2016.8.22

今、あなたの肌は焼けている! スマホとPCがシミの原因に…

ブルーライトは肌にも悪影響が

Woman taking a picture of a coffee cup with her smart phone while sitting at a coffee shop.スマートフォンやパソコンなどのLEDディスプレイやLED照明から出るブルーライトが、目によくないことは知られているが、フランスで行われた研究により、日焼けの原因になることが判明した。夏に限らず、通年UV対策をしていても、なぜかシミができてしまったという場合、実はスマホやパソコンを見ているときに日焼けのような現象を起こし、シミにつながっていた可能性があるというわけだ。

目にも肌にもよくないブルーライトとは、そもそもどのようなものなのだろうか。ブルーライトとは、波長が380~500ナノメートルの青色光で、可視光線のなかでもっとも波長が短い。強いエネルギーを持っており、角膜や水晶体を通り越し、網膜まで達する。400ナノメートル以下の可視光線は紫外線となるが、ブルーライトは紫外線に近い波長を持っている。つまり、スマホやパソコンの画面を見ているということは、ずっと紫外線を見つめ、紫外線を浴びているのと同じような状態だといえる。

日焼け止め効果なし! 紫外線より怖いブルーライト

ブルーライトを浴びた目は、焦点が合いにくくなったり、物がかすんで見えたりすることが指摘されている。フランスの研究チームは、波長415ナノメートルのブルーライトと、630ナノメートルのレッドライトが、肌に色素沈着を起こすかどうか実験を行った。

結果、415ナノメートルのブルーライトを当てた肌は、3ヶ月間継続する色素沈着を起こすことが判明。これは紫外線が当たったときよりも強い色素沈着だ。しかも紫外線用の日焼け止め使用してもブルーライトには効果がないこともわかった。

ブルーライトから身を守る方法はある?

紫外線よりシミの原因となるブルーライトから、身を守るにはどうすればよいのか。目には眼鏡をかけることができるが、顔を覆うことは難しい。日焼け止めも効かないとなると、ブルーライトを軽減する方法を選択していくほかない。

たとえば、iPhoneやiPadユーザーには、「ナイトシフト」という機能を使ってほしい。画面の色を調整する機能で、少し赤みがかった画面になり目への刺激の軽減とともに、顔への影響も和らげる効果が期待できる。また、Google Playブックスでは、電子書籍を読む際に「読書灯」という機能を選択してみよう。夕方18時あたりからブルーライトがカットされ始め、徐々に画面が琥珀色へと変わっていく。

スマホやパソコンを使わないのは、今の生活においてはほぼ不可能。移動時間や寝る前など、時間を見つけてはスマホを手にとってしまいがちだが、今後は目だけでなく肌のためにも、なるべく必要以上にスマホの画面を見つめないほうがよさそうだ。

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

Colorda編集部