血小板
血小板とは?
血小板とは、血液中に含まれる成分で、血管壁が傷ついたときに、その傷口をすみやかにふさいで、止血する働きがあります。血小板の血液検査では、血液1㎝3に含まれる血小板の数を調べます。
血小板の検査の目的
血小板の血液検査では、血小板の数を調べることで、止血の機能を確認します。一般に、血小板の数が基準値より少なくなると、あざができたり、鼻血、歯ぐきからの出血が見られたりするようになります。一方で、基準値より多い場合では、血液中に血栓ができやすくなります。
血小板の検査で見つけられる病気
血液検査で血小板の数を調べることは、次のような病気の診断に役立ちます。
●再生不良性貧血
●急性白血病
●特発性血小板減少性紫斑病
●肝硬変
●慢性骨髄性白血病
●真性多血症
●播種性血管内凝固症候群(DIC)
●溶血性尿毒症症候群
等
血小板の検査の見方
医療機関によっては、血小板のことを「PLT」と略すことがあります。血液検査における血小板数の基準値は、血小板数:14.5~32.9 104/μl(マイクロリットル)です(日本人間ドック学会より)。
血小板の数が基準値よりも低い場合は、特発性血小板減少性紫斑病や急性白血病、肝硬変などが疑われます。また、基準値よりも高い場合は、慢性骨髄性白血病などが疑われます。
人間ドックが受診できる医療施設を探しましょう。予約数が多い施設から探す「予約数順から探す」、
エリアから探す「都道府県で医療施設を探す」「プランを詳細検索する」の3つの切り口から探すことが出来ます。
血小板の長所/短所
血小板数を調べる血液検査では、採血で手軽に行うことができます。医療機関によっても異なりますが、血小板の血液検査は採血から通常1時間程度で結果を確認できます。
人によっては、採血の際に注射針による痛みを苦痛に感じる人もいるでしょう。採血で極度にストレスを感じると、副交感神経が緊張して、まれに冷や汗、低血圧、顔面蒼白、吐き気などの症状が現われることがあります(「迷走神経反射」といいます)。
採血では、消毒綿や手袋、注射針のなどの物品を使うため、アレルギーを起こす可能性もあります。特に、アレルギーでよくみられるのが、感染予防に使用されるアルコール綿です。アレルギーに心の当たりのある人はあらかじめ、採血を担当する医療スタッフに伝えるようにしましょう。
また、採血の手技によっては神経損傷が生じることがあります。神経損傷は、注射の針先が神経に触れることで起こります。採血時にピリッとした刺激を感じたときは、採血の担当スタッフに伝えるようにしましょう。採血による神経損傷の多くは、2~3ヶ月で自然に治ります。
なお、採血後にアザなど皮下血種ができることがありますが、数日以内で自然に吸収されます。
血小板の流れ
血液中の血小板の数を調べるためには、採血が行われます。ここでは、腕からの採血の具体的な流れについて説明します。
1. ひじの内側など血管がはっきりと確認できる部分を露出させ、専用の小さな台に腕を乗せる。
2. 上腕部を「駆血帯」と呼ばれるひもやベルトで締める。
3. アルコール綿で消毒し、注射針を刺す。
4. シリンジ内の検体が血液でいっぱいになったら、アルコール綿で抑えながら針を抜く(ほかの項目の血液検査を行うために、複数の検体を取ることがある)。
5. 注射した部位に絆創膏を貼る。血が止まるまでの数分間、自身で圧迫しておく。
6. 完全に止血したら、絆創膏を剥がす。
この記事の監修ドクター

マーソ株式会社 顧問
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。

2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)