2017.5.25
肝臓がんの腫瘍マーカー「CRP」

炎症反応検査で「CRP」の数値が高かった場合はどうすれば?

肝臓に疾患がある場合に、血液中で上昇する物質


「CRP」「γ-GDP」「AST」「ALT」は、人間ドックで肝臓を検査する際に判断材料となる血液中の物質である。これらは炎症や肝臓の病気がある場合に、肝臓で生成され、血液中で上昇するため、肝機能検査に利用されている。

肝臓は病気があっても痛みを伴わない臓器として有名で、自覚症状が出にくい。そのため、人間ドッグなどで定期的に血液検査による肝機能検査を行うことは重要だ。今回は、「CRP」に着目。数値の読み解き方や、異常があった場合の対処法について解説する。

「CRP」が上昇する仕組みと疑われる疾患

「CRP」とは「C反応性蛋白」のことで、身体のなかで炎症が起きているときに血液中で上昇するタンパク質だ。たとえば、細菌やウイルスによる感染症、本来は自分を攻撃しないはずの免疫が不調をきたし、自分の臓器を攻撃する自己抗体が生成されて関節や皮膚、心臓、腎臓などさまざまな臓器に障害が起こる膠原病(こうげんびょう)、けがや手術のあとなどに、血液中のCRP上昇が認められる。一方で、組織や細胞の破壊が起きたときにも上がるため、心筋梗塞やがんでもCRPが上昇する。つまり、CRPの数値だけでは肝臓がんは判断できない。

炎症反応検査で「CRP」の数値が高かった場合のチェックポイント

原因疾患の精密検査は医療機関でしか行えないが、人間ドックの結果でCRPの数値が高かった場合は、以下の2つを振り返ってほしい。

  • 最近調子が悪かったことがないか
  • 風邪や胃腸炎、けがなど、炎症の原因となるようなことがなかったか

CRPの特徴として、炎症や細胞破壊後、24時間以内に急激に血液中で上昇し、その後2〜3日程度で改善する。

人間ドッグの直前に、風邪や胃腸炎を起こしていた場合には、CRPの軽度上昇を認めることがある。風邪や胃腸炎のような場合には、数日から数週間でCRPの数値は正常化するが、肝臓や全身の炎症を起こすような疾患では、治療を行わなければCRPの数値が改善することはない。そのため、1〜2週間ほど期間をあけて再度血液検査を行い、依然として数値が高い場合や上昇傾向の場合は精密検査を行う。

ただし、CRPだけでは肝臓に炎症があるのか、ほかの臓器に炎症があるのかは判断できないため、ほかの炎症反応検査や「γ-GDP」「AST」「ALT」の値も併せ総合的に診断し、精密検査に進むことになる。

炎症反応検査で「CRP」の数値が高かった場合に実施する精密検査

CRPの数値が高い場合には、肝臓だけでなく全身のどこかに炎症の原因となる疾患がないかを調べる精密検査を行う。

血液検査

人間ドッグで行われる血液検査項目では原因疾患の特定が難しいため、まずは、白血球や赤沈などほかの炎症反応を検査する項目や、膠原病に関連する自己抗体の採血などを追加することが多い。

画像診断

超音波検査やCTなどの画像検査を追加して全身を調べ、炎症や細胞の破壊の原因を探索する。超音波検査は、肝臓や胆のう、腎臓などを調べるのに適した検査で、超音波がはねかえることによって得られる画像で、炎症や出血、腫瘍などがないか判断する。

CTは、放射線を使用しながら全身の臓器を輪切りにしたような画像を得ることができる。超音波ではわからなかった病気もCTであれば確認できることがある。ほかにもMRIやPETなど、医師の判断で、各疾患を特定するために必要な検査が追加されていく。

一般的にCRPが異常高値の場合には、全身の倦怠感や発熱などの症状を伴っていることが多く、すぐに医療機関を受診したほうがよい。

炎症反応検査「CRP」の数値はコントロールできる?

CRPは、肝臓やそのほかの臓器、全身の炎症、細胞の破壊などで上昇する。つまり、身体の炎症への反応として上がるため、自分で数値を上げないようにすることは難しい。人間ドッグでCRP高値を指摘されたときに、直近の体調が参考になることがあるため、自分の身体の変化は気にするようにしておこう。


Colorda編集部