食後に胃の不快感がある
食後に胃の不快感が起こるメカニズム
胃の不快感が長期的に続くときは、胃がんや胃潰瘍など消化器系の疾患を疑います。国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」によれば2017年に胃がんは全がん死亡数部位の中で男女合計3位に入っています。40歳代から罹患数は増えていき、85歳以上まで罹患数に変化はありません。つまり、年齢に関係なく発症するリスクがあるがんという事です。
また、疾患だけでなく、ストレスや疲れ、便秘などによっても胃の不快感は起きます。しかし、多くは消化器の異常を示すサインなので、便秘や疲れなどの理由がない場合は注意しましょう。
食後に胃の不快感がある場合に考えられる病気
食後に胃の不快感がある場合には、以下のような病気の可能性があります。
胃炎、胃潰瘍、胃がん、便秘、ストレスなど
食後に胃の不快感がある場合の原因究明のための検査
食後に胃の不快感がある場合には、以下の検査を行います。
血液検査
胃にがんや潰瘍が形成されて、出血があると貧血の症状が出ることがあります。そのため、貧血の検査項目である赤血球数やヘモグロビン濃度を調べます。また、胃がんがあった場合は腫瘍マーカーが高値になるので、腫瘍マーカーの測定も行います。
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胃ABC検査
胃がんの原因といわれているピロリ菌の検査と、胃の粘膜の萎縮度検査であるペプシノゲン検査の結果からA、B、C群で胃がんのリスク判定をおこないます。
胃内視鏡検査(胃カメラ検査)
鼻または口から胃カメラを挿入して食道や胃の粘膜を確認します。
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胃レントゲン検査(胃バリウム検査)
バリウムという造影剤を飲み、エックス線を当てることで、胃の粘膜にできている凸凹を観察します。
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この記事の監修ドクター

マーソ株式会社 顧問
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。

2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)