骨盤部MRI検査
3D骨盤部MRI検査とは?
骨盤部MRI検査は、強力な磁場と電波を使用して骨盤内の臓器や組織をさまざまな角度から連続的に断層撮影し、詳細な画像を得る検査です。放射線を使用しないため被曝の心配がなく、異常がある部分と正常な部分のコントラストがわかりやすい点が特徴です。
骨盤MRI検査は、男女で観察する臓器が異なります。男性はおもに前立腺を、女性は子宮や卵巣を中心に検査を行います。また、男女共通の器官として、膀胱や直腸などを観察できることもあります。
骨盤部MRI検査の目的
骨盤部MRI検査は、男性は前立腺、女性の場合は子宮や卵巣の状態を詳しく調べるのに役立つ検査です。多くの場合、前立腺がん、子宮がん(頸がん・体がん)、卵巣がんなどが疑われた場合の診断の補助や病変の評価として行われます。
骨盤部MRI検査で見つけられる病気
骨盤MRI検査は、次のような病気の診断の補助や病変の評価に役立ちます。
<男性>
●前立腺がん
●前立腺肥大症
など
<女性>
●子宮体がん
●子宮頸がん
●子宮筋腫
●卵巣がん
など
骨盤部MRI検査結果の見方
骨盤部MRI検査の結果は、画像で示されます。人間ドックなど検診が目的の場合、検査結果は後日郵送されることが多いです。医療施設によっては、検査当日に画像診断の結果説明を行う場合もあります。
骨盤部MRI検査の注意点
MRI検査は強い磁場を利用する検査のため、体内にペースメーカーなどの金属が埋め込まれている方は検査が受けられないなど、一定の制限があります。また、検査時間が比較的長い、検査中は大きな音がするなどの注意点もあります。
妊娠中または妊娠の可能性がある方のMRI検査について、産婦人科診療ガイドラインでは、妊娠全期間を通して胎児への影響は報告されていないため、必要に応じて受けることが可能だが、造影剤を使用する場合は、医療上の必要性がリスクを上回る場合に限って使用すべきとしています。妊娠中のMRI検査は、放射線を用いないため比較的安全とされていますが、検査の必要性やタイミングは主治医と十分に相談のうえで決定されることが一般的です。
骨盤部MRI検査の流れ
1. 検査着に着替え、アクセサリーや時計など金属製の装飾品を外す。
2. 筒状の装置に横たわる。
3. 検査を行う。検査中は大きな音が発生し、台が自動で動く。
4. 検査が終了したら、台から降りて衣類を着る。
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この記事の監修ドクター
この記事は、以下の医師による監修を受け、MRSO編集部が作成しています。

マーソ株式会社 顧問
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。

2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)