2015.11.2

生理周期が乱れがちな人が受けたい検査とは?

多くの女性が月経不順に悩まされている

生理独協医科大学が2005~2009年に行った調査によると、24歳以下の婦人科患者928名のうち、38.7%にあたる359名が月経不順を主訴として来院していた。機能性出血や月経困難症で受診した患者も含めると過半数を占めることになる。それだけ月経異常に悩まされている女性は多いのである。月経不順は、軽度から重度までさまざまで、場合によっては不妊にもつながることがあるため、何が原因なのかを突き止めておきたいものである。

月経不順がもたらす身体への影響とは

月経周期は25~38日とかなり個人差があるものだ。また体調によっても周期は変動するので、1週間程度のズレは問題がないことが多い。それよりも極端に長かったり短かったりすると、身体になんらかの異変が起きている可能性がある。女性ホルモンの分泌バランスが崩れ、子宮や卵巣への悪影響が生じるケースがあり、その結果、排卵障害を起こしたり、子宮筋腫や子宮内膜症を併発したりすることがある。

その指標となるのが、生理によるものではない出血や、排卵の有無だ。これらを検査で調べることで、月経不順の原因やその影響が判明することとなる。

検査でわかる! 月経不順の原因と併発している病気

月経不順におけるホルモンのアンバランスは、血液検査によって調べることができる。エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの血中濃度を見ることで、卵巣や黄体の機能に異常がないかが判明する。

排卵の有無は、基礎体温測定によって判明する。婦人体温計を用いた簡便な検査なので、自宅で簡単に、毎朝継続して行うことも容易だ。

卵巣や子宮の委縮などを調べるには、エコー検査が有用だ。被曝のリスクもなく、子宮や卵巣が正常な位置にあるか、適切な大きさなのかを診ることができる。

このように、基礎体温測定に始まり、エコー検査などの精密診断を組み合わせることで、月経不順の原因を究明することが可能なのである。将来妊娠を希望する人は、一度、産婦人科を受診してみてはいかがだろうか。月経不順の原因以外にも、子宮がんなどの発見につながるケースも珍しくない。

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

20代後半から増加!子宮頚がんが気になる方!

子宮頸がん検査プラン一覧を見る

40歳を過ぎたら注意!子宮体がんが気になる方!

子宮体がん検査プラン一覧を見る

Colorda編集部