岡山県岡山市北区伊福町1丁目17-18
岡山県岡山市北区柳町1丁目13-7
岡山県岡山市中区赤坂本町8-10
岡山県倉敷市連島中央3-1-19淳風スクエア
岡山県岡山市中区倉田567-1
岡山県備前市大内571-1
岡山県倉敷市鶴形1丁目11番11号
岡山県倉敷市中庄3542-1
岡山県倉敷市鶴の浦2-6-11
岡山県岡山市中区倉田677-1
岡山県倉敷市神田2丁目3-33
岡山県岡山市北区大供2-3-25
岡山県岡山市北区昭和町12-15
岡山県 岡山県倉敷市白楽町282
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倉敷市は岡山県南部に位置する市です。1928年の市政施行以降、20回近い編入・合併を繰り返し、2005年に現在の市域となりました。倉敷地区・児島地区・玉島地区の3つの地区からなり、それぞれに独自で豊かな文化を築いています。とくに倉敷地区には江戸時代や明治時代の史跡や建物が多くのこっており、歴史の香りが感じられるレトロな街として多くの観光客が訪れています。
2021年11月現在の人口は約48.0万人(住民基本台帳による)です。国勢調査によれば、倉敷市の人口は微増を続けていましたが、2016年をピークに微減に転じ、現在も微減傾向が続いています。なお、「岡山県人口ビジョン改訂版」によれば、岡山県全体は2005年をピークに減少に転じ、現在も減少傾向です。日本全体では2008年をピークに減少に転じています(国勢調査をもとにした推計人口)。国立社会保障・人口問題研究所の2018年時点の推計によれば、倉敷市の人口は2045年には約43.2万人まで減少するとされています。
2021年9月現在における65歳以上の高齢者人口は約13.3万人で、高齢化率は27.7%です。2020年10月の日本全体の高齢化率は28.8%であることから、倉敷市の高齢化率は全国よりもやや低いと言えます。倉敷市は瀬戸内エリアにおける中心的存在であり、産業や観光業も盛んです。そのため、人口の減少や高齢化の進行がゆるやかになっていると考えられます。
健康寿命とは、2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間を指します。日常生活に制限のない、自立した状態で過ごせる期間と言えます。
下記は、倉敷市の平均寿命と健康寿命を示した表です。倉敷市の健康寿命は、介護保険要介護認定に基づいた要介護2〜5以外の状態として独自に算出されています。平均余命と健康寿命との差(不健康である期間)が長くなるほど医療費や介護費がふくらみ、公費負担が増大する要因になります。
男性 | 女性 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
2010年 | 2020年 | 増減 | 2010年 | 2020年 | 増減 | |
平均寿命(歳) | 80.23 | 81.2 | +0.97 | 86.70 | 87.9 | +1.20 |
健康寿命(歳) | 78.56 | 79.7 | +1.14 | 83.12 | 83.3 | +0.18 |
不健康である期間(年) | 1.67 | 1.5 | -0.17 | 3.58 | 4.6 | +1.02 |
倉敷市の2020年の健康寿命は、男性79.7歳、女性83.3歳です。2010年から2020年にかけて、倉敷市では男女ともに平均寿命・健康寿命ともに長くなっています。不健康である期間は、男性ではやや短くなっていますが、女性では長くなっており、倉敷市の女性における不健康である期間の短縮が課題と言えます。
1981年以降、日本人の死因の第1位はがんです。以降、生活習慣病を主因とする疾患が上位を占めています。生活習慣病とは、生活習慣(食、運動、喫煙、飲酒等)が影響する一部のがんや心臓病(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)、糖尿病などを指します。人口動態調査によると、倉敷市と日本全体の死因とその割合は下記のようになっています。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
倉敷市※2019年 | 悪性新生物(がん)26.9% | 心疾患16.1% | 肺炎8.5% | 老衰7.5% | 脳血管疾患6.5% |
日本全体※2019年 | 悪性新生物(がん)27.3% | 心疾患15.0% | 老衰8.8% | 脳血管疾患7.7% | 肺炎6.9% |
倉敷市の死因順位は日本全体と異なっています。日本全体では5位の肺炎が倉敷市では3位です。それにともない、日本全国で3位の老衰と4位の脳血管疾患はそれぞれ4位、5位となっています。生活習慣病の三大疾患(がん・心疾患・脳血管疾患)の合計割合を見ると、日本全体が50.0%であるのに対し、倉敷市は49.5%と同水準です。また、倉敷市では肺炎での死亡率が日本全国を1.6ポイント上回っており、肺炎死亡数を引き下げることが課題と言えそうです。
日本では、厚生労働省の指針に基づき、自治体主導で実施されている「5大がん検診」と呼ばれるがん検診があり、全国各自治体とも受診率の向上を目指しています。5大がん検診は、胃がん、子宮がん(子宮頸がん)、肺がん、乳がん、大腸がんの5つの検診を指します。
5大がん検診は、加入している健康保険の種類に関係なく住民票のある自治体で受診することができます。検診の種類によって対象年齢や頻度は異なりますが、受診費の一部もしくは全額が公費で負担されます。ただし、企業に勤めている方などは、企業による健康診断にがん検診が含まれていることが多いため、自治体主導のがん検診受診者は国民健康保険加入者や後期高齢者医療保険加入者を含む、「勤務先などでの受診機会のない人」が中心です。
倉敷市が実施しているがん検診の種類と費用は下記の通りです。太字は、倉敷市独自の取り組みです。
種類 | 検査項目 | 対象者 | 受診間隔 | 費用 |
---|---|---|---|---|
胃がん | 問診、胃部X線検査(バリウム)または胃内視鏡検査(胃カメラ) | 50歳以上 | 2年に1回 | ●バリウム・70歳未満:2,400円・70歳以上:800円●胃カメラ・70歳未満:3,300円・70歳以上:1,200円※いずれも個別のみ |
子宮がん | 問診、内診、子宮頸部細胞診、子宮体部細胞診※子宮体部細胞診は医師の判断による | 20歳以上の女性 | 年1回 | 【集団】●子宮頸部・70歳未満:800円・70歳以上:300円【個別】●子宮頸部・70歳未満:1,600円・70歳以上:500円●子宮頸部+子宮体部・70歳未満:2,300円・70歳以上:800円 |
肺がん | 胸部X線検査、喀痰検査※喀痰検査は50歳以上かつ喫煙指数600以上の方 | 40歳以上 | 年1回 | 【集団】●X線・無料●喀痰検査・70歳未満:500円・70歳以上:200円【個別】●X線・70歳未満:1,300円・70歳以上:400円●喀痰検査・70歳未満:800円・70歳以上:200円 |
乳がん | 問診、マンモグラフィ、視触診 | 40歳以上の女性 | 年1回 | ・70歳未満:1,700円(個別・集団とも)・70歳以上:600円(個別のみ) |
大腸がん | 問診、便潜血検査 | 40歳以上 | 年1回 | 【集団】・70歳未満:300円【個別】・70歳未満:1,000円・70歳以上:300円 |
前立腺がん | 問診、血液検査(PSA検査) | 50歳以上の男性 | 年1回 | 【集団】・70歳未満:1,300円【個別】・1,300円(年齢制限なし) |
倉敷市のがん検診は、基本的には厚生労働省の指針に沿っています。独自の取り組みとして、子宮頸がん検診・乳がん検診ともに年1回受診できる点(指針では2年に1回)と、厚生労働省の指針にない前立腺がん検診の実施が挙げられます。
倉敷市のがん検診の無料クーポンは下記の通りです。
種類 | 対象者 | 無料になる検査項目 |
---|---|---|
子宮頸がん | 20歳女性 | 問診、内診、子宮頸部細胞診 |
乳がん | 40歳女性 | 問診、マンモグラフィ、視触診 |
また、次の方は減額あるいは無料でがん検診を受診できます(前立腺がん検診を除く)。 ・生活保護受給世帯の方 ・市民税非課税世帯の方
詳しくは倉敷市サイトでご確認ください。
下記は、倉敷市が実施した2015年度から2019年度の各がん検診の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 13.4% | 41.8% | 22.1% | 39.5% | 22.6% |
2016年度 | 7.9% | 17.7% | 7.7% | 17.7% | 6.9% |
2017年度 | 8.2% | 17.3% | 7.2% | 18.7% | 6.6% |
2018年度 | 8.3% | 17.1% | 6.5% | 20.0% | 6.0% |
2019年度 | 6.4% | 17.4% | 6.4% | 21.2% | 6.2% |
下記は、自治体主導のがん検診における2015年度から2019年度の日本全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 6.3% | 23.3% | 11.2% | 20.0% | 13.8% |
2016年度 | 8.6% | 16.4% | 7.7% | 18.2% | 8.8% |
2017年度 | 8.4% | 16.3% | 7.4% | 17.4% | 8.4% |
2018年度 | 8.1% | 16.0% | 7.1% | 17.2% | 8.1% |
2019年度 | 7.8% | 15.7% | 6.8% | 17.0% | 7.7% |
倉敷市のがん検診受診率は、子宮がん・乳がんは日本全体を上回っていますが、それ以外の検診は下回っています。受診率の推移をみると、日本全体ではすべての検診で年々低下していますが、倉敷市では2018年度以降の子宮頸がん検診、2016年度以降の乳がん検診の受診率に上昇傾向がみられます。この背景には、倉敷市では「女性の一般検診」(「7.倉敷市の健康増進への取り組み」参照)を行うなど女性の健康づくりに対する取り組みに力を入れていることも関わっていると考えられます。
2016年度から一部の受診率が顕著に低下している要因としては、地域保健・健康増進事業報告における受診率の算定法の対象者が変更されたことが考えられます。また、過去に国のがん検診推進事業として、大腸がん検診、乳がん検診では40~60歳の間で5歳おき、子宮頸がん検診では20~40歳の間で5歳おきに無料クーポンが配布されていました。しかし、2016年から大腸がん検診は事業の対象外になり、2017年から子宮頸がん検診と乳がん検診の無料クーポンは検診開始年齢(子宮頸がん検診20歳、乳がん検診40歳)のみになりました。これら無料クーポン対象外の影響が受診率低下につながっていると考えられています。このため、自治体によっては独自の無料クーポンを配布したり、キャンペーンを実施したりして、受診率向上に努めています。
がん検診の受診率向上やがん予防に向けて、倉敷市では次のような取り組みを行っています。
・肝炎ウイルス検査の実施 肝炎ウイルスは肝臓がんの主因のひとつであり、事前に適切な検査を受けることで肝臓がんのリスクを低減することができる。倉敷市では、職場などでの受診機会がない方、感染不安のある方を対象に肝炎ウイルス検査を実施している。検査には事前申請が必要で、費用は年齢や受診形態などによって異なる。
・倉敷けんしんガイド音訳版の作成 倉敷市では、がん検診や生活習慣病予防健診など、各種検診の情報をまとめた「くらしき検診ガイド」を作成し、市民への啓発・受診促進に努めている。また、印刷物を参照することが難しい人のため、音訳版も作成し、公式サイトに掲載している。
倉敷市では、国民健康保険に加入している希望者に対して一日人間ドックを実施しています。希望者は保険証など必要書類を準備の上、市の窓口で申し込みの上受診します。倉敷市の一日人間ドックの内容は下記の通りです。
【対象者】 40〜60歳および65歳の倉敷市国民健康保険被保険者で、国民健康保険料を完納している世帯の方
【自己負担額】 8,720円 ※子宮頸がん検診(2,590円)・乳がん検診(1,040円)・肝炎ウイルス検査(620円)は別途加算
年度ごとに募集定員があります。また、受診は倉敷市の提携医療機関からの選択になります。詳細は倉敷市サイトで確認してください。
「機能評価認定施設」とは、日本人間ドック学会が定めている「人間ドック健診施設機能評価」という評価基準をクリアした医療施設です。申請のあった人間ドック施設に対して日本人間ドック学会が受診者目線で審査している取り組みです。
審査項目には、「運営方針、組織の管理体制が確立しているか」や「検査の業務マニュアルは作成されているか」、「感染対策などの危機管理は徹底されているか」といった施設側の安全面に関する基準から、「受診者が快適に受診できるように配慮しているか」や「受診者のプライバシーに配慮しているか」といった受診者側に関する基準まで、多角的な評価基準があります。また、評価基準は5年ごとに改定され、更新審査が行われます。
全国390以上の医療施設が認定されており、このうち倉敷市内の評価機能認定施設は2021年12月現在で3施設あります。
マーソでは、機能評価認定施設から人間ドックのプランを探すことができます。くわしくはこちらをご覧ください。
倉敷市は健康寿命の延伸を目標に掲げ、さまざまな取り組みを行っています。
・「くらしき健康ポイント」の実施 健康づくりのための取り組み、健診や検診の受診などを通してポイントを貯めることができるポイント事業。ポイントを貯めると、市内事業所などで使用可能な特典カードと交換できる。また、貯めたポイントを利用して、賞品が当たる懸賞に参加することも可能。ポイントはスマートフォンアプリ・Web・参加用紙のいずれかの利用で貯めることができる。
・国保加入してなくても受診できる、女性のための検診 20〜39歳の女性を対象に、女性の一般検診を実施している。国民健康保険への加入に関係なく受診できることが特徴。個別検診のみで、受診費は900円。検査項目は、問診、内科診察、身体計測(身長、体重、BMI)、血圧測定、血液検査(中性脂肪、HDL・LDLコレステロール、貧血検査)、尿検査。
※本記事は2021年12月時点の情報を元に作成しています。