝えることができるカード。
※本記事は2021年10月時点の情報を元に作成しています。