吐き気
吐き気のメカニズム
吐き気とは、腹部や胸部の不快感、嘔吐しそうになる感覚のことをいいます。吐き気をもよおしてから、実際に吐き出すことを「嘔吐」と呼び、身体から異物を吐き出すための防御反応の一つです。
吐き気の原因は、消化不良や消化器系疾患だけではありません。脳疾患や耳鼻科領域疾患などでも起こります。また、ストレスや精神的な問題から吐き気をもよおすこともあります。
吐き気とともに発熱がある場合は風邪症候群やインフルエンザ、頭痛がある場合は脳出血やくも膜下出血・脳腫瘍、胃の痛みがある場合は胃潰瘍・胃炎などを疑います。長時間吐き気があり、食事を取れない状態が続くと低栄養や脱水状態になるため注意が必要です。
吐き気が続く場合や突然の嘔吐があったときに考えられる病気
脳出血、脳梗塞、くも膜下出血、脳腫瘍、メニエール病、慢性胃炎、逆流性食道炎、急性胃炎、急性腸炎、胃潰瘍、胃がん、虫垂炎、腹膜炎、うつ病、パニック障害、過食症、腸閉塞、突発性難聴など
吐き気が続く場合、原因究明のための検査
吐き気が続く人におすすめの検査項目は以下のものがあります。
血液検査
胃に腫瘍ができていると高値を示す腫瘍マーカーであるCEAなどを検査します。
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ウロビリノーゲン検査
腸閉塞が起きていないか尿ウロビリノーゲン検査を行います。
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頭部MRI検査
脳腫瘍の有無や脳出血・脳梗塞の有無を検査します。
「頭部MRI・MRA検査」についてもっと詳しくみる→
胃内視鏡検査(胃カメラ検査)
鼻または口から胃カメラを挿入して、胃粘膜や食道粘膜に潰瘍や腫瘍ができていないか検査します。
「胃内視鏡検査(胃カメラ検査)」についてもっと詳しくみる→
胃レントゲン検査(胃バリウム検査)
バリウムという造影剤を飲んで、エックス線を当て画像形成をおこないます。画像から胃の粘膜に凸凹ができていないか検査します。
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頭部CT検査
頭部にエックス線を当てて、脳血管の形などを検査します。
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この記事の監修ドクター

マーソ株式会社 顧問
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。

2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)