ALP
ALPとは?
ALP(アルカリホスファターゼ)は身体に分布する酵素で、特に肝臓や小腸、胎盤、骨に多く存在します。ALPは血液検査によって調べることができます。
ALPの検査の目的
肝臓や骨などの臓器になんらかの問題が起きると、細胞が破壊されて血液中のALPの量が増えます。ALPは臓器ごとに種類が異なるので、どの種類のALPが増えているかを知ることで、問題の起きている臓器を特定することができます。
ALPの検査で見つけられる病気
血液検査でALPを調べることは、次のような病気の診断に役立ちます。
●胆道や肝臓の病気
●骨のがん
等
ALPの検査の見方
ALPの値は健康な人や妊娠している女性でも高くなる場合があります。そのため、日本人間ドック学会では基準値を定めていませんが、80~260 U/l(ユニットパーリットル)が目安になります。ALPが基準値よりも高い場合は、肝臓や胆道系の病気、骨の病気、妊娠などが疑われます。
人間ドックが受診できる医療施設を探しましょう。予約数が多い施設から探す「予約数順から探す」、
エリアから探す「都道府県で医療施設を探す」「プランを詳細検索する」の3つの切り口から探すことが出来ます。
ALPの長所/短所
ALPは、採血で手軽に調べることができます。医療機関によっても異なりますが、検査結果は採血から通常1時間程度で確認することができます。
なかには注射針による痛みを苦痛に感じる人もいるかもしれません。採血で極度にストレスを感じると、副交感神経が緊張して、まれに冷や汗、低血圧、顔面蒼白、吐き気などの症状が現われることがあります(「迷走神経反射」といいます)。
また、採血の手技によっては神経損傷が生じることがあります。神経損傷は、注射の針先が神経に触れることで起こります。採血時にピリッとした刺激を感じたときは、採血の担当スタッフに伝えるようにしましょう。採血による神経損傷の多くは、2~3ヶ月で自然に治ります。
なお、採血後には、アザなど皮下血種ができることがありますが、数日以内で自然に吸収されます。
採血では、消毒綿や手袋、注射針のなどの物品を使うため、アレルギーを起こす可能性もあります。特に、アレルギーでよくみられるのが、感染予防に使用されるアルコール綿です。アレルギーに心当たりのある人はあらかじめ、採血を担当する医療スタッフに伝えるようにしましょう。
ALPの流れ
ALPの検査では、採血を行います。ここでは、腕からの採血の具体的な流れについて説明します。
1. ひじの内側など血管がはっきりと確認できる部分を露出させ、専用の小さな台に腕を乗せる。
2. 上腕部を「駆血帯」と呼ばれるひもやベルトで締める。
3. アルコール綿で消毒し、注射針を刺す。
4. シリンジ内の検体が血液でいっぱいになったら、アルコール綿で抑えながら針を抜く(ほかの項目の血液検査を行うために、複数の検体を取ることがある)。
5. 注射した部位に絆創膏を貼る。血が止まるまでの数分間、自身で圧迫しておく。
6. 完全に止血したら、絆創膏を剥がす。
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マーソ株式会社 顧問
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。

2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)