腰部MRI検査
腰部MRI検査とは?
腰部MRI検査とは、MRI(磁気共鳴画像法)を用いて腰椎(背骨の腰の部分)、椎間板、脊髄、神経およびその周辺の筋肉や靭帯などを詳細に観察し、異常がないかを評価する画像検査です。MRIはMagnetic Resonance Imagingの略で、磁力や電磁波を使用して画像形成をする撮影方法です。腰部においては神経や筋肉の観察に適しています。また、レントゲン検査やCT検査と異なり、X線による被曝がないのが大きな利点です。
腰部MRI検査の目的
腰部MRI検査の主な目的は、レントゲン検査では評価しにくい椎間板や神経の状態、脊髄の圧迫や炎症、椎間板変性、ヘルニアの有無などを詳細に評価することです。多くの場合、腰痛や足のしびれの原因を特定するために行われます。
腰部MRI検査で見つけられる病気
腰部MRI検査により、次の疾患が見つかることがあります。
- ・腰部脊柱管狭窄症
- ・腰椎椎間板ヘルニア
- ・腰椎変性すべり症
- ・脊椎圧迫骨折
- ・転移性脊椎腫瘍
- ・化膿性脊椎炎
など
腰部MRI検査の結果の見方
腰部MRI検査の結果は画像で表されます。撮影した画像(T1強調像やT2強調像など)を元に、腰椎や椎間板などに異常がないかを放射線科医や整形外科医などの専門医が判断します。
腰部MRI検査の注意点
腰部MRI検査は、痛みや医療被曝がなく身体に負担の少ない検査といえます。一方で、強い磁場を利用する検査のため、ペースメーカーなど身体に金属が埋め込まれている方は受けられないなどの制限があります。検査前には金属類(アクセサリ、金具、湿布など)をすべて外す必要があります。
また、検査はトンネル状の装置に横たわり、15〜30分程度じっとした状態で行います。この間、大きな機械音が発生します。受診前に必ずMRI検査が受けられるかどうかを確認し、閉所や大きな音が苦手な方は、受診先へ相談しましょう。
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この記事の監修ドクター
この記事は、以下の医師による監修を受け、MRSO編集部が作成しています。

マーソ株式会社 顧問
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。

2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)