2017.1.23

発色剤は身体に害? 食品添加物の真実

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所 理事長
医学博士、星槎大学 客員教授、相馬市健康対策専門部会委員、相馬市放射能対策アドバイザー
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
内科医として勤務する傍、「女性の総合医」を目指し日々研鑽する。
自身の貧血体験から大学時代より上昌広氏を師事。

発色剤の目的と役割

S_shutterstock_428503885「発色剤」とは、肉や肉の加工食品、魚卵などの変色や腐敗を防ぎ、鮮やかな色に変化させることのできる食品添加物である。ハムやソーセージ、いくら、すじこなどに用いられている。役割のひとつ目は、原料の色素を固定し色調を整えること。赤い色素を固定し、加熱や酸化によって褐色化することを防ぐ。ふたつ目は、細菌の増殖を抑えること。とくに食中毒を引き起こす「ボツリヌス菌」に対して高い抑制効果がある。3つ目は、原料の臭みを抑え、風味を出すことで、発色剤を使っていないハム、ソーセージなどは、食べ比べると肉の臭みが残っているとされている。

食品によく使われている発色剤は?

食品によく使われている発色剤ふたつを紹介する。

亜硝酸ナトリウム

多くの加工食品に使われている発色剤で、畜肉に含まれる筋肉色素であるミオグロビンや、血色素のヘモグロビンに作用し、加熱や酸化による変色を防ぎ、食品の赤色を保つ。一方で、アミノ酸の分解物と化合して発がん性物質を生成する可能性が指摘されており、使用量が制限されている。

  • 使用食品:ハム、ソーセージ、ベーコン、コーンビーフ、すじこ、たらこなど

硝酸カリウム

食肉製品の加工、酸化による黒ずみを防ぎ、ピンク色を保つ。亜硝酸ナトリウムと一緒に使われることが多く、チーズには発酵調整剤としても使用される。水や野菜など天然なものにも含まれており、ADI(1日摂取許容量)は、 体重1kgあたり5mgだ。動物実験では、1回に多量に与えると食欲不振や軽度のうつ症状、呼吸困難などを引き起こし、最終的には口から唾液を流し、結腸痙攣を引き起こして横に倒れたと報告されている(※1)。

  • 使用食品:ハム、ソーセージ、ベーコン、サラミなど

発色剤と着色料の違いとは?

着色料は、食品に色をつけて見た目をよくするために用いられる。それに対し、発色剤は、食品の色素に作用し、本来の色を固定し安定させるためのものである。これらふたつを区別するのに、着色料は絵具で色を塗る、発色剤はニスを塗る、という表現が使われている。

また、「発色剤不使用」という表記には裏がある場合があるので注意したい。発色剤を使用していないハム、ソーセージは岩塩を使用していることが多く、岩塩には発色剤として使われる硝酸塩がもともと含まれているのだ。一方で、発色剤不使用のハム、ソーセージを食べて食中毒を起こし死亡する、という事故がヨーロッパで発生したこともある。

食卓やお弁当によく登場する、ハム、ソーセージ類と発色剤は、今のところ切っても切り離せない。しかし、食品添加物全体に言えることだが、摂取量には注意が必要だ。子どもや妊婦は摂取を控える、そのほかの人も食べる量を調整することが必要だろう。

※1 日本医薬品添加剤協会


Colorda編集部