2016.2.18

第3回 仕事も、健康管理も、仕組み化が最大のカギ/秋好陽介さん(ランサーズ株式会社)

ランサーズ株式会社 代表取締役社長 秋好 陽介さん

ランサーズ株式会社 代表取締役社長 秋好 陽介さん

ランサーズ株式会社 代表取締役社長 秋好 陽介さん
あきよしようすけ●1981年大阪府生まれ。インターネットの可能性に気付き、大学生の頃から学生ベンチャーとして活動。作った個人サービスは10以上に及ぶ。卒業後、株式会社ニフティで3年間の経験を経て、2008年に国内初となるクラウドソーシング事業を立ち上げ独立。現在までに国内最大級の企業に育て上げる。2020年にランサーズで仕事をしている人を世界で1000万人にするのが目標。

経営者ならではの仕組み化ダイエット

――秋好さんは最近、ダイエットをされたそうですね。

ランサーズ株式会社 代表取締役社長 秋好 陽介さん2008年に会社を創業して以降、経営者という立場で多忙な日々を過ごしてきました。なかでも、身体にひびいてきたのが会食。取引先や株主の方々、社員などと、週に3~4日はあたりまえ。ときには高カロリーなお店のダブルヘッダーなんてこともあり、体型維持ができなくなってしまったのです。その一方で、経営者は常に最善の意思決定を強いられる立場であるため、健康を損ねたりストレスを感じたりするようなことは絶対にNG。だからといって、自炊したり、運動にあてる時間を生み出すことは困難で…。そんな状況から、“仕組み化ダイエット”を生み出したのです。

――その仕組みとは、具体的にはどんな内容なのでしょうか。

ひとつ目は“目標設定をして宣言”。3ヶ月で5kg減量を目標にしました。ここは実現可能性の高さが肝ですね。さらに、目標を宣言することが重要。わたしは本気度を周りにも、そして自分にも示すために、経営会議で宣言してしまいました(笑)。目標というものは、周囲の人に宣言して初めて、本当の目標になるものと感じています。

ふたつ目は“体重の見える化”。毎日体重計に乗り、自分の体重を常に意識するようにしました。ここは自動でスマホにデータを送れる体重計を選んだのが仕組み化ポイント。自動的に体重推移をグラフにしてくれる機能は、便利かつ時間の節約にもなり、なにより視覚化されることでモチベーション維持につながりました。

3つ目は“夜のみ炭水化物禁止”。といっても、ごはん類、麺類を食べないというシンプルなルールにしました。厳密にいろいろ調べている時間もないですし、食べるときに考えたり悩んだりするのも面倒ですからね(笑)。会食でどうしてもお寿司を食べなければならないときは、ごはんを減らしてもらったりして凌ぎました。

4つ目は“間食の機会排除とコンビニ禁止”とし、家や会社には簡単に食べられるようなものを置かず、コンビニにも極力足を運ばないようにしました。

そして5つ目は“運度を仕組化する”。ジムに通うのも、能動的に行うのは時間的にも意識的にも難しい。なので、受動的に行えるようパーソナルトレーナーを付けて、週に一度、決まった時間のカレンダーをロック。少し高いのが難点ですが、相手がいることで強制力が働き、続けることができました。

このように、面倒なことを全て自動化し、考えずにダイエットできる仕組みをつくって自分に課したのです。

――気になるその結果は。

3ヶ月で無理なく6kg落とすことができました。身体が軽くなっただけでなく、仕事への集中力が増しましたね。運動はその後も続けているのですが、気分転換にもなりますし、何より食べ過ぎない効果を得られています。

食事や服装のパターンを確立。仕組み化は、究極の時間の節約!

――秋好さんは、日々の仕事や生活においても“仕組み化”や“自動化”を徹底されているそうですね。

ランサーズ株式会社 代表取締役社長 秋好 陽介さん忙しいなかでいろいろ考えるのは大変。だから、最初に考えて仕組み化し、フローにする。そうすれば、日々の時間が節約できます。思いあたる生活習慣はすべて仕組み化していますよ。

たとえば食事。朝食はトマトジュース、昼食はバナナ。年中これに決めています。服装も、毎朝悩みたくないので同じですし、ティッシュペーパーやトイレットペーパーといった消耗品類は、なくなるのを気にしなくてすむように定期便を利用。こんな具合です。

最近新たに取り入れたのは、スケジュール管理のための仕組み。Apple Watchを使い始めたんです。今までスケジュール管理はPCで行っていたのですが、次の会議室の場所を確認するために、いちいちPCやスマホを見るのが面倒でした。それがApple Watchなら、腕時計をみるだけで完了する。腕をチラッと見るだけです。予定の最初に、次に行くべき場所を簡略して入れておくのも仕組み化ですね。

また、スマートフォンの充電の心配をするのがわずらわしいので、ケースタイプの充電器もとり入れました。これで2日は充電しなくてもいいんです! 実は結構ガジェット好きなんですよね(笑)。仕組み化を推進するガジェットはどんどんチェックしてとり入れています。

――仕組みを習慣化するのに、一般的には1~2週間かかるといわれていますが、ご自身ではどうですか。

その通りですね。ルールを決めてはじめても、半分はボツになります。1~2週間やってみて、いいもの、合うものを選択していく感じです。ダイエットの5つのルールも、試行錯誤の末に、うまくいったことを方程式化して仕組みにしたものばかりですから。

――健康管理においては、何か仕組み化していることはありますか。

先ほどお話しした朝、昼の食事メニューもそうですが、糖質を摂りすぎず、野菜やたんぱく質を中心に摂る。添加物の多いものは食べないと決めています。原則夜9時以降は食べないというルールも。仕事などで難しい場合もありますが、最低限12時以降は食べません。朝起きて胃もたれしていたり、二日酔いで午前中がつぶれたりするのはNGですから。

あとは、よく寝ること。忙しくても平均6時間は寝ています。人間ドックも年に1度、必ず受けるようにしてますし、今のところ不調が見つかったことはありません。

最近では、社員の健康管理のことも考えて、マインドフルネスをとり入れはじめました。これはヨガと瞑想を組み合わせたもので、Googleとか、Facebook、INTEL(R)なども行っているそうです。毎月1回、先生を会社に呼んで、朝8時から希望者のみ参加するスタイルで行っています。あとはそれぞれ、わたしの影響を受けて、身体を絞ったり生活スタイルを改善したり、いろいろやりはじめているようです。

――仕組み化の最大のメリットとは何でしょうか。

ランサーズ株式会社 代表取締役社長 秋好 陽介さん最大のメリットは、無駄な時間を排除できること。貴重な時間を、細かいことに悩んだり考えたりして費やすことなく、もっと大事なことに使うことができます。それは同時に、ストレスを減らすことにもつながります。会社経営もダイエットも、目標を立てて方針を決め、それを仕組み化して実行する。それが結果的に、自分自身をコントロールし、継続的に高いパフォーマンスを発揮することにつながるのだと思います。

仕組みはどんどん試していくべき。仕組み化はノーリスクなので圧倒的に試す。これからも新たな仕組み化にチャレンジしていきます。

ランサーズは、すでに何万人もの働くインフラとして利用いただいており、これからも人々の生活を支えていく責務があります。同時に、「時間と場所にとらわれない働き方」が私達にとって働く選択肢になるよう、小さなことに見えますが、経営も体調管理も仕組み化そして効率化を進めていきたいと考えています。


Colorda編集部