岐阜県岐阜市柳津町丸野3-3-6カラフルタウン岐阜1F
岐阜県大垣市見取町4丁目2番地
岐阜県美濃加茂市健康のまち一丁目1番地
岐阜県羽島郡笠松町泉町10
目次[非表示]
岐阜市は岐阜県の県庁所在地で、古くは戦国時代に織田信長が天下統一の拠点とした場所であり、戦後はアパレルのまちとして繊維産業で栄えました。2006年に旧柳津町と合併し現在の岐阜市となりました。
2021年10月現在の人口は約40.5万人(住民基本台帳による)です。国勢調査によれば、岐阜市の人口は1985年をピークに減少に転じています。なお、日本全体のピークは2008年、岐阜県全体のピークは2001年です(いずれも国勢調査をもとにした推計人口)。国立社会保障・人口問題研究所によれば、現状のままでは2045年には約32.4万人に減少すると推計されています。2021年4月現在における65歳以上の高齢者人口は約11.7万人で、高齢化率は28.9%です。2020年10月の日本全体の高齢化率は28.8%であることから、岐阜市の高齢化率は全国と同程度であると言えます。多くの地方自治体同様、人口が減少しているのに対して、高齢者の人口は増加しています。
健康寿命とは、2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間を指します。日常生活に制限のない、自立した状態で過ごせる期間と言えます。
2021年9月現在、岐阜市の健康寿命は公表されていません。2015年に厚生労働省が発表した岐阜市の平均寿命は下記の通りです。参考として、岐阜県の平均寿命と健康寿命、およびその差である「不健康である期間」も表にまとめました(カッコ内は全国平均)。平均寿命と健康寿命との差(不健康である期間)が長くなるほど医療費や介護費がふくらみ、公費負担が増大する要因になります。
岐阜市 | 参考:岐阜県 | |||
---|---|---|---|---|
平均寿命※2015年 | 平均寿命※2015年 | 健康寿命※2016年 | 不健康である期間 | |
男性 | 80.8歳(80.8歳) | 81.0歳(80.8歳) | 72.9歳(72.1 歳) | 8.1年(8.7年) |
女性 | 86.8歳(87.0歳) | 86.8歳(87.0歳) | 75.7歳(74.8 歳) | 11.1年(12.2年) |
岐阜市は、2016年に「第三次ぎふ市民健康基本計画」を策定し、「健康寿命の延伸」、「早死(65歳未満の死亡)の減少」、「生活の質の向上」の基本目標を定め、関係機関等と連携しながら、市民主体の健康づくりを推進しています。2015年現在の岐阜市の平均寿命は、男性80.8歳、女性86.8歳で、岐阜県全体と同程度です。2016年現在の岐阜県の健康寿命は男性72.9 歳、女性75.7歳で、男女ともに全国平均より若干長く、不健康である期間は男性は6ヶ月、女性は1年ほど短いという値になっています。
1981年以降、日本人の死因の第1位はがんです。以降、生活習慣病を主因とする疾患が上位を占めています。生活習慣病とは、生活習慣(食、運動、喫煙、飲酒等)が影響する一部のがんや心臓病(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)、糖尿病などを指します。人口動態調査によると、岐阜市と日本全体の死因とその割合は下記のようになっています。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
岐阜市※2019年 | 悪性新生物(がん)28.2% | 心疾患15.5% | 肺炎8.3% | 老衰7.4% | 脳血管疾患7.2% |
日本全体※2019年 | 悪性新生物(がん)27.3% | 心疾患15.0% | 老衰8.8% | 脳血管疾患7.7% | 肺炎6.9% |
岐阜市の死因順位は、1位のがん、2位の心疾患は日本全体と同じです。ポイント数で見ると、日本全体との乖離が大きいのは3位の肺炎と4位の老衰で、肺炎が日本全体よりも1.4ポイント高く、老衰は1.4ポイント低い値になっています。岐阜市は老衰よりも病気で亡くなる方の割合が多いと言えそうです。
日本では、厚生労働省の指針に基づき、自治体主導で実施されている「5大がん検診」と呼ばれるがん検診があり、全国各自治体とも受診率の向上を目指しています。5大がん検診は、胃がん、子宮がん(子宮頸がん)、肺がん、乳がん、大腸がんの5つの検診を指します。
5大がん検診は、加入している健康保険の種類に関係なく住民票のある自治体で受診することができます。検診の種類によって対象年齢や頻度は異なりますが、受診費の一部もしくは全額が公費で負担されます。ただし、企業に勤めている方などは、企業による健康診断にがん検診が含まれていることが多いため、自治体主導のがん検診受診者は国民健康保険加入者や後期高齢者医療保険加入者を含む、「勤務先などでの受診機会のない人」が中心です。
岐阜市が実施しているがん検診の種類と費用は下記の通りです。
種類 | 検査項目 | 対象者 | 受診間隔 | 費用 |
---|---|---|---|---|
胃がん | 問診、胃部X線検査(バリウム) | 40歳以上 | 年1回 | 1,500円 |
子宮がん | 問診、視診、子宮頸部細胞診、子宮体部細胞診、内診※子宮体部細胞診は医師の判断によって実施 | 20歳以上女性 | 2年に1回 | ・子宮頸部:2,000円・子宮頸部+子宮体部:3,500円 |
肺がん | 問診、胸部X線撮影、喀痰細胞診※結核検診も同時実施※喀痰細胞診検査は50歳以上で喫煙指数600以上、かつ3日間連続して痰が出る人 | 40歳以上 | 年1回 | ・胸部X線撮影:無料・喀痰細胞診検査:500円 |
乳がん | 問診、マンモグラフィ | 40歳以上女性 | 2年に1回 | 1,500円 |
大腸がん | 問診、便潜血検査2日法 | 40歳以上 | 年1回 | 400円 |
岐阜市のがん検診は、基本的に厚生労働省の指針に沿っています。
岐阜市のがん検診の無料クーポンは下記の通りです。
種類 | 対象者 | 無料になる検査項目 |
---|---|---|
子宮がん | 20歳の女性 | 問診、視診、子宮頸部および体部細胞診、内診 |
乳がん | 40歳の女性 | 問診、マンモグラフィ |
胃がん | 50・54・58歳 | 問診、胃部X線撮影(バリウム) |
無料クーポン券配布対象者が、クーポン券有効期限内に自己負担で「岐阜市の検診」を受診した場合、医療機関へ支払った自己負担金が返金されます。自己負担金返金の対象は、「岐阜市の検診」のみで、勤務先での検診や、健康保険の適用を受けた検診、独自に受診した検診などは、対象外です。
また、生活保護受給世帯の方は無料でがん検診を受診することができます。
下記は、岐阜市が実施した2015年度から2019年度の各がん検診の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 1.8% | 17.9% | 3.5% | 16.4% | 4.8% |
2016年度 | 3.0% | 17.7% | 3.3% | 16.8% | 4.3% |
2017年度 | 2.8% | 16.9% | 2.8% | 16.3% | 4.0% |
2018年度 | 2.6% | 16.7% | 2.8% | 15.2% | 4.5% |
2019年度 | 2.4% | 16.4% | 2.4% | 14.6% | 5.0% |
下記は、自治体主導のがん検診における2015年度から2019年度の日本全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 6.3% | 23.3% | 11.2% | 20.0% | 13.8% |
2016年度 | 8.6% | 16.4% | 7.7% | 18.2% | 8.8% |
2017年度 | 8.4% | 16.3% | 7.4% | 17.4% | 8.4% |
2018年度 | 8.1% | 16.0% | 7.1% | 17.2% | 8.1% |
2019年度 | 7.8% | 15.7% | 6.8% | 17.0% | 7.7% |
岐阜市の各種がん検診の受診率は、日本全体と比較するとほとんどが低い水準にあります。とくに胃がん検診と肺がん検診のポイント数は日本全体を大きく下回っています。子宮頸がん検診は2016年度以降、全国平均よりも高い水準で推移しています。また大腸がん検診は日本全体と比べて低水準ではありますが、2017年度から微増傾向です。しかしながら、岐阜市におけるがん検診の全体的な受診率は年々低下している傾向にあり、これは日本全体においても同様の傾向です。
日本のデータにおいて、2016年度から一部の受診率が顕著に低下している要因としては、地域保健・健康増進事業報告における受診率の算定法の対象者が変更されたことが考えられます。また、過去に国のがん検診推進事業として、大腸がん検診、乳がん検診では40~60歳の間で5歳おき、子宮頸がん検診では20~40歳の間で5歳おきに無料クーポンが配布されていました。しかし、2016年から大腸がん検診は事業の対象外になり、2017年から子宮頸がん検診と乳がん検診の無料クーポンは検診開始年齢(子宮頸がん検診20歳、乳がん検診40歳)のみになりました。これら無料クーポン対象外の影響が受診率低下につながっていると考えられています。このため、自治体によっては独自の無料クーポンを配布したり、キャンペーンを実施したりして、受診率向上に努めています。
がん検診の受診率向上やがん予防に向けて、岐阜市では肝炎ウイルスの無料検査や、インターネットで24時間予約できるシステムの導入、検診場所の拡大などの取り組みを行っています。
・肝炎ウイルス検査の無料実施 肝炎ウイルスの感染による慢性肝炎や肝硬変は、肝臓がんの主要な原因となっている。ウイルスに感染していても数年は無症状のため、肝炎ウイルスの血液検査(B型・C型)の実施は、肝臓がんの予防につながる。岐阜市では、市内に住民登録があり、これまで検査をしたことがない人を対象に肝炎ウイルス検査を無料で実施している。
・がん検診のインターネット予約 胃がん、乳がん、肺がん検診の予約を24時間インターネットで受け付けている。電話予約の受付もある。
・検診実施の場所や時間を拡大 保健センター、コミュニティセンター、地域公民館など、利便性の高い場所で検診を実施。さらに平日に仕事を持つ人も参加しやすいよう、土曜に検診を実施するなどしている。
岐阜市では、人間ドックの補助や助成は行っていません。ただし岐阜市国民健康保険の資格がある40~74歳の人で、職場の健康診断や人間ドックなどを受診し、特定検診を受診しない人には、検診結果の提供でQUOカード1,000円分が進呈されます。
「機能評価認定施設」とは、日本人間ドック学会が定めている「人間ドック健診施設機能評価」という評価基準をクリアした医療施設です。申請のあった人間ドック施設に対して日本人間ドック学会が受診者目線で審査している取り組みです。
審査項目には、「運営方針、組織の管理体制が確立しているか」や「検査の業務マニュアルは作成されているか」、「感染対策などの危機管理は徹底されているか」といった施設側の安全面に関する基準から、「受診者が快適に受診できるように配慮しているか」や「受診者のプライバシーに配慮しているか」といった受診者側に関する基準まで、多角的な評価基準があります。また、評価基準は5年ごとに改定され、更新審査が行われます。
全国390以上の施設が認定されており、このうち岐阜市内の機能評価認定施設は2021年11月現在で3施設あります。
マーソでは、機能評価認定施設から人間ドックのプランを探すことができます。くわしくはこちらをご覧ください。
岐阜市は、「第三次ぎふ市民健康基本計画」で健康寿命の延伸と早死(65歳未満の死亡)の減少、生活の質の向上が目標であると明記しています。健康寿命の延伸に向け、さまざまな取り組みを行っています。
・市内50地区のウォーキングマップ「わくわくウォーク」 誰もが気軽にできるウォーキングを通して、健康で幸せになれるまちづくりをすすめようと、市内50地区全域でウォーキングコースを作成。地域の地図でおすすめのウォーキングルートとその所要時間や消費カロリーのほか、文化財などの見どころ、トイレやベンチの場所なども一覧できる。
・清流の国ぎふ健康ポイント岐阜市版 岐阜県が実施する「清流の国ぎふ健康ポイント」と協働のポイント制プログラム。健康康診査やがん検診の受診、生活習慣の改善、社会参加などの取り組みを行ってポイントを獲得すると、岐阜県内の協力店でさまざまな特典が受けられるほか、景品への抽選応募券がもらえる。
※本記事は2021年11月時点の情報を元に作成しています。