群馬県伊勢崎市中町655-1
群馬県高崎市上小塙町567番地
群馬県菱町3丁目2069-1
群馬県東吾妻町大字原町760-1
群馬県高崎市筑縄町71-1
群馬県利根郡川場村大字生品1861
群馬県高崎市箕郷町上芝628-1
群馬県佐波郡玉村町上新田675-4
群馬県沼田市栄町8
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高崎市は群馬県の中南部に位置する都市で、1900年の市制施行によって誕生しました。以降近隣の町村との合併を重ね、2006年には倉渕村・箕郷町・群馬町・新町・榛名町と、2009年に吉井町と合併し現在の市域となりました。2011年には中核市に移行しています。中核市とは、地方自治法に基づき、政令によって指定される人口20万人以上の市を指します。高崎市の観光スポットとして、榛名山・榛名湖や、1400年の歴史をもつ榛名神社が有名です。
2021年11月末現在の人口は約37.1万人(住民基本台帳による)であり、県庁所在地である前橋市を上回り群馬県最大の人口規模となっています。国勢調査によれば、高崎市の人口は市制施行から増加が続き、2010年に約37.1万人まで増加しました。以降は現在まで大幅な人口の増減はみられず横ばい状態が続いています。なお、日本全体のピークは2008年、群馬県のピークは2004年です(いずれも国勢調査をもとにした推計人口)。国立社会保障・人口問題研究所の2018年時点の推計によれば、高崎市の人口は2015年にピークを迎えたのち減少に転じ、2045年に約32.5万人まで減少すると推計されていますが、2021年9月現在で大幅な減少はみられません。
2021年11月末現在における65歳以上の高齢者人口は約10.6万人で、高齢化率は28.5%です。2020年10月の日本全体の高齢化率は28.8%であることから、高崎市の高齢化率は日本全体とほぼ同水準であると言えます。しかし多くの地方自治体同様、総人口に対して高齢者の人口は増加しています。
健康寿命とは、2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間を指します。日常生活に制限のない、自立した状態で過ごせる期間と言えます。
下記は、高崎市の平均寿命と健康寿命を示した表です(カッコ内は全国平均)。高崎市の健康寿命は、介護保険要介護認定に基づいて要介護2〜5以外の状態として独自に算出されています。平均寿命と健康寿命との差(不健康である期間)が長くなるほど医療費や介護費がふくらみ、公費負担が増大する要因になります。
男性 | 女性 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
2005年 | 2010年 | 増減 | 2005年 | 2010年 | 増減 | |
平均寿命 | 79.17歳(78.79歳) | 80.50歳(79.6歳) | +1.33 | 85.23歳(85.75歳) | 86.25歳(86.4歳) | +1.02 |
健康寿命 | 77.96歳 | 79.05歳 | +1.09 | 82.56歳 | 83.07歳 | +0.51 |
平均寿命との差 | 1.2歳 | 1.45歳 | +0.24 | 2.67歳 | 3.18歳 | +0.51 |
高崎市の平均寿命は2010年現在、男性が80.50歳、女性は86.25歳です。男性は全国平均をやや上回り、女性はわずかに下回る結果でした。高崎市の2005年と2010年のデータを比較すると、男女ともに平均寿命、健康寿命は延びていますが、平均寿命との差も拡大しており、この差の短縮が課題であると言えます。
高崎市は「高崎市第2次健康増進計画(2013〜2022年度)」において、健康寿命の延伸の目標を「平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加」と設定しています。
1981年以降、日本人の死因の第1位はがんです。以降、生活習慣病を主因とする疾患が上位を占めています。生活習慣病とは、生活習慣(食、運動、喫煙、飲酒等)が影響する一部のがんや心臓病(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)、糖尿病などを指します。人口動態調査によると、高崎市と日本全体の死因とその割合は下記のようになっています。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
高崎市※2019年 | 悪性新生物(がん)26.6% | 心疾患15.9% | 脳血管疾患8.1% | 老衰7.8% | 肺炎7.0% |
日本全体※2019年 | 悪性新生物(がん)27.3% | 心疾患15.0% | 老衰8.8% | 脳血管疾患7.7% | 肺炎6.9% |
高崎市の死因順位を日本全体と比べると、脳血管疾患が老衰を上回り3位となっています。ポイント数では、1位のがんは日本全体を0.7ポイント下回っていますが、2位の心疾患は日本全体を0.9ポイント、3位の脳血管疾患は0.4ポイント上回っています。三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)が占める死亡割合は全国的に高く、高崎市でも死因の50.6%を占めています。生活習慣病の発症や重症化の予防には、生活習慣の改善とともに定期的な健(検)診が大切です。
日本では、厚生労働省の指針に基づき、自治体主導で実施されている「5大がん検診」と呼ばれるがん検診があり、全国各自治体とも受診率の向上を目指しています。5大がん検診は、胃がん、子宮がん(子宮頸がん)、肺がん、乳がん、大腸がんの5つの検診を指します。
5大がん検診は、加入している健康保険の種類に関係なく住民票のある自治体で受診することができます。検診の種類によって対象年齢や頻度は異なりますが、受診費の一部もしくは全額が公費で負担されます。ただし、企業に勤めている方などは、企業による健康診断にがん検診が含まれていることが多いため、自治体主導のがん検診受診者は国民健康保険加入者や後期高齢者医療保険加入者を含む、「勤務先などでの受診機会のない人」が中心です。
高崎市が実施しているがん検診の種類と費用は下記の通りです。太字は、高崎市独自の取り組みです。
種類 | 検査項目 | 対象者 | 受診間隔 | 費用 |
---|---|---|---|---|
胃がん | 胃部X線検査(バリウム)または胃内視鏡検査(胃カメラ) | ・バリウム40歳以上・胃カメラ40、45歳、50歳以上 | 年1回※胃カメラは2年に1回 | ・バリウム(集団):800円・胃カメラ(個別):2,000円 |
子宮がん | 診察、子宮頸部細胞診※(個別のみ)医師が必要と判断した場合、体部の細胞診検査あり | 20歳以上女性 | 年1回 | ・集団 600円(セット 800円)・個別 800円※体部の細胞診検査は+400円 |
肺がん | 問診、胸部X線検査、喀痰検査※喀痰検査は50歳以上で喫煙指数600以上の方のみ | 40歳以上 | 年1回 | 500円※喀痰検査+500円 |
乳がん | 視触診、マンモグラフィ(40歳代は2方向撮影、50歳以降は1方向撮影)※(集団のみ)甲状腺診察あり | 40歳以上女性 | 2年に1回 | ・集団 1,300円(セット 1,500円)・個別 1,500円 |
大腸がん | 便潜血検査(2日法) | 40歳以上 | 年1回 | ・集団 400円(セット 800円)・個別 800円 |
前立腺がん | 血液検査(PSA値) | 50歳以上男性 | 年1回 | 500円 |
高崎市のがん検診は、基本的には厚生労働省の指針に沿っています。特徴として、胃がん検診(胃カメラ)は50歳以上の方以外に40、45歳の方も受診可能な点、国の指針にはない前立腺がん検診の実施が挙げられます。
乳がん検診についてはマンモグラフィ検査の単独受診はできません。個別検診ではマンモグラフィ同時併用(医療機関で視触診とマンモグラフィ検査を同時実施)か、医療センターマンモグラフィ併用(医療機関で視触診を行い、高崎市総合保健センターで後日マンモグラフィ検査を実施)が選択できます。集団検診では甲状腺も診察するとしています。また、高崎市総合保健センターの集団検診では定員ありの予約制で「がんセット検診」も行っています(「4-2.高崎市のがん検診受診率向上やがん予防のための取り組み」参照)。
4月中旬に、高崎市に住民登録のある19歳以上の方へ世帯ごとに「高崎市健康づくり受診券」が郵送されます。がん検診の対象者は、この受診券で高崎市が実施するがん検診等をそれぞれ1回受診できます(高崎市国保特定健診、後期高齢者健診、健康増進健診の受診券は別途郵送)。
がん検診の実施日時や予約の要否は実施医療機関により異なります。受診の前に高崎市サイトや各検診の実施医療機関でご確認ください。
高崎市では無料クーポンの配布は行っていません。
ただし、次のいずれかに該当する方は上記がん検診の費用が免除されます。 ・70歳以上の方 (肺がん検診(胸部X線検査)は65歳以上も無料) ・生活保護受給世帯の方 ・市民税非課税世帯の方
該当する方は受診の際に申し出る必要があります。支払い後に申し出た場合は無料にならないのでご注意ください。詳細は高崎市サイトでご確認ください。
下記は、高崎市が実施した2015年度から2019年度の各がん検診の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 2.4% | 18.3% | 7.1% | 18.5% | 8.7% |
2016年度 | 3.4% | 18.4% | 6.7% | 17.4% | 7.4% |
2017年度 | 5.2% | 18.1% | 6.2% | 16.1% | 6.9% |
2018年度 | 6.1% | 18.0% | 7.0% | 16.0% | 6.5% |
2019年度 | 5.5% | 18.0% | 6.9% | 16.3% | 6.4% |
下記は、自治体主導のがん検診における2015年度から2019年度の日本全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 6.3% | 23.3% | 11.2% | 20.0% | 13.8% |
2016年度 | 8.6% | 16.4% | 7.7% | 18.2% | 8.8% |
2017年度 | 8.4% | 16.3% | 7.4% | 17.4% | 8.4% |
2018年度 | 8.1% | 16.0% | 7.1% | 17.2% | 8.1% |
2019年度 | 7.8% | 15.7% | 6.8% | 17.0% | 7.7% |
高崎市のがん検診受診率は、子宮頸がん・乳がん検診はどの年度もおおむね日本全体を上回っていますが、胃がん・肺がん・大腸がん検診は日本全体を下回っています。受診率の推移は、どの検診も横ばいで推移しています。
日本全体のデータにおいて、2016年度から一部の受診率が顕著に減少している要因としては、地域保健・健康増進事業報告における受診率の算定法の対象者が変更されたことが考えられます。また、過去、国のがん検診推進事業として、大腸がん検診、乳がん検診では40~60歳の間で5歳おき、子宮頸がん検診では20~40歳の間で5歳おきに無料クーポンが配布されていました。しかし、2016年から大腸がん検診は事業の対象外になり、2017年から子宮頸がん検診と乳がん検診の無料クーポンは検診開始年齢(子宮頸がん検診20歳、乳がん検診40歳)のみになりました。これら無料クーポン対象外の影響が受診率低下につながっていると考えられています。このため、自治体によっては独自の無料クーポンを配布したり、キャンペーンを実施したりして、受診率向上に努めています。
がん検診の受診率向上やがん予防に向けて、高崎市では次のような取り組みを行っています。
・無料のHPV検査の実施 子宮頸がんは、HPV(ヒトパピローマウイルス)への持続感染により発症するとされている。高崎市では、30、35歳の女性のうち希望する方に無料でHPV検査を実施。ただし、子宮がん検診と同時実施のみで、HPV検査単独の受診は不可。
・「ピロリ検診」および「胃がん(リスク)検診」の実施 高崎市では、胃がんの発症リスクとされるピロリ菌の検査(血清ピロリ菌抗体検査)を、ピロリ検診」および「胃がん(リスク)検診」として実施している。ピロリ検診の対象者は過去に高崎市のピロリ検診を受けていない20~39歳の方で、費用は無料(「はつらつ健診(若年者健診)」での同時実施)。胃がん(リスク)検診の対象者は2017年度以降に高崎市の同検診を受けていない40、45歳と50歳以上の方で、費用は500円。原則、初回の胃がん(内視鏡)検診時に受診することとされているが、単独受診も可。
・「がんセット検診」の実施 高崎市総合保健センターでは、胃がん(バリウム)、胃がん(リスク)、子宮がん、胸部(肺がん・結核)、乳がん、大腸がん、前立腺がんの検診のうち、最大5つのがん検診を同日受診できる。定員ありの予約制で、コースは「胃がんセット検診(午前)」、「ミニがんセット検診(午後)」、「レディースセット検診(午後)」の3つがある。レディースセット検診のコースは子宮がん検診・乳がん検診の両方が対象となる方で、かつ両検診とも受診を希望する方に限る。また、ミニがんセット検診とレディースセット検診では胃がん検診(バリウム)の同時受診は不可。
・無料の肝炎ウイルス検診の実施 肝硬変や肝臓がんの発症リスクとなり得る肝炎ウイルス(B型・C型)を調べる肝炎ウイルス検診を実施。対象者は40~75歳で、肝炎ウイルス検査の受診歴が無い方。検診は市内の実施医療機関にて実施しており、費用は無料。
高崎市では、国民健康保険加入者を対象に「日帰りドック」「一泊ドック」「脳ドック」のうち、いずれか1種類の検診費用の一部を助成しています。高崎市国民健康保険人間ドックの助成の内容は下記の通りです。
【対象者】 以下の条件をすべて満たす方 ・30~74歳までの高崎市国民健康保険加入者 ・国保税を完納している世帯 ・特定健診を受診しない方
【助成額】
検診 | 検診費用(円) | 助成額(円) | 自己負担額(円) |
---|---|---|---|
日帰りドック | 37,400 | 21,000 | 16,400 |
1泊ドック | 66,000 | 30,000 | 36,000 |
脳ドック※基本、3年に1回 | 55,000 | 27,000 | 28,000 |
留意事項は以下の通りです。 ・高崎市国保人間ドックの助成を受けるには、受診前に高崎市の窓口で利用券の申請が必要 ・受診は市の指定医療機関のみ ・胃カメラや1泊ドックのマンモグラフィ(視触診含む)の検査、その他オプションや追加検査などは医療機関により追加料金が発生する場合あり ・各種基本検査項目の中で受けられない検査があっても検診費の減額はなし
なお、市内在住の後期高齢者医療加入者の方にも人間ドック検診の費用の一部助成を行っています。詳細は高崎市サイトや指定医療機関でご確認ください。
「機能評価認定施設」とは、日本人間ドック学会が定めている「人間ドック健診施設機能評価」という評価基準をクリアした医療施設です。申請のあった人間ドック施設に対して日本人間ドック学会が受診者目線で審査している取り組みです。
審査項目には、「運営方針、組織の管理体制が確立しているか」や「検査の業務マニュアルは作成されているか」、「感染対策などの危機管理は徹底されているか」といった施設側の安全面に関する基準から、「受診者が快適に受診できるように配慮しているか」や「受診者のプライバシーに配慮しているか」といった受診者側に関する基準まで、多角的な評価基準があります。また、評価基準は5年ごとに改定され、更新審査が行われます。
全国で390以上の施設が認定されており、このうち高崎市内の機能評価認定施設は2021年12月現在で1施設あります。
マーソでは、機能評価認定施設から人間ドックのプランを探すことができます。くわしくはこちらをご覧ください。
高崎市では市民の健康寿命の延伸のためにさまざまな取り組みを行っています。
・集団健診タクシー送迎事業 セット検診、集団健診(がん検診・国保特定健診・後期高齢者健診)を実施する保健センターや公民館等の集団健診会場まで、自力で行く手段のない方にタクシー利用にかかる費用を助成する。対象者は倉渕地域を除く高崎市全域に在中の70歳以上の方(倉渕地域は「倉渕買い物おでかけ便(せせらぎ号)」が利用可)。集団健診会場と自宅区間を利用したタクシー1台につき片道1,600円(往復3,200円)を上限とし、行き帰りそれぞれ1,600円を超えた料金は自己負担となる。
・はつらつ健診(若年者健診)の実施 高崎市に住民登録のある19~39歳の方を対象に実施。健診内容は問診、診察、身体計測、血液検査(血中脂質、肝機能、糖)、血圧測定、検尿(たんぱく、糖)。医師が必要と判断した場合、心電図、眼底、貧血の検査も行う。市内の保健センター等の集団検診で実施。費用は1,000円。申し込みには事前の電話予約が必要(定員あり・先着順)。
・歯科健診(成人歯科健診・20歳の歯科健診) 30~70歳までの10歳刻みの年齢の方を対象に「成人歯科健診」を実施。市内の実施歯科医療機関にて口腔内検査(歯、歯肉の状況、口腔内の清掃状況等)を受けられる。費用は800円。受診には「高崎市健康づくり受診券」が必要。また20歳の方には「20歳の歯科健診」を実施。健診内容は成人歯科健診と同様。受診には成人式で配布される「高崎市20歳の歯科健診カード」が必要。費用は年内1回無料。
・骨量検診の実施 40~70歳の女性までの5歳刻みの年齢の方を対象に骨量検診を実施。両手のX線撮影をして骨量を測定する。受診には「高崎市健康づくり受診券」が必要。市内の検診実施医療機関にて、費用は1,000円。
※本記事は2021年12月時点の情報を元に作成しています。