2015.8.6

「胃カメラ検査」と「胃バリウム検査」の違いとは?

内視鏡の進化とともに普及している「胃カメラ検査」

胃の検査胃がんや胃潰瘍などの早期発見に有効とされる「胃カメラ検査(正式には「胃内視鏡検査」)」と「胃バリウム検査(正式には「胃透視検査」)」。10年ほど前までは、胃の検査というと「バリウム検査」が主流だったが、胃カメラの普及に伴い、最近の人間ドックではどちらかを選択できるケースが増えてきている。

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胃カメラ:胃の粘膜表面を見て、小さな異常をキャッチ!

「胃カメラ検査」は、口または鼻から小さな医療用カメラ(内視鏡)のついたやわらかいチューブを挿入し、食道・胃・十二指腸の粘膜表面を直接撮影、診断する検査だ。胃の粘膜の状態を詳しく見ることができるので、胃潰瘍や胃炎といった良性疾患だけでなく、胃がんを早期の状態で発見することができる。

チューブの先には小さな鉗子(かんし)がついているので、検査をしながら、不審な部分があればその場で組織を採取したり、そのまま手術(内視鏡手術)したりすることも可能だ。最大の難点は、カメラを挿入するときに苦痛を感じる人が多いこと。そのため、最近では、苦痛軽減の目的で鎮静剤の注射や局所麻酔の投薬を行って検査する病院も増えてきている。

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胃バリウム:胃の形全体を見たいときに。異常があれば再検査の必要も

発泡剤で胃をふくらませたあとで、バリウムを含む造影剤を飲んで行うのが「胃バリウム検査」だ。検査台の上で身体を上下左右に動かし、胃の粘膜全体に造影剤を行き渡らせながらX線を連続的に照射し、胃の内部を観察する。バリウムはX線を通さないので、造影剤の流れ方から、食道や胃の動き、食べ物の通る様子や、何らかの異常によって胃の変形がないかどうかを見ることができる。

バリウムが苦手という人は多いが、胃カメラのような苦痛は少ないのが最大のメリットだ。しかし、異常が見つかれば、後日改めて「胃カメラ検査」を受ける必要があるほか、検査後、腸の中でバリウムが固まって便秘になりやすい、放射線の被曝があるというデメリットもある。

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検査の組み合わせが早期発見のカギ

このように、粘膜に強い「胃カメラ検査」と、動きや胃の形全体に強い「胃バリウム検査」を組み合わせることで、胃の状態を詳しく検査し、胃がんの早期発見につなげることができる。どちらの検査をどの頻度で受けるかについては、自身の胃の病歴などと合わせて、専門の医師に相談して決めるのがよいだろう。

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上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

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Colorda編集部