胸が痛い
胸の痛みのメカニズム
胸が痛いといえば最初に思いつくのは心臓の疾患ですが、痛みの長さや痛みの発生するタイミングで心臓の疾患かどうかがわかります。
呼吸と同時に痛みが発生する場合は、心臓の疾患よりも呼吸器疾患の影響が考えられます。短期間であればインフルエンザや風邪症候群が疑われます。長引く場合は、肺や気管支に異常が出ている可能性があります。
胸に激しい痛みが突然発生して短時間で消失する場合は狭心症が疑われます。運動をしたときのみ胸の痛みを感じる場合は、労作性狭心症の疑いが強くなり、一般的な心電図とは異なる検査方法で検査を行います。
突発的でも運動時でも、胸に激しい痛みを30秒程度感じた場合は心臓疾患の疑いが強まります。
胸が痛い場合に考えられる病気
胸が痛いときは、以下のような病気の可能性があります。
狭心症、心筋梗塞、インフルエンザ、間質性肺炎、気管支炎、風邪症候群、胸膜炎、気胸、肋間神経痛、肋骨骨折、逆流性食道炎など
胸が痛いときに、原因究明のために行う検査
胸が痛いときは、以下の検査を行います。
安静時心電図検査
検査台に仰向けになった状態で、心電図を測定します。心臓の拍動を波形にした情報をもとに心臓の異常を調べます。
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ホルター心電図検査
ポケットサイズの心電図を装着して、24時間心電図測定をします。安静時心電図の測定時間内だけでなく、日常生活で起きる不整脈の測定を行います。
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運動負荷心電図検査
運動をしたときに胸の痛みが起きる「労作性狭心症」のリスクを調べる検査です。階段を上る、歩くなどの運動負荷をかけながら検査をおこないます。
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胸部レントゲン検査(胸部エックス線検査)
胸部にエックス線を当てて、心臓の大きさや肺に影が見えないかを調べます。
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心エコー検査
超音波を心臓部に当て、心臓の動きや血流の流れを観察する検査です。
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この記事の監修ドクター

マーソ株式会社 顧問
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。

2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)