赤血球
赤血球の血液検査とは?
血液はさまざまな成分によって構成されていますが、中でも大多数を占めるのが赤血球です。赤血球は血液検査によって調べることができます。
赤血球の血液検査の目的
赤血球は血液の流れにのって肺から得た酸素を取り込み、身体のすみずみの細胞に運ぶ役割があります。赤血球の数が減少すると細胞が酸欠状態に陥るため、身体にさまざまな症状がでます。
赤血球の血液検査で見つけられる病気
血液検査で赤血球の数を調べることは、次のような病気の診断に役立ちます。
●貧血
●多血症
等
赤血球の血液検査の見方
血液検査における赤血球数の基準値は男女によって異なります。血液検査の赤血球は「RBC」
と記載され、基準値は次のようになります。
●男性:410~530万/μl(マイクロリットル)
●女性:380~480万/μl
(出典:日本臨床検査医学会「臨床検査のガイドライン」)
血液検査で赤血球の数が少ない場合は貧血、多い場合では多血症などが疑われます。
人間ドックが受診できる医療施設を探しましょう。予約数が多い施設から探す「予約数順から探す」、
エリアから探す「都道府県で医療施設を探す」「プランを詳細検索する」の3つの切り口から探すことが出来ます。
赤血球の長所/短所
赤血球の数を調べる血液検査では、採血で手軽に行うことができます。医療機関によっても異なりますが、赤血球の血液検査は採血から通常1時間程度で結果を確認できます。
人によって注射針による痛みを苦痛に感じる人もいるかもしれません。採血で、極度にストレスを感じることで、副交感神経が緊張して、冷や汗、低血圧、顔面蒼白、吐き気などの症状が現われることがあります(「迷走神経反射」といいます)。
採血では、消毒綿や手袋、注射針のなどの物品を使うため、人によってはアレルギーが起こることがあります。特にアレルギーとなりやすいのが、感染予防に使用されるアルコール綿です。アレルギーに心当たりのある人はあらかじめ、採血を担当する医療スタッフに伝えるようにしましょう。
さらに、採血の手技によっては神経損傷が生じることがあります。神経損傷は、注射の針先が神経に触れることで起こります。採血時にピリッとした刺激を感じたときは、採血の担当スタッフに伝えるようにしましょう。なお、採血による神経損傷の多くは、2~3ヶ月ほどで自然に治ります。
採血後には、アザなど皮下血種ができることがありますが、数日以内で自然に吸収されます。
赤血球の流れ
赤血球数を調べるためには、採血が行われます。ここでは、腕からの採血の具体的な流れについて説明します。
1. ひじの内側など血管がはっきりと確認できる部分を露出させ、専用の小さな台に腕を乗せる。
2. 上腕部を「駆血帯」と呼ばれるひもやベルトで締める。
3. アルコール綿で消毒し、注射針を刺す。
4. シリンジ内の検体が血液でいっぱいになったら、アルコール綿で抑えながら針を抜く(ほかの項目の血液検査を行うために、複数の検体を取ることがある)。
5. 注射した部位に絆創膏を貼る。血が止まるまでの数分間、自身で圧迫しておく。
6. 完全に止血したら、絆創膏を剥がす。
この記事の監修ドクター

マーソ株式会社 顧問
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。

2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)