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高血圧

高血圧とは?

高血圧とは、一般的に、医療機関で測定した収縮期血圧(上の血圧または最高血圧)が140mmHg以上、または拡張期血圧(下の血圧または最低血圧)が90mmHg以上の状態を指します。

血圧とは血管にかかる圧力のことです。高血圧では、血管にかかる圧力が高くなっているので、血管がそれに抵抗しようとして動脈硬化になることがあります。動脈硬化が進行すると全身の臓器に影響が出て、狭心症や心筋梗塞、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、慢性腎臓病(腎不全)など命に関わる病気を発症する可能性が高くなります。日本人は塩分摂取量が多く、近年では肥満の人も増えているため、高血圧になりやすいと言われています。

高血圧の種類

高血圧は、「本態性高血圧」と「2次性高血圧」に分けられます。

本態性高血圧

高血圧のうち原因がはっきりしないものを本態性高血圧と言います。全体の90%を占めています。塩分の摂り過ぎや肥満、喫煙、ストレスなどが複合的に影響していると考えられています。

2次性高血圧

血圧が上がる原因が明らかなものを2次性高血圧と呼びます。原因は、甲状腺や腎臓、副甲状腺などに病気がある場合です。原因となる病気の治療を行うと、血圧が下がる可能性が高いです。

高血圧の罹患率・死亡数・死亡率

厚生労働省の「平成28年国民健康・栄養調査」によると、高血圧の罹患率は、20歳以上の男性で34.6%、女性で24.8%と報告されています。つまり、国民の3人に1人は高血圧であるといえます。

また、同じく「平成28年(2016)人口動態統計」によれば、高血圧性疾患による死亡者数は6,841人(人口10万対)、死亡率でみると5.5%でした。

高血圧の症状

自覚症状はほとんどありませんが、まれに、耳鳴りや頭痛、めまい、肩こりなどの症状が出ることがあります。

高血圧を長い間放置していると、狭心症や心筋梗塞、くも膜下出血、脳出血などの合併症を引き起こすことがあります。そのような場合には、胸痛やめまい、頭痛、意識障害などの症状が出ます。命に関わる危険もあるので注意が必要です。

高血圧の原因と予防法

高血圧の原因には多くの要素があります。

塩分の摂り過ぎ

塩分を過剰に摂ると、血液中の浸透圧が高くなるため正常に保とうと血管内にたくさんの水分が引き込まれます。結果的に、血管内の血液量が増すので血管の壁を押す力が強くなり、血圧が上がります。日本食は、味噌、醤油、塩などを調味料として使用することが影響し、世界的に見ても、塩分摂取量が多いといわれています。厚生労働省の「平成29年 国民健康・栄養調査」によると、日本人の平均塩分摂取量は男性で10.8g、女性で9.1gでした。厚生労働省は目標の塩分摂取量を1日8g、世界保健機構 (WHO)は1日5g未満を推奨しています。

肥満

肥満は、糖尿病、高血圧、脂質異常症、心臓病、脳卒中などさまざまな病気の原因となります。

運動不足

適度な運動は、血圧を下げるホルモンを分泌させるといわれています。

野菜や果物不足

野菜や果物には、カリウムやカルシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。カリウムは血液中の塩分を体外に排出する役割があります。

ストレス・睡眠不足・疲労

ストレスや睡眠不足、疲労が続くと、交感神経のはたらきが活発になり、高血圧になる可能性があります。

飲酒・喫煙

過度の飲酒は交感神経を刺激して血圧を上昇させます。また、喫煙は血管を収縮させ血圧を上げます。

加齢・体質

65歳以上の3人に2人が高血圧です。加齢は動脈硬化を促進させるので、高血圧の原因になります。また、体質的に塩分の影響を受けやすく、血圧が上昇しやすい人もいます。

疾患

甲状腺や腎臓、副腎などに疾患があると、高血圧の原因となります。

予防するには、食事面ではバランスのとれた食事を心がけること、とくに濃い味つけが好きな人は減塩を意識するとよいでしょう。喫煙者は禁煙がおすすめです。また飲酒量を減らし、適度な運動を取り入れるとよいです。

高血圧になりやすい人

●濃い味つけを好む
●野菜や果物はあまり食べない
●運動不足
●家族に高血圧の人がいる
●ストレスが多い
●お酒をたくさん飲む
●タバコを吸う
●血糖値が高いといわれたことがある
●肥満
●揚げ物や肉の脂身などが好き

高血圧を調べる検査

診察室血圧測定

医療施設で測定する血圧のことを診察室血圧測定といいます。医療施設に来ると緊張して、いつもより血圧が高くなってしまう人がいますが、それを白衣高血圧と言います。自宅と医療施設での血圧測定値の違いが大きい場合には自宅で測定した血圧を参考にします。
「血圧検査」についてもっと詳しく見る→

家庭血圧測定

自宅で測定する血圧のことを家庭血圧測定といいます。日ごろから自身の血圧を把握しておくため、日本高血圧学会は家庭血圧測定を推奨しています。理想的な方法は、1日2回(朝・晩)の測定です。朝の測定は起床後1時間以内で朝食前、排尿後、座位で1~2分安静後、朝食前が理想です。晩は就寝前、座位で1~2分安静後に測定しましょう。家庭では診察室よりも低めの血圧になることが多いので、135/85mmHg以上のときに高血圧と診断します。血圧計は上腕で測定するタイプがよいと言われています。
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24時間自由行動下血圧測定

自動血圧計を身体につけて、15~30分ごとに血圧を測定します。日常行動に伴う血圧の日内変動を把握できます。早朝に血圧が高くなる早朝高血圧だけでなく、寝ている間に高血圧になる夜間高血圧、職場で高血圧になる職場高血圧なども診断できます。
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この記事の監修ドクター

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
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