2017.5.11

血液検査で大腸がんは発見できるか?【初めての大腸がん検査】

大腸がんの腫瘍マーカー

国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センターの調査では、2015年の死亡数が全がんのなかで男性3位、女性1位の大腸がん。早期発見をするためにさまざまな検査があるが、血液検査の有用性はどうなのだろうか? 初めての大腸がん検査シリーズ第3回は、大腸がんを発見する血液検査、腫瘍マーカーについて紹介する。

大腸がんで血液検査を行う場合、血液中に含まれるCEAと呼ばれる腫瘍マーカーに注目し、基準値との大きな乖離がないかを調べる。CEAの基準値は5.0ng/ml以下であり、これより著しく高い値が出れば消化器系のがんが疑われる。注意すべき点は「大腸がん」ではなく「消化器系のがん」であることだ。

CEAは大腸がんへの特異性が低い

CEAは大腸がんの検査によく用いられる腫瘍マーカーであるが、大腸がんだけに検出される物質ではない。大腸がんをはじめとした胃がん、胆道がん、すい臓がんなど消化器系全般にがんがある場合に高値となることが多く、大腸がんへの特異性は低い。さらに、肺がん、乳がん、子宮がんなど消化器系以外にも、肺炎や気管支炎、肝硬変や糖尿病などの良性疾患やヘビースモーカーの場合に上がることもある。そのため、大腸がんの早期発見に寄与することは難しく、臨床の現場では、病変を検出するためのスクリーニング検査や化学療法などの効果測定などに用いられる。

血液検査だけで大腸がんを診断することは困難

このように、血液検査だけでは大腸がんと診断するのは難しいといえるが、腫瘍の存在を推測する材料にはなる。つまり、血液検査でわかることは、今現在、消化器系に腫瘍がある可能性が高いかどうかであり、大腸がんの存在そのものではないということを知っておく必要がある。そのうえで活用するのであれば、大腸がんにおいて非常に有用な検査といえる。

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

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Colorda編集部