MRSOインタビューの第2弾は、「ミスター・パーフェクト」として知られる元プロ野球選手の槙原寛己さん。今回は、全身のがんを診断することができるPET-CTがんドックを受診してもらいつつ、毎日の健康管理法などについてお話を伺いました。現役引退から10年以上経った今も現役時代と同じ体重を維持しているとのことだけあって、健康への意識の高さや行動力など、参考になることばかりです!
人間ドックは毎年受診
異常を指摘されたことはなし
秋晴れの日、クリニックにやってきた槙原寛己さん。引退してからも毎年人間ドックを受けているというだけあって、リラックスした様子です。
「プロ野球選手のときは球団が受けさえてくれていましたが、引退してからは全て自分でやらなければなりません。なので、検査をしてくれるというテレビ番組には積極的に出るようにしているんですよ(笑)。現役時代はそれだけ恵まれた環境だったということですよね」
健康への意識が高く、そのための努力もしている槙原さんですが、自分の健康に対する不安もあるそうです。
「現役を引退して14年。これまで人間ドックで異常などを指摘されたことはないんですね。そのため『自分は大丈夫だ』と過信してしまっているところがあると思う。年齢的にもそろそろ心配なことが増えてくるので、今回全身しっかり調べることができて良かったです」
体への負担が少ないPET-CT検査
これなら精神的にもかなり楽
今回は、PET-CTがんドックで全身のがんをチェック。PET-CTは脳を含む全身の微小ながんを見つけることができる検査で、身体的な負担が少ないのが特徴です。
「たぶんPET検査もテレビの企画で受けたことがあったと思います。でも、今回改めてPET検査の良さを知ることができました。準備などに時間はかかりますが、普通の人間ドックのように移動しながらいろいろな検査を受けたりしないので、トータルでの時間はかかりませんし、身体的な負担はほとんどありません。こんなにラクなら、毎年やりたいと思います」
PET-CT検査は、がん細胞が正常細胞に比べてたくさんのブドウ糖を取り込む性質を利用。検査前にブドウ糖に似た薬剤を注射し、1時間半ほど安静にして全身に薬剤が行きわたったところでPET-CTで撮影します。
「いくら慣れているといっても、採血や胃カメラなどを受けるとなるとそれなりに身構えるし、今までの人間ドックでは『よし、行くぞ!』という覚悟が必要でした。でも、PETなら身体的にもラクなので、気持ちの上でも不安がまったくなく、気軽に受診しようという気持ちになれます」




最新設備を備えた施設で
リラックスして受診
今回検査したクリニックは川崎市麻生区に2012年8月にオープンしたばかりの総合病院で、PET-CTをはじめとした最先端の画像診断装置を導入するなど先進医療を実践しています。
「実は、現役時代この近くに住んでいたのでよく知っているのですが、当時この辺は山だったんですよ。それがこんな立派な施設になるなんて。診察室も病室も近代的で広々としていて、とてもリラックスして受診できました」
検査後、脳神経外科の専門医である笹沼院長から結果説明を受けた槙原さん。さすがに診察室に入る前は少し緊張していたようですが、結果説明後は明るい表情で診察室から出てきました。
「こんなにすぐ結果が出ると思っていなかったので、心の準備ができていなくて緊張しましたが、脳のことを詳しく教えてもらいながら、全身の結果について説明してもらいました。自分ではたぶん大丈夫だと思っていた反面、もしかして…という不安もありましたからね。まったく問題ないというお墨付きをもらったので本当に安心しました。これで次の検査まで安心して毎日生活できます。それにしても、こんなに手軽に、短時間で全身のがんを調べられるなんて、現代の医学って本当にすごいですね」
現役時代の体重を維持するなど
健康への意識もパーフェクト
「大きいケガや病気をしたこともないからこそ、かえって気をつけなければいけないと思っています。その点、年に1回でもこのような検査を受けておくと、気持ちが引き締まりますね」
検査の結果で「問題なし」と言われたというのに、むしろ気を引き締めようと考えるとは。お話を聞いているほうこそ、身が引き締まる思いです。
「健康のために気をつけているのは、なるべく体重を増やさないこと。少し太ったなと思ったら、歩いたり、走ったりするようにしています。今でも、なんとか現役時代と同じ体重を維持していますけれど、筋肉が落ちて脂肪がついてしまっているので、理想では5kgくらい落とさないといけないんですよね。脂肪肝ぎみだと思うので、お酒も控えるようにしています」
さすがはミスター・パーフェクト!健康への意識は100点満点といえるのではないでしょうか。
生活スタイルを変えるには
まず意識を変えるところから
そんな槙原さんも、現役を辞めた直後はなかなか生活を変えられず、苦労したこともあったそうです。
「現役時代は試合で最高のパフォーマンスを出すことが一番の目的で、食べるとき食べて、寝るとき寝るという毎日。健康のためというより、野球のための体作りしかしてきませんでした。そんな生活を20年以上も続けてきたので、辞めた直後はなかなか生活を変えられなくて…。テレビに出ると『太ったね』と言われることが多かったですね。ただね、今どきのテレビは太って見えるんですよ、本当に(笑)」
そんな苦労があったからこそ気づくことができたと受け止め、今は自分の健康のため、家族のため、徹底して健康的な生活を維持しています。
「『太ったね』と言われたときは、本当にそうなんだろうなと受け止めて、ランニングしたり、食事を減らすなどするようにしています。走るのがつらいなら、歩くだけでもいいと思いますよ。それでも自分の体と向き合っているということで、それだけでも十分意味があるはずです。きちんと向き合っていれば、毎日体重計に乗れるし、体重計に乗っていれば暴飲暴食も避けられる。皆さんも、健康のために毎日体重計に乗ったほうがいいですよ」




毎年の人間ドックは夫婦の約束
健康である努力を怠らない!
毎年人間ドックを受けることは、奥様との約束でもあるそうです。ミスター・パーフェクトを長年にわたって支えてきた奥様だけあって、槙原さん以上に健康への意識は高いようです。
「妻は私よりマメに検査を受けているようで、妻とはいつも『人間ドックはきちんと受けよう』と話し合っています。病気になること自体は仕方ないとしても、健康であるための努力をしないで介護をするのはいやじゃないですか。だから、夫婦ともどもこれかの人生を楽しむためにも、毎年の人間ドックは義務なんだよと」
40歳過ぎてもがんばっている
現役選手たちに励まされることも
最近では、40歳を過ぎても現役でがんばっている野球選手が少なくありません。槙原さんはそんな選手から励まされることもあるといいます。
「中日の山本昌投手なんて僕の2歳下ですよ。僕は38歳で引退したのですが、すでに体はボロボロでした。ところが、彼は僕が引退した歳よりさらに10年も続けているんですから、本当にすごいと思う。最近は科学的なトレーニングを取り入れているお陰で選手寿命がどんどん長くなっていますが、トレーニングは量よりも質が大切。テレビを見ている人たちも、40歳を過ぎてがんばっている選手のがんばりを見て励まされるでしょうし、しっかり体を鍛えることの大切さも伝わるんじゃないでしょうか」
Tシャツが似合う体型を目指し
もう一度体を引き締めたい!
現在51歳。これからの目標を聞いてみると、ミスター・パーフェクトらしいこんな答えが…。
「もう一度、体を鍛え直そうと思っています。というのも、今年の夏Tシャツを着ている自分を見たらすごくかっこ悪かったんですよ。それがすごく悔しかったので、もう一度体を鍛えて、かっこよくTシャツを着こなせる体型になりたい。今日も内臓脂肪が結構あると言われたので、体を絞っていかないとと気持ちを引き締めたところ。もともと汗をかくのは大好きですが、『体を引き締めるぞ』『今日は走るぞ』ということを常に思っていないと、なかなか行動はできないですよね。本当は運動が好きでなくても、口に出して人に言うとやらざるをえなくなるので、なるべく言うようにしています」
今でも十分年齢を感じさせない体型でありながら、さらにシェイプしていきたいと話す槙原さん。年齢を言い訳にせず、きちんと自己管理をする姿を見て「自分もがんばらなければ」と思う人も多いはず。ミスター・パーフェクトと同じようにはできなくても、「思うだけでなく、言葉にして、実行する」というポイントは大いに参考にしたいところです。

