肝炎
肝炎とは?
肝炎とは、なんらかの原因で肝臓に炎症が起こり、肝臓の細胞が破壊される病気です。肝炎は、一過性に起こる「急性肝炎」と、6ヶ月以上症状が続く「慢性肝炎」、急激に症状が増悪する「劇症肝炎」があります。
肝炎の症状
肝炎の症状には以下のものがあります。
●疲労感
●食欲不振
●吐き気
●むくみ
●発熱
●目や肌が黄色くなる
●茶色の尿が出る
肝炎の原因と予防法
肝炎の原因には、さまざまなものがありますが、最も多い原因がウイルス感染です。肝炎を引き起こすウイルスには、感染している食べ物や血液を介して伝染します。水や食べ物の衛生や、血液のついている物品には触れないようにすることが大切です。また、お酒の飲みすぎなど肝臓に負担のかかる生活習慣は、控えるようにしましょう。
肝炎になりやすい人
次の項目に当てはまる人は、肝炎になりやすいといえます。
●医療従事者など血液に触れる機会の多い人
●多量のお酒を飲む習慣のある人
●多種類のサプリメントや薬を利用している人
肝炎の種類
肝炎は原因ごとにさまざまなものがあり、以下のような種類があります。
●ウイルス性肝炎:ウイルスの感染によって起こる肝炎
●アルコール性肝炎:お酒を飲みすぎによって起こる肝炎
●脂肪肝:肥満などにより、肝臓に脂肪がたまって起こる肝炎
●薬物性肝炎:薬やサプリメントなどの成分や代謝された物質によって起こる肝炎
●自己免疫性肝炎:免疫機能の異常によって起こる肝炎
罹患率と死亡数
厚生労働省が2018年9月に公表した「平成29年(2017)人口動態統計(確定数)」によると、肝炎のうちウイルス性肝炎による年間の死亡数は3,743人でした。そのうち、B型ウイルス性肝炎の死亡数は419人、C型ウイルス性肝炎の死亡数は3,100人でした。
肝炎を調べる検査
肝炎を調べる検査には以下のものがあります
血液検査:AST(GOT),、ALT(GPT)、ALP、γ-GTP、B型肝炎ウイルス(HBs抗原、HBs抗体)、C型肝炎ウイルス(HCV抗体)
採血によって、肝臓の酵素や肝炎ウイルスに感染しているかどうかを調べる検査です。
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「血液検査 ALT(GPT)」についてもっと詳しく見る→
「血液検査 ALP」についてもっと詳しく見る→
「血液検査 γ-GTP」についてもっと詳しく見る→
「血液検査 B型肝炎ウイルス(HBs抗原、HBs抗体)」についてもっと詳しく見る→
「血液検査 C型肝炎ウイルス(HCV抗体)」についてもっと詳しく見る→
腹部エコー検査(腹部超音波検査)
超音波の反響を画像化する検査です。肝臓など身体の内部の様子を確認することができます。
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腹部CT検査
エックス線を回転させながら照射して、身体の断面図をコンピューターで画像化する検査です。
腹部MRI検査
ドーム型の強力な磁石でできた装置に入り、身体の内部を鮮明に画像化する検査です。
この記事の監修ドクター
マーソ株式会社 顧問
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)