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2016.6.23

Vol.2 健診、検診、人間ドック…違いを知っていますか?

健診は身体全体、検診は個別の部位、では人間ドックは?

Man in Scanner

最近では国の医療費が高騰し、病気の早期発見による医療費削減が叫ばれています。国や各自治体がいろいろな「検診」に力を入れ始めていますが、みなさんは「健診」と「検診」の違いを知っていますか?

「健診」とは、健康診断のことを意味し、健康状態、生活習慣病による病気のリスクを確かめるものです。身体全体をひととおり調べることが一般的で、各自治体が行う特定健診や生活習慣病健診、企業ごとに定められた企業健診があります。

「検診」は、特定の病気(がん等)を早期に発見し、早期に治療することを目的としています。個別の部位を深く調べることが一般的で、各自治体などで行う乳がん検診や子宮がん検診、胃がん検診などがあります。

また、それぞれ個人の受け入れを行っている医療施設もあります。

ちなみに、「人間ドック」は「健診+検診」と考えるとわかりやすいでしょう。日本人特有の発症リスクや死亡リスクを踏まえ、各医療機関が独自にコースを設定していることがほとんどです。最近では企業健診の際に検診や人間ドックを選択できることがあるので、ぜひチェックしてみてください。

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役割や目的を理解することで、さらに意味のあるものに

死因順位(1~4位)別死亡数・死亡率(人口10万対)平成24年 概数

第1位 第2位 第3位 第4位
悪性新生物 心疾患 肺炎 脳血管疾患
死亡数 死亡率 死亡数 死亡率 死亡数 死亡率 死亡数 死亡率
360,790 286.4 198,622 157.7 123,818 98.3 121,505 96.5

(厚生労働省「平成24年人口動態統計月報年計(概数)ⅰ」第7表)

日本人の死因別を例に、健診および検診の役割や目的を見てみましょう。

みなさんもご存じのとおり、死亡率第1位は悪性新生物(がん)です。健診は健康状態、生活習慣病による病気のリスクを確かめるものですから、がんに注目する場合に重要なのは、検査の異常値などから自分の健康状態を把握する、ということになります。一方、検診はがんを発見するために行うもの、と言えます。

もう一例取り上げてみます。死亡率第2位と4位の心疾患、脳血管疾患の数値には、動脈硬化が進行し、心筋梗塞、脳梗塞によって亡くなる方が多く含まれます。動脈硬化に注目する場合、健診が果たせる役割としては、喫煙などの危険因子、高血圧や高脂血症および糖尿病などの生活習慣病を把握することです。それらを踏まえ、重篤な心疾患や脳血管疾患に至らないよう、生活習慣を改善したり治療したりすることが目的です。もうおわかりかと思いますが、ここにおける検診は、心疾患や脳血管疾患を発見することが主目的になります。

健診および検診を受診する際には、検査を受ける目的をはっきりと認識し、その結果をどのように健康につなげるかを意識してみてください。

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Colorda編集部