編集部が受けた遺伝子検査キットは、Yahoo!ヘルスケアが販売している「HealthData Lab(ヘルスデータラボ)」。検査結果はまさに未知との遭遇。遺伝子レベルでも個性あり、特徴それぞれ。大冒険の始まりにあたって、Colorda編集部はパーティとして機能しているのかを探るべく、まずはメンバーをファンタジー職業に当てはめてみた。
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職業で見ると、バランスのよいパーティになったね。
だからチームワークいいのか! でも全員、痛風のリスクが高いって…。
RPG的には、冒険後は酒場に寄らず、宿屋に直行!?
勝利の宴はほどほどに、だね。ひとまず総合力があるとわかったところで、私たちが実際に遺伝子検査を受けてみてわかったことや率直な感想をお伝えします!
遺伝子検査でわかるのは、「あなたのリスク」ではなかった
検査項目は2017年6月現在、290項目だ。「HealthData Lab」では、項目は大きく4種類に分けられており、このうち「体質」はさらに3種類に分類されている。
- 健康リスク(103項目)
- 体質(184項目)
- └体の特徴(78項目)
- └食品・異物への反応(23項目)
- └血液成分など(71項目)
- └性格の特徴(12項目)
- 研究対象項目(2項目)
- 祖先解析(1項目)
遺伝子検査でわかることは個々人のリスクや体質ではなく、「同じ遺伝子型を持つ集団の病気のリスクや体質がわかる」という点。これは、日本で出回っているほとんどの遺伝子検査サービスで共通している。
また、「HealthData Lab」では、検査結果はすべてオンライン上の「マイページ」で確認できる。
これって確かに間違いやすいポイントだよね。「あなたのリスクは〇%です」っていう結果が出るものだと思ってた。
遺伝子検査でわかることはいろいろあるけれど、「あなたのリスク」ではなく、「あなたが所属する遺伝グループのリスク」ってことなんだね。
あと、結果はレポートが郵送されてくるのかと思っていたけど、オンラインなんだね。
「新しい研究成果が報告された場合、結果が変わる可能性があります。」とある。自分の遺伝子情報は変わらないけれど、3年後とか5年後にマイページを見たら新たな解釈が記載されているかもね。
唾液で遺伝子検査、どきどきしたら結果は変わるもの?

唾液の採取がなかなか大変だった…。レモン画像や梅干し画像を検索して、唾液をためたよ。余計な成分が出て結果が変わっちゃうことってあるのかな。
リラックスして唾液を採取するみたいなことが書いてあったよね。どきどきしたら結果が変わるのかと思ってどきどきしちゃったよ。
遺伝子情報は不変なんだから、酸っぱい画像を見ようがどきどきしようが、成分が変わることなんてないって。
勢い込んだわりには10分くらいで返送準備完了して拍子抜けしたな。
圧倒的な日本人サンプル数から、リスクがわかる
「HealthData Lab」では、アウトラインで下記がわかる。
たとえば、「健康リスク」の各項目のページはおもに下記で構成されている。
「日本人平均と比較したリスク」は〇倍といった形で表示されている。これは、「標準的日本人集団として、HealthData Labモニター1万人分のデータ」から導き出されている数値。この表示は「健康リスク」103項目のうち7割以上の項目で記載されており、残り3割の項目と、「体質」184項目および「研究対象項目」(※1)2項目については、「低め」「一般的」「高め」(※2)といった3タイプのうちどこに属するかがわかる。
遺伝子情報は、遺伝子型とその解説で構成されている。すべての遺伝子型は、3つの型にわかれる。たとえば、AA、AT、TTという遺伝子型のうち、自分の属する遺伝子型とそれが日本人の何%にあたるのかがわかる。
※1 信頼できる研究報告がまだ確認できていないが、さらなる研究・調査のために表示している項目で、現状では「お肌のシワ」と「敏感肌」の2項目。
※2 ほかに「一般的」「高い」「より高い」など、タイプの種類は各項目の根拠となる参考論文に合わせた表記になっている。
あ! そういえば3年くらい前にYahoo! JAPANで遺伝子検査のモニターを大々的に募集していたね! 夫が応募して落選していたけど。
私も記憶にある。あのときの独自モニターのサンプル数が「日本人平均と比較したリスク」の算出に役立っているのね。データの信頼性は高いと言えそう。
基本的には遺伝子型は3つの型しかないんだね。両親の遺伝子型がAAとATだったら、子の遺伝子型はAAの確率が4分の3で、ATの確率が4分の1ってことだよね。血液型みたいな話。
あと、「健康リスク」では、項目によっては「リスクを減らすためにできること」と「遺伝要因の影響度」の記載もあるね。
自分は何者? どこからやってきた? ルーツがわかる祖先解析
祖先解析は、母系遺伝子による研究結果の項目だ。いつどこで誕生し、どのように拡散していったのかといった傾向を知ることができる。現状、人類は23タイプとその他の計24グループに分けられており、自分がどのグループに属するかがわかる。
なんと、編集部4人中3人ともGグループ。Gグループの日本人割合は7%とあるのに、ここでは75%。同じグループの人が多いからチームワークがいいのかなと思った。
Gグループは比較的新しい時代に誕生し、日本には、北方や朝鮮半島を経由して入植したと考えられる、と。比較的新しいと言っても約2万6000万年前。
私も7%でAグループ。全員希少種だね。でも似た者同士が相性悪いこともあるから、グループは異なるほうが案外相性いい可能性も…?
え。ダンジョンとかで仲間割れになったらつらいなぁ。でもこれって飲み会なんかのネタにいいよね。
痛風手前メンバー多し!? もっとも衝撃を受けた項目を発表!
それぞれ、もっとも衝撃だった結果ってある? ちなみに私は「(真性)睡眠障害」で、リスクは日本人平均の3.14倍、同じ遺伝子型を持つ日本人の割合は4.8%。全リスクの中で2位にランクインしてる。「日中に突然強い眠気に襲われてしまう睡眠障害の一つです。」とあるんだけど、ものすごく自覚ある。とくに20代の終わりごろ、自分でもおかしいんじゃないかと思うくらいひどかったんだよね。ランチ後の眠さとはレベルが違って、目が開けていられないことが1時間くらい続くの。まわりから見ても不思議だったと思う。「大丈夫?(笑)」みたいな感じで言われてた。毎日じゃないけど、いつくるかわからなくてちょっとおびえていた時期があったなぁ。
聞くのがこわいけど、仕事どうしてたの?
それがちょうど海外留学中だったんだ。授業中だったり友人と遊びに出かけている最中だったりいろいろだったけど、まぁ仕事じゃないから「大丈夫?(笑)」で済んでた。この結果を見て、あぁ、こういうことだったのか!とハラオチしてうれしかった。RPG的には、「強力な眠りの魔法」が使えるけど、自分も一緒に寝ちゃうやつだね。
ドジな魔法使いだ~。僕は「痛風(腎負荷型)」で、リスク3.9倍、日本人割合8.4%。以前から健康診断で、尿酸値が高いことはわかっていたけど。今回の遺伝子検査で、体質的に尿酸をつくりやすいことがわかってスッキリ。プリン体の摂取量を減らしても尿酸をつくりやすい体質なのであまり効果はない、ならば排出を促せばよい、というアドバイスはすごく参考になった。これから毎日、水をたくさん飲むぞ!
冒険後の酒場ではチェイサー必携だね。私は同じ痛風でも型違いの「痛風(腎排泄低下型)」が、健康リスクの結果でもっとも高リスクで衝撃だった。リスク1.6倍で日本人割合32.5%。お酒好きだし、お酒に合うつまみも大好きだから、なんとなくわかってはいたけど、女性なのに…。私もあらためないと本当にやばいと思った。
私の高リスク項目は「痛風(腎負荷型)」と「痛風(腎排泄低下型)」のダブルパンチ。子どものころ、父が痛風で苦しんでいるのを見ているので本当に嫌な予感しかしないよ。
みんなどんだけ痛風手前…。かくいう私も高リスク1位は痛風(腎負荷型)なんだけどさ。
腎負荷型の場合、食事から摂取する2倍量の尿酸が新陳代謝やエネルギー消費によって体内でつくられるって。どういう錬金術かと思った。まじめに対応しないと将来が怖いから、今のところ水分摂取量を増やしている。
KくんとNさんはさっそく行動に移してるね。「健康リスク」では、項目によっては「リスクを減らすためにできること」が表示されているから、参考にしたいね。…なんて悠長なこと言っている場合じゃなく、本気で実践しなきゃと焦ってる!
関係ないけど、「尿内のアスパラガス臭をかぎ分ける能力」って、項目自体が衝撃だった。何この項目。
わかる! しかも「尿中のアスパラガス臭を感じることができる可能性がより高めのタイプ」っていう日本人割合3%の希少生物に属しているのに、かぎ分けられない自分…。
私、「一般的なタイプ」だけどじつはかぎ分けられる。
!!!
さすが、“そこそこオールマイティ”な僧侶。で、どんなにおい??
んー難しいけど、夏の草むらのむわむわ感っていうのかな。
あーなんとなくわかる。
あ、もっと近いのある! 夏場、缶詰めのホワイトアスパラガスの汁をテーブルに出しっぱなしにしたにおい。これがもっとも近い。
ぜんぜんわかんなかった…。
編集部メンバーアクション宣言
遺伝子検査の結果を受けて、編集部メンバーの意識はどう変わった? それぞれのアクション宣言を見てみよう。
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おまけ:編集部選! まだまだある、こんな項目あんな項目
編集部メンバーそれぞれが、知りたかった、おもしろかった、役に立った項目をピックアップ。「こんな項目がわかるんだ~」のご参考に!
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- 肺がん:リスク0.78倍
- 父が肺がんになったけど私はリスクが低かった。ちなみに母がなった脳梗塞のリスクも低い。つまりは…生活要因が大きそうなので油断はできない。
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- アトピー:リスク1.26倍
- はい、知ってます。生まれた時からアトピーだもの。やはり遺伝子要因が強いものもあるんだな。
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- 色素斑(そばかす):しみ・そばかすやほくろの数は多めのタイプ
- 遺伝子型では「より多め」のタイプで、日本人割合7%と少数派。確かに、しみ、そばかす多め。ついでに日焼けにも弱いタイプと出ているから、UVケアはやらなくちゃ!
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- 試行錯誤学習(学習能力):試行錯誤学習があまり効率的でないタイプ
- なんか残念。確かに、同じ失敗やりがちです…。
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- 聴力/聴覚を司る脳部位の大きさ:高めのタイプ/表面積が大きめのタイプ
- このふたつの項目から見て、かなり耳がよさそう。そういえばイントロドンが超得意!
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- 鉄欠乏性貧血:リスク1.53倍
- 心当たりあります。調子が悪いと常にふらふらするので、鉄分サプリは欠かせない。やっぱりなあ、という感じ。
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- BMI:高めのタイプ
- 身体の特徴を言い当てるとはおぬし、見てたな…。「より高めのタイプ」ではなかったからまだ救われるのだろうか。
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- テロメア長:長めのタイプ
- 長生きするのに遺伝子的にはOK! あとはそうですよね、生活習慣病が足引っ張るのよね。努力こそが長生きの秘訣かも。
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- 耳垢のタイプ:乾いたタイプ
- 左が湿ってて、右が乾いているので、ハーフ&ハーフとおもいきや、実は乾いているタイプとのこと。でも遺伝子でこんなのわかるのかと驚き。
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- 食事に対する自制力:女性では食べ過ぎの傾向が高めのタイプ
- 遺伝子の叫びに正直に生きていたのかと感心した。これ以上この叫びに影響されないように意識したい。こら、遺伝子!
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- ノロウイルス耐性:耐性がないタイプ
- 遺伝子ってこんなことまでわかるのか。でも日本人100%が同じ遺伝子型とある。「耐性のあるタイプ」の人種を知りたい。うらやましいぞ!
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- 緑内障:リスク1.51倍
- 父が緑内障で年々視野が狭まっているらしい。この結果を見て危機感。マイページのアドバイスどおり、もう少し歳を重ねたら眼科検診を受けるようにしたい。
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- 潰瘍性大腸炎:リスク0.67倍
- 胃腸が丈夫なのではと、うすうす気づいてはいた。数値で出たので素直にうれしい結果。これからも、からいものを食べまくります!
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- お肌のシワ:シワの出来やすさが一般的なタイプ
- 指標は「よりできにくい」「できにくい」「一般的」で、このなかではもっともできやすいということに。わーん。
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- 痛風(腎負荷型):リスク3.9倍
- 女性なのに、まさかの痛風リスク。「腎負荷型」だから、摂取も排出も両方意識せねば…。
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- 母乳育児によりIQがあがる可能性:母乳育児によってIQが上がるタイプ
- なんじゃそりゃー!な項目。ほとんどミルクで育ったと聞いているので、惜しかったなー。言い訳に使えますね。いやほんと惜しかった!
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- 心臓発作:リスク1.95倍
- そうなんだ!的な項目。親族で心臓発作の話は聞かないので、新発見。心臓発作の予防は、生活習慣および、高血圧と糖尿病の改善。生活習慣に気をつけていてよかった。
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- 海馬容積:大きめのタイプ
- 大きめだとわかって素直にうれしかった項目! ボケる心配は少なそうだ。
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- 虫歯:平滑面虫歯のリスクが高めのタイプ
- 小さいときから歯医者にはよくお世話になっているが、遺伝子的にも高いと知ってすっきり!おいしいものをずっとおいしく食べたいので、定期的に歯科健診へ行こう。
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- 肺腺癌:リスク1.31倍
- リスク高めでびっくり! 禁煙してよかった~と思いきや、喫煙者じゃなくてもかかるのが肺腺がんだとか。人間ドックでの早期発見がカギ。
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- 勃起不全(ED):リスク0.79倍
- EDのこともわかるんだ! リスクが低いと知ってホッとしました…。
Vol.1 “未知なる自分”のオンパレード、遺伝子検査で健康意識は変わる?Vol.2 まだまだ疑問だらけのあなたに贈る、ハラオチする“遺伝子検査との向き合い方”Vol.3 遺伝子検査が世界を変える!? もっと知りたい、ゲノム最前線&未来予想図