HPVに感染すると、どんな症状が出てくる?
HPVに感染しても、とくに自覚症状はありません。無症状です。
男女ともに、HPVに感染しても自覚症状はありません。性交渉などを通して気づかないうちに感染しても、通常はいつの間にか体内の免疫で排除されてしまいます。まれに、感染が長期化(持続感染)して前がん状態(異形成)になったとしても、自覚症状はあらわれません。そのため、HPVの感染と前がん状態を正確に診断するために、特に30歳以降の女性に対しては、細胞診とHPV検査の併用検査が推奨されています。
では、子宮頸がんになる経過は?
感染が長期化すると徐々に細胞が変化して、異形成(前がん状態)を経てがん細胞へと進行していきます。
HPVに感染しても、通常は身体の免疫力で排除されて、正常な細胞に戻っていきます。しかし、10%くらいの頻度でHPVが排除されずに感染が長期化してしまうことがあります。この持続感染の状態が続くと、一部の細胞は異形成という状態になり、さらにその中の一部ががんへと進展していきます。高リスク型HPVに感染した女性が子宮頸がんを発症する割合は、1000人に1人か2人。がんを発症するまでの期間は、感染後5年から20年以上かかることもあり、いつごろ発症するかは検査を受けないかぎり分かりません。
男性がHPVに感染した場合の病気とは
主に尖圭コンジローマ。まれに肛門がん、陰茎がんなどです。
尖圭コンジローマ(性器のいぼ)は、子宮頸がんの原因にならないタイプの低リスク型HPVが引き起こします。肛門がんの90%、陰茎がんの40%も、HPVの感染が原因といわれています。そのほか、中咽頭がんや口腔がんにもHPVが関係しています。男性の病気とHPVの関係は、まだ不明な部分が多くありますが、感染してもすぐに何か病気を発症するというわけではありません。