尿糖検査
尿糖検査とは?
尿糖検査とは、尿検査のひとつで、試験紙を用いて尿中に含まれているブドウ糖を調べる検査です。糖尿病などのリスクを判断します。健康な身体であれば、尿から糖はほとんど排出されませんが、腎臓の機能異常が疑われるときや血糖値に異常が見られる場合は、尿中へ糖が漏れています。
ただし、ステロイド薬の服用や、妊娠している場合なども、尿糖検査の数値が悪くなる場合もあります。疾患を判断する場合は、尿糖の陽性・陰性だけでなく血糖値の高低も合わせて見比べることで、より詳しい予測を行います。
尿糖検査の目的
尿糖検査の目的は、尿中に少量しか存在しないブドウ糖を調べることで、糖尿病や腎性尿糖のリスクを判断することです。身体的負担が少ない検査方法のため、スクリーニングに有用です。
ただし、この検査だけで糖尿病という判断はできません。糖尿病の追加検査として、ブドウ糖負荷試験や血糖値の検査を行い、糖尿病の診断をします。
尿糖検査で見つけられる病気
尿糖検査は、次のような病気の診断に役立ちます。
陽性(+)の場合
・腎性尿糖
・糖尿病
・副腎疾患
・下垂体疾患
・膵炎
・妊娠
等
尿糖検査のタイミング
尿糖検査に使用する尿を採取するタイミングで以下のことがわかります。
<起床直後>
寝ている間の血糖値が反映されるため、糖尿病のコントロールができていないことをさします。
<朝食前>
起床直後にトイレへ行き、朝食前に採取した尿は1日のうちに最も血糖値が低い尿を調べることになります。この尿が陽性の場合、血糖値のコントロールができていないことをさします。
尿糖検査の見方
尿に糖が含まれている場合 陽性(+)
尿に糖が含まれていない場合 陰性(-)
また、尿糖が陰性で血糖値が高い場合はビタミンCの影響、尿糖が陽性で血糖値が低い場合は腎性糖尿や妊娠、尿糖が陽性で血糖値が高い場合は糖尿病、膵炎、ステロイド薬の影響などが考えられます。このように、血糖値の結果を踏まえながら総合的に判断します。
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尿糖検査の流れ
尿糖検査では、ビタミンCが多いと検査内容の正確さがかけてしまいます。そのため、検査前日にはビタミン剤の服用やサプリメントを控えるようにしましょう。
1. 採尿
2. 尿検査試験紙を尿に約1秒間つける
3. 変色した試験紙を判定表で判定
この記事の監修ドクター

マーソ株式会社 顧問
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。

2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)