下腹部の痛み
下腹部が痛むメカニズム
お腹の中でも、へそより下方を下腹部と呼びます。下腹部が痛いとひとことで言っても、下腹部全体が痛いのか、左右どちらだけが痛いのかで原因が異なります。
左の場合は、S状結腸や大腸などの臓器の痛みで、消化不良や便秘などが原因です。右の場合は、盲腸や大腸など臓器の粘膜に炎症を起こすことが理由で痛みます。
また自覚症状の有無でも変わってきます。下痢のようにぐるぐるした音がする場合は、大腸系の疾患が疑われます。お腹に何かが刺さるような鋭い痛みを感じる場合は、腎臓系の疾患が疑われます。今まで、何も自覚症状がなかったのにかかわらず、激しい痛みを感じる場合は結石や腸閉塞などが疑われます。そして、長期間違和感や痛みが続く場合は、悪性腫瘍やポリープの存在が疑われます。
下腹部が痛い場合に考えられる病気
下腹部の痛みが続くときは、以下のような病気の可能性があります。
虫垂炎・S状結腸炎、腸炎・腸閉塞・消化管穿孔・過敏性大腸炎・潰瘍性大腸炎・結石・膀胱炎・卵管炎・子宮外妊娠など
下腹部が痛い場合に、原因究明のために行う検査
下腹部が痛い場合、原因究明のために行う検査には、以下のような検査があります。
便潜血検査
便を採取して便の中に血液が含まれていないか検査をします。腸内にポリープや腫瘍・潰瘍があると陽性反応が出ます。
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腹部CT検査
腹部にエックス線を当てて、断層画像を作成します。結石の有無や腸閉塞などがわかります。
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尿検査
尿蛋白や尿糖、血尿を調べて腎臓の機能や炎症の有無を調べます。さらに、尿ウロビリノーゲンを調べて腸閉塞の有無を検査することも可能です。
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「尿ウロビリノーゲン検査」についてもっと詳しく見る→
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大腸内視鏡検査
肛門から内視鏡カメラを挿入して、大腸内に腫瘍やポリープ、潰瘍がないかを視診していきます。
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この記事の監修ドクター
マーソ株式会社 顧問
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)