「第二の心臓」と呼ばれる足の重要な役割とは?
足は第二の心臓と呼ばれるほど、私たちの全身の健康維持を担う大きな働きをしている。血液が心臓から足、さらに心臓へと循環するために足の筋肉が働いているのだ。つまり血液を全身に送り出すポンプの役割が足にはあるのだ。
また足裏には、反射区と呼ばれる身体のあらゆる器官や内臓をつなぐ末梢神経が集中している。この反射区を刺激するのがいわゆる足裏マッサージで、該当する箇所を刺激することで機能が低下している器官や内臓を回復させる効果が期待できる。この反射区の配置は、ヒトの身体の縮図ともいわれており、実際の内臓や器官の配置と対応している。
したがって、足は全身の健康を支える要であり、足をケアすることで全身の健康を活性化させることができるのである。
足裏マッサージで得られる嬉しい効果とは何か?
足裏には全身の内臓器官の正常機能を維持するための反射区が集中しているので、足裏をマッサージすることで弱っている機能を活性化し回復へと導き、全身のコンディションを整える効果がある。
また、足裏を刺激することで血流がよくなり、溜まった老廃物を押し流すことで全身の循環が改善されるため、冷えやむくみが解消されるのも期待できる重要な効果のひとつだ。この効果は、足首を回したりふくらはぎをマッサージしたりすることで、より症状を改善できる。
血流がよくなると、硬くなった筋肉が柔らかくなりクッション性が向上するため、歩行が安定する。これは全身の姿勢をバランスよく整えることになり、腰痛や肩こりの改善にもつながる。
さらに反射区は全身の自律神経を整えるポイントでもあるので、刺激することで心身ともにリラックスし、不眠解消などにもつながるといわれている。
足裏健康法を実践するための注意点
自分自身で足裏ケアを気軽に行うことができるが、足裏健康法を実践する場合にはいくつか気をつけなければならないポイントがある。まず、食事を摂った直後の足裏ケアは避けたほうがよい。食後は食べ物を消化するために消化器に血液が集中しており、足裏マッサージなどで刺激を加えてしまうと消化器にさらなる負荷を与えることになる。飲酒後のケアもNG。足裏マッサージなどで全身の血流を活性化すると、アルコールをも全身に行き渡らせることになるため、より酔いが回ってしまう。
体調が悪いときに足裏ケアを施すことも避けたい。時にその刺激は症状を悪化させる可能性をはらんでいるため、体調がひどく悪いときには全身の機能を休めるために足裏マッサージなどは避けるべきだ。
また妊娠中の身体はデリケートなため、足裏の反射区を刺激することで体調不良を引き起こす可能性があるので、注意が必要だ。

マーソ株式会社 顧問
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。

2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)