2018.6.28

PETとPET-CTの違いはなに?【はじめてのPET検査 vol.3】

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所 理事長
医学博士、星槎大学 客員教授、相馬市健康対策専門部会委員、相馬市放射能対策アドバイザー
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
内科医として勤務する傍、「女性の総合医」を目指し日々研鑽する。
自身の貧血体験から大学時代より上昌広氏を師事。

ふたつのPET検査。「PET」と「PET-CT」の違いとは?

まずPET検査とは、がん細胞が正常細胞に比べて3〜8倍ブドウ糖を多く取り込む、というがん細胞の性質を利用した検査だ。ブドウ糖に類似した「FDG(フルオロデオキシグルコース)」という物質に放射性同位元素をつけた薬剤を投与し、約1時間後に撮影して、FDGが多く集まる部位を画像から特定することでがんを診断する検査だ。小さながんも見つけられる画像診断で、病変の早期発見に役立つ。詳しくは、「PET(ペット)検査とは? 【はじめてのPET検査 vol.1】」をチェックしてほしい。

PET検査には、ふたつの種類が存在する。ひとつは一般的な「PET」で、先述した通り、特殊なブドウ糖「FDG」を用い、がんを可視化する検査だ。もうひとつは「PET-CT」と呼ばれるもので、文字通り、一般的なPET検査に、身体を三次元で見ることができる「CT」の要素が追加される検査で、得られる情報の精度が非常に高くなる。

CTと組み合わせることでPETの弱点を補える「PET-CT」

がんの活動性を調べることができ、従来の画像検査では見つけづらい小さながんでも発見できるPET検査だが、実は「がんの形態」を描画することが困難であるという弱点がある。しかし、診断するうえでは、病変部の形態的な特徴を捉えるということは非常に重要なことであるため、この点がPETの改善点であった。

そこで、形態的な特徴を描画することに長けたCTを同時に行う「PET-CT検査」が誕生したのだ。PET-CTでは、PETとCTの撮影を同時に行い、得られた画像情報を融合する。その結果、3次元的な画像が得られ、がんの形態的特徴を捉えることが可能となる。

PET-CTで使われる機器とは?

PET検査とPET-CT検査では、使用される機器が異なる。PETに用いられる機器ではCTを撮影することができないが、PET-CTの機器なら可能だ。

PET-CTでは、低線量ながらもCTによる照射が加わるため、被曝量はPET単独よりも高まる。ただ、検査自体に大きな違いはない。患者は検査台で仰向けに横たわり、撮影が終わるのを待つだけである。検査時間もPET単独と大差なく、「FDG」に放射性同位元素をつけた薬剤を点滴で投与し、30分~1時間横になって安静に過ごす。その後、30~40分かけて撮影を行う。

最近はPET-CTが主流

このように、「PET」と「PET-CT」では、得られる画像に大きな違いがある。より精密な検査を受けたいのであれば、当然PET-CTが適している。最近の人間ドックでは、PET-CTが主流となっており、検査にかかる費用もクリニックによって差があるものの10万円前後と大差はないため、がんの有無を調べるというスクリーニング的な目的であっても、PET-CTを受けることをおすすめする。


Colorda編集部