大腸がん検診の結果「ポリープあり」。これって大腸がん?
ポリープだけでは、がんと結論づけることはできません。
ポリープの種類は4つ
大腸ポリープと聞くと「大腸がん」と連想してしまう人は少なくないでしょう。しかし、大腸ポリープにはがんになるものとならないものに分かれます。前提としてポリープは、「腫瘍」と「それ以外のポリープ」に分かれます。さらに「腫瘍」は、「良性」=「腺種(大腸ポリープ)」と「悪性」=「がん」の2種類あり、「それ以外のポリープ」には、「炎症性ポリープ」と「過形成性ポリープ」と2種類あります。
大腸がんのリスクが低いポリープとは?
「炎症性ポリープ」とは、潰瘍性大腸炎などの腸の病気や感染症などにかかったあとにできるものです。一方で「過形成性ポリープ」とは、ヘリコバクター・ピロリに感染しており、萎縮性胃炎を背景にさまざまな病変を併発することが知られています。これらのポリープは、正常な細胞が集まってイボ状になったものであるため、大腸がんになることは、ほぼないと言われています。
腫瘍には要注意。悪性と良性の2種類あり
ポリープのなかでも、問題になるのは腫瘍です。腫瘍には、良性と悪性の2種類があります。
良性の場合は「腺種(大腸ポリープ)」と呼ばれ、悪性の場合は「がん」です。ポリープ状の形をしているものは「早期がん」と呼ばれることが多く、大腸がんの場合は、良性の腺種でもがんになる可能性があるため、どちらも注意が必要です。腫瘍をがんか腺種かを見極めるために用いられるのが「病理診断」と呼ばれる検査です。病理診断では、内視鏡で腫瘍組織の断片を取り出し、顕微鏡で観察をして形を見て判断します。
またポリープが腫瘍なのか、それ以外のポリープなのかの診断には内視鏡検査が有用です。正確な診断が難しいポリープの場合は、腫瘍と同じ扱いをする医師が多いでしょう。
悪性のがんの場合は早期治療が重要
大腸がんは早期がんの状態で発見されると完治できる可能性が見込まれ、進行したがんであっても病巣が切除できれば高確率で完治可能な病気です。早期発見には人間ドックやがん検診を定期的に受けることが重要です。
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大腸がん検診が受診できる医療施設を探しましょう。予約数が多い施設から探す「予約数順から探す」、
エリアから探す「都道府県で医療施設を探す」「プランを詳細検索する」の3つの切り口から探すことが出来ます。
この記事の監修ドクター

マーソ株式会社 顧問
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。

2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)