2016.8.15

Googleが病気の相談役に! 症状から可能性のある病気を教えてくれる新サービス

米Googleで新サービス! 検索で病気に関する情報が簡単に入手可能に

finger pushing red web search button illustration米Googleが、Googleアプリ内で病気に関わる情報を入手できるサービスを開始した。症状を検索すると、病気の説明、応急処置の方法、病院にかかったほうがよいかどうかなどを確認することができる。

公式ブログに掲載された例は、「頭の片側が痛い」と検索すると、「頭痛」「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発性頭痛」「副鼻腔炎」「流行性感冒」などがリスト表示されるというもの。それぞれの症状については情報カードという形で表示され、横スワイプで、次々と情報を見ることができる。

この情報カードは、これまでの健康に関するWeb検索の実績と、Googleのデータベースであるナレッジグラフを通じて、医師から収集した情報を照らし合わせたものを、念入りに検討して作成されている。さらにはハーバード大学や、世界中から難病患者が訪れるほど信頼のある米メイヨークリニックの専門家が監修しており、高品質であるのはお墨つきだ。

Google検索全体の1%が身体ネタという事実

こうしたサービスを開始した背景として、まずは身体の症状に関する検索の多さがある。検索ボリュームはGoogle検索全体の1%で、どれだけ多いのか少しピンとこないかもしれないが、何百万とある検索数と無制限にある検索パターンから考えれば、多い数字だ。

また、健康や病気に関するキーワードを検索しても、個人的な見解や経験談が投稿されたものや、専門用語が並ぶわかりにくい説明など、ユーザーの不安をさらに煽るものが多かったことも、サービスを立ち上げた理由のひとつになっている。

身体のことは、まわりの人に気軽に相談できることばかりとは限らない。だからインターネット検索をすることも多いのだが、確証のない情報や不安に陥る経験談などを目にすると、悶々とした気持ちになるだろう。また、検索したことで新たな疑問が生じる場合もある。しかし、このような検索によるデメリットを解消するためにできたサービスであれば、適切な情報を入手できるだろうと期待が持てる。

病気の相談もまずはGoogleへ

2016年7月現在、同サービスは米国内のモバイルアプリでのみ提供中だが、今後、PCも含め各国の言語でサービスを展開していく予定だ。身体の不調をまずはGoogleに相談するときがやってくる。

調子がよくないなと感じても、すぐに病院に行くことができる人は少ない。また、ちょっとした症状で診察を受けるのはためらってしまう。そんなとき、これまでより精度の高い情報が得られる本サービスは心強い存在となりそうだ。

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

Colorda編集部