2020.3.19

脳梗塞・心筋梗塞の発症リスクがわかる血液検査「LOX-index®」とは?

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所 理事長
医学博士、星槎大学 客員教授、相馬市健康対策専門部会委員、相馬市放射能対策アドバイザー
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
内科医として勤務する傍、「女性の総合医」を目指し日々研鑽する。
自身の貧血体験から大学時代より上昌広氏を師事。


病気の早期発見・早期治療につながる人間ドックだが、定期的に全身をチェックするとなると、その費用を負担に感じる人もいるかもしれない。そんな人は、採血だけで簡易的に疾患リスクを調べられるスクリーニング検査を受けてみてほしい。人間ドックを受けるより費用面でも負担が少ない。今回は、「LOX-index®(ロックスインデックス)」について紹介する。

LOX-index®とは?

LOX-index®は、脳梗塞・心筋梗塞の発症リスクを調べる血液検査だ。具体的には、これらの疾患を引き起こす動脈硬化の原因物質である血液中の「酸化変性LDL(別称:超悪玉コレステロール)」と「LOX-1」を計測する。2つの数値を掛け合わせたものが測定値となり、検査結果では発症リスクが記載される。

動脈硬化を引き起こす「酸化変性LDL」は、肝臓で作られたコレステロールを全身へ運ぶ「LDL」が変性したものだ。これが受容体といわれる細胞と結びつくことによって血管壁内に取り込まれる。酸化変性LDLの受容体に該当するのが「LOX-1」というタンパク質だ。

血管壁に侵入した酸化変性LDLは、異物を捕食する免疫細胞のマクロファージによって除去される。しかし、マクロファージ内に「酸化変性LDL」が取り込まれると、コレステロールとして蓄積され、次第に脂肪の泡のような細胞と化してしまう(泡沫化マクロファージ)。この過程により、血管内の炎症が進んだり血管壁が厚くなったりし、動脈硬化が進むことがわかっている。

これまでは、いわゆる悪玉コレステロールのLDLの量が動脈硬化を悪化させると考えられてきたが、近年はLDLの量ではなく、質にかかわりがあると考えられるようなった。「酸化変性LDL」と「LOX-1」のふたつをセットで計測することで、量ではなく質的な評価ができる。

LOX-index®の検査でわかること

一般に、脳梗塞や心筋梗塞といった疾患を引き起こす動脈硬化の進行度合いを知るには、血管造影のような身体に負担のかかる検査が必要となる。LOX-index®では、採血のみで早い段階で動脈硬化による病気のリスクが分かる。

とくに、LOX-index®の計測によって、脳梗塞の発症リスクを知るのに有効だ。

LOX-index®の数値

LOX-index®は、LAB(酸化変性LDL)とLOX-1の各測定値と、そこから算出された数値がグラフ表記される。

LOX-1の基準値(pg/mL)

低:270以下
中:271~1439
高:1440以上

LAB(酸化変性LDL)の基準値(μgcs/mL)

低:3.3以下
中:3.4~7.8
高:7.9以上

LOX-index®の基準値

低:1068以下
中:1069 ~ 7159
高:7160以上

LOX-index®の検査内容

検査そのものは採血によって行われるため、所要時間は5分程度で、受診者への負担が少ないのが特徴だ。検査結果が出るまでに2週間程度かかるのが一般的だ。オプション検査としての受診料は12,000~13,000円程度で、医療機関によってはLOX-index®検査を含む動脈硬化ドック15,000円前後のほか、人間ドックにLOX-index®検査を加えた30,000円前後~50,000円程度のプランもある。医療機関によっては単体で受けられる施設もある。

LOX-index®の検査を検討すべき人

脂質代謝異常、糖尿病、高血圧など動脈硬化のリスクがある人や、家族に脳梗塞や心筋梗塞の人がいる人、健康診断などでLDLが高いといわれた人、人間ドックや健康診断でプラスアルファの検査がしたい人にLOX-index®はおすすめだ。

なお、LOX-index®はあくまで、将来の動脈硬化による病気のリスクを知るためのもので、脳梗塞や心筋梗塞の診断目的では行われていない。風邪を引いている人や妊娠中の人は、数値が高くなる傾向があるので、正確な計測値が出ないので注意が必要だ。


Colorda編集部