2017.1.5
人間ドック前日の食事

人間ドックの前日、食事を食べてしまったらどうすればいいの?【人間ドック前日シリーズ Vol.3】

前日の21時以降に食事してしまった場合

Empty plate after eating on the table
人間ドックは、食事や飲酒、運動、入浴などさまざまな項目に関して、前日から制限が必要になるケースがある。「人間ドック前日シリーズ」第3回は、人間ドック前日にルールを破って食事をしてしまった場合について解説する。

人間ドック前日は、決められた時間までであれば飲食することが可能である。翌日の朝から検査を受けるケースでは、前日の21時までに食事を摂るように指示されることがほとんどだ。ただ、翌日に人間ドックがあることを忘れ、21時以降に食事をしてしまうことも十分にあり得る。そんな時はどのように対処すればいいのだろうか。

前日の食事が検査に与える影響

人間ドック前日に食事を摂ってしまうと、いくつかの検査に悪影響が及ぶ可能性がある。最も顕著に影響が現れる検査は、上部消化管内視鏡検査や造影剤としてバリウムを使用する上部消化管造影検査だ。前日に食事を摂ってしまうと、検査時も消化活動が続き、胃が活発に運動することになる。また、胃内部に食物があること自体が内視鏡やエックス線での視野を狭めてしまう。

さらに、食事の内容にもよるが、血液検査にも少なからず悪影響が及ぶことがある。人間ドックの前日に脂質の多い食物や添加物の豊富な飲料などを摂取すると、血液の成分で異常値を示す検査項目が現れることがある。

対処策は「食事を摂った時間や食事内容を正確に伝える」こと

人間ドックの前日に飲食をしてしまった場合は、まず、検査を実施する医療機関に伝えなければならない。

  • 食事を摂った時間
  • 食事の内容

などを正確に伝えることが重要だ。

食事を摂った時間や内容によっては、そのまま検査を受けることができる場合があるが、ケースによって、食事をしたことが影響しない検査のみ実施し、後日、別途検査する場合もある。その判断は人間ドックを実施する医療機関に委ねられるため、受診者ができることは食事を摂った事実を正確に伝えることだけということになる。

安里 満信(あさと みつのぶ)
この記事の監修ドクター
あさと医院 院長
医学博士、日本救急医学会専門医

Colorda編集部