2016.11.17

チョコレートが脳卒中の危険度を下げる

チョコレートを食べれば食べるほど、脳卒中の危険度がダウン!?

the chocolate bar on the wooden table
チョコレートに長寿の効果! 120歳まで生きることも可能?」で紹介したが、チョコレートは、ポリフェノールが豊富な抗酸化食材だ。ポリフェノールの一種「エピカテキン」は、ワインやお茶よりも吸収力に優れている。またカカオには、血中コレステロール値を下げる効果や、虫歯を抑制してくれる効果、さらには動脈硬化、糖尿病、がんなど多くの病気の引き金になる酸化ストレスを抑制する働きもあり、日々の生活にチョコレートをうまく取り入れることは長生きにつながる可能性が高い。

さらにチョコレートは、脳卒中のリスクを減らすことがわかってきている。スウェーデンのカロリンスカ研究所のラーソン博士らが45〜79歳のスウェーデン人男性37,103人を約10年間追跡調査した結果、チョコレートの消費量が最も多かった群の男性はチョコレートをまったく消費していなかった群の男性に比べて脳卒中の危険度が17%も低下していることが明らかになった。さらに解析を進めるとチョコレートの消費量が50g増えるごとに脳卒中危険度が14%低下したのだ。

「チョコレートを食べるとハッピーになる」ことが判明! うつ病予防にも

中村学園大学栄養科学部の青峰正裕教授は、ネズミの脳にエピカテキンを与えると、脳のなかのセロトニンの放出量が増加することを見出だした。うつ病を発症すると脳内のセロトニンの放出量が低下することが知られている。さらにその作用機序を調べると、エピカテキンにはうつ病に使われているSSRI阻害薬(選択的セロトニン再吸収阻害薬)と同じような作用があることがわかった。つまり、チョコレートを食べて幸せな気分になる理由のひとつに、精神を安定化させるセロトニンの作用を高める作用があったのだ。

ただし、砂糖がたっぷりの甘いチョコレートをたくさん食べると確実に体重が増し、肥満症を発症したり糖尿病が悪化したりするのでおすすめできない。そこで、「カカオ70%のビターチョコレート50gを食事の20分前にゆっくり食べる」という食べ方がおすすめだ。「食事の前にゆっくり」には、満腹中枢を刺激する狙いがある。満腹中枢が刺激されると食事の摂取量が減少することが知られている。


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Colorda編集部