2015.8.6

日常生活に潜む!? 女性がかかりやすい「膀胱炎」

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所 理事長
医学博士、星槎大学 客員教授、相馬市健康対策専門部会委員、相馬市放射能対策アドバイザー
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
内科医として勤務する傍、「女性の総合医」を目指し日々研鑽する。
自身の貧血体験から大学時代より上昌広氏を師事。

こんな症状が出たら、膀胱炎の可能性が!

膀胱炎「さっきトイレに行ったばかりなのに、また行きたくなる」「残尿感がある」「尿を出すときに痛みがある」「尿が白く濁る、あるいは血が混じっている」こんな症状が現れたら、膀胱炎の疑いあり。1日に10回以上トイレに行っている人は、黄色信号だ。

膀胱炎には、大腸菌などの細菌が入ることにより感染する「急性膀胱炎」と膀胱機能の低下や前立腺肥大症などから発症する「慢性膀胱炎」があるが、一般的に膀胱炎のほとんどが「急性膀胱炎」にあたる。きちんと治さないと、高熱や激痛、腎盂腎炎を引き起こす可能性があるため、症状を見逃さず早めの対応が肝心だ。

尿道の長さが、膀胱炎のかかりやすさに起因する

膀胱炎は、細菌が膀胱に入り、増殖して起こる。圧倒的に男性より女性がかかりやすく、その理由は、身体の構造に起因する。女性は男性より尿道が短く、男性が14~16cmあるのに対し、女性はたったの3~5cm。女性は、尿の出る尿道口と膀胱が近いため、菌が膀胱に入りやすい。また、膣や肛門が尿道口から近く、トイレで拭き取る際に、大腸菌などの細菌が尿道に入り込む確率が高く発症しやすいのだ。

しかし、菌が入ったからといって、必ずしも膀胱炎になるとは限らない。本来、尿自体が、尿道へ入り込もうとしている細菌を洗い流す働きを持っているうえ、膀胱は細菌に抵抗する力を持っているからだ。だが、ストレスや疲労、風邪などにより、体力と免疫力が落ちると、細菌への抵抗力も低下し、膀胱炎が発症しやすくなる。また、尿意を我慢し、長時間、尿が膀胱に溜まった状態が続くと、細菌が繁殖しやすくなり膀胱炎にかかるリスクが高まるので注意しよう。

治りやすいが、再発の恐れも

膀胱炎の治療は、軽度の場合、病院で診察を受けても自然治癒となることが多い。膀胱炎にかかっている最中の排尿は痛みをともなうが、先述の通り、排尿は膀胱にたまった細菌を洗い流すので、水分を多めに摂り、尿を出すように心がけなければならない。

細菌が原因の場合は、抗生物質が処方される。飲みはじめて1-2日程度で症状が落ち着き、およそ1週間で完治するのが一般的だ。しかし、膀胱炎は、原因が身体の構造や生活習慣である場合がほとんどで、一度かかると再発する可能性が高いため、日頃から注意が必要だ。

膀胱炎の予防は、なにより菌を膀胱の中に入れないこと。女性は、排便後、前から後ろに拭くようにし、生理ナプキンやおりものシートはこまめな交換が大切だ。また、性行為による感染にも注意が必要だ。行為前には、自分も相手もシャワーを浴びて清潔にし、行為後は、尿を出して細菌を外に排出するように心がけたい。さらに大切なのは、尿意を我慢しないこと。尿意がなくても、3~4時間ごとにトイレへ行くように習慣づけよう。

膀胱炎は、日常生活の中で少し気をつければ予防できる。思い当たることがあるなら、今すぐ改善しよう。


Colorda編集部