腹部エコー検査
腹部エコー検査とは?
腹部エコー検査とは、超音波を腹部に当て、臓器などから跳ね返った超音波から画像を作る検査です。腹部超音波検査とも言います。超音波を発するプローブ(探触子)と呼ばれる機器を腹部に当てながら、肝臓や膵臓、腎臓、脾臓、膀胱などの様子をリアルタイムで観察します。
また、女性の場合は、卵巣や子宮も検査できることが特徴です。
腹部エコー検査の目的
腹部エコー検査は、腹部のなかでも肝臓・腎臓・脾臓・胆嚢・膵臓に異常がないかを調べることが目的です。エコー検査の画像をもとに脂肪肝や腫瘍・腫瘤の有無・ポリープ・結石や臓器の拡張や肥大の有無の所見を調べます。
さらに、腹部を走行している大動脈に腫瘤ができる「大動脈瘤」を観察する場合などは、血流を可視化できるカラードップラー法という検査方法を使用します。これは、超音波検査機の「カラードップラーモード」を使用するだけなので、非常に簡単に検査できます。カラードップラー法では、血流の速度によって色をつけ、血液の滞留を観察できる方法です。
腹部エコー検査で見つけられる病気
腹部エコー検査は、次のような病気の診断に役立ちます。
・肝臓がん ・肝硬変 ・脂肪肝 ・胆嚢がん ・膵臓がん
・腎臓がん ・胆石 ・ポリープ ・脂肪肝 ・慢性肝炎
・胆管拡張 ・脾腫 ・水腎症 ・馬蹄腎 等
腹部エコー検査の見方
基本的には医師が画面を見て画像診断を行います。画面には濃淡のついた白黒の画像が映り、腫瘤や結石などがあると黒く抜けて見えたり、白い遺物として表示されたりします。
カラードップラー法を使用した場合は、赤色と青色で可視化して表示されます。赤色と青色は基本的に「赤色:プローブに向かってくる血流、青色:プローブから遠ざかる血流」を示しています。また、「赤色:動脈血、青色:静脈血」を表す方法もあります。
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腹部エコー検査の長所/短所
腹部エコー検査は被曝しないため、子どもや妊娠中の人でも受けることができます。
また、画像はリアルタイムに画面へ表示され、検査時間は10〜20分程度なので、身体的に負担が少なく検査が終わるのも長所です。腫瘍からポリープ、脂肪肝など幅広い疾患の検査に応用されています。
しかし、ガスや便が溜まっていると腹部が見えにくく、尿が溜まっていると膀胱を検査しにくいのが短所です。さらに、腹部エコー検査は術者(医師)の技量が検査結果に大きく影響してきます。
腹部エコー検査の流れ
1. 腹部にゼリーをつける
2. 検査画面が見やすいように部屋は少し暗くする
3. 腹部にプローブ(探触子)を当てる。
4. 10〜30分で終了する
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マーソ株式会社 顧問
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)