2017.6.1
肝臓がんの腫瘍マーカー「γ-GDP」

肝機能検査で「γ-GTP」の数値が高かった場合はどうすれば?

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所 理事長
医学博士、星槎大学 客員教授、相馬市健康対策専門部会委員、相馬市放射能対策アドバイザー
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 内科医・研究員
内科医として勤務する傍、「女性の総合医」を目指し日々研鑽する。
自身の貧血体験から大学時代より上昌広氏を師事。

肝臓に疾患がある場合に、血液中で上昇する「γ-GTP」


「γ-GTP」「AST」「ALT」は、人間ドックで肝臓の状態を把握する際に検査される血液中の物質である。これらは肝臓が障害され肝細胞が壊れると、血液中に大量に漏れ出すため、肝機能検査に利用されている。

肝臓は病気があっても痛みを伴わない臓器として有名で、自覚症状が出にくい。そのため、人間ドッグなどで定期的に血液検査による肝機能検査を行うことは重要だ。今回は、「γ-GTP」に着目。数値の読み解き方や、異常があった場合の対処法について解説する。

「γ-GTP」が上昇する仕組みと疑われる疾患

「γ-GTP」とは「ガンマ-グルタミルトランスペプチダーゼ」のことで、肝臓だけでなく、腎臓や膵臓などに含まれている解毒に関わる酵素である。おもに、肝臓や胆管の細胞に傷がつき、死滅したときに血液中で上昇すると考えられている。

γ-GTPが高いと人間ドッグで指摘された場合には、肝臓や胆管になにかしらの異常が起きている可能性がある。もっとも多いのは、アルコールの過剰摂取による肝障害だが、一切飲酒をしていない場合でも上昇することがある。たとえば、薬の副作用による肝障害、脂肪肝、肝炎、肝硬変、肝がんなどが挙げられる。どのような薬でも副作用が出る可能性があり、肝臓は薬剤の代謝に関わるため肝機能障害を引き起こす薬剤は多い。漢方やサプリメントでも人によっては肝機能障害を起こし、γ-GTPが上昇する。

近年、食生活の欧米化、運動不足などにより肥満、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が増加しているが、過剰なエネルギー摂取は、肥満だけでなく、肝臓への脂肪沈着の原因にもなり、放っておくと脂肪肝につながる。

肝機能検査で「γ-GTP」の数値が高かった場合のチェックポイント

γ-GTPの上昇を人間ドッグで指摘されたときは、以下を振り返ってほしい。

  • アルコールを過剰摂取していないか
  • 肥満ではないか
  • 服用している薬剤はないか

上記3つの要因で肝臓疾患を起こし、γ-GTPが血液中で上昇している可能性は高い。とくにアルコール性の肝障害では、γ-GTPの数値が障害の程度を把握するのに役立つ。

肝機能検査で「γ-GTP」の数値が高かった場合に実施する精密検査

γ-GTPは、肝臓や胆道系疾患のときに上昇する。人間ドッグでγ-GTPの上昇を指摘された場合には、経過観察のため医療機関をすぐに受診したほうがよい。

もしアルコールや肥満、薬剤によるものが疑われれば、禁酒、減量、疑わしい薬剤の中止を行う。また、肝機能を評価するほかの血液検査項目や、肝炎ウィルスの検査項目などを追加し、再度採血を行うことがある。

肝臓や胆道系の疾患(肝炎や肝硬変、胆石症、がんなど)は、超音波検査やCTなどの画像検査で精密検査を行うことが多い。超音波検査は、肝臓や胆のう、腎臓などを調べるのに適した検査だ。超音波がはねかえることによって得られる画像で、炎症や出血、腫瘍などがないか判断する。CTは、放射線を使用しながら全身の臓器を輪切りにしたような画像を得ることができる検査で、超音波ではわからなかった病気も確認できることがある。

肝機能検査「γ-GTP」の数値を上げないために

生活習慣を見直すことで、γ-GTPは改善する可能性がある。具体的には、アルコールの過剰摂取をしない、適切な体重を維持する、適度な運動を行う、野菜や魚を中心にして脂っこいものや糖分の多い食事を控える、不要な薬剤やサプリメントは摂取しない、などを心がけるとよい。思い当たる生活習慣があれば、ぜひ正してほしい。


Colorda編集部