忙しいと、ついついおろそかになりがちな食事。
栄養バランスの悪さが気になりつつも結局何もしていない方、必見。旬な食材や話題の栄養価に着目し、気負わずに取り入れる方法を紹介していく。
普段の食事をほんの少しだけ見直していこう。(全6回)

2016.9.1

Vol.3 そのだるさ、夏バテかも? トマトを食べて夏バテに終止符!

トマトはスポーツのあとにもおすすめ、そのワケは?

Fresh tomatoes. tomatoes in a bowl on wooden table Selective focus夏野菜の代表、トマト。トマトは夏バテを予防、解消してくれる効果があり、栄養学的にも夏にぴったりの野菜です。そもそも夏バテとは、身体が暑さに耐えられず、体温調節がうまくいかないことにより起こる体調不良です。体調不良による食欲不振に加え、熱帯夜に眠れないことによる睡眠不足などで、身体がだるい状態が長く続いてしまいます。

そんな状態に終止符を打ってくれる食材がトマトです。さわやかな酸味による食欲の増進効果があり、その酸味物質の「クエン酸」には疲労回復の効果もあるのです。クエン酸と聞くと、レモンや梅干しのようなすっぱい食材に含まれるイメージを持つかもしれませんが、実はトマトにもクエン酸が含まれています。クエン酸が疲労の原因物質である「乳酸」の分解を促進し、体内に蓄積しにくくしてくれるので、夏の疲れきった身体にはもちろん、スポーツをされている方にもトマトはおすすめです。

もうひとつ、トマトに含まれる重要な栄養素が「カリウム」。カリウムには利尿作用があり、体内の余分な水分を尿として排泄する働きがあります。このとき、身体にたまった熱も一緒に排出するので、体温調節が促されます。また塩分を排泄する働きもあるので、高血圧の方にも嬉しいですね。

赤い天然色素リコピンには老化防止効果も

トマトの赤い色は、「リコピン」という天然の色素からなっています。このリコピンは生活習慣病の予防のほか、アンチエイジングやダイエットにも効果が期待されています。

リコピンには抗酸化作用があり、加齢に伴う身体の酸化を防いでくれます。この抗酸化作用により、血中悪玉(LDL)コレステロールの酸化を抑え、ドロドロの血液からサラサラの血液に改善させる働きがあります。血管自体の酸化も予防してくれますので、動脈硬化の防止にもなります。また、脂肪細胞を抑制する働きもあると言われていて、代謝をあげて痩せやすい身体に導いてくれることが期待できます。さらには、シミ・シワなどの原因である活性酸素をリコピンが除去してくれるので、美肌効果も期待できるのです。

ひと手間で吸収効率UP! 熱に強く、油との相性◎

トマトは調理せずとも、生で食べることができるのも魅力のひとつ。さっと切って皮ごと食べられるので、おつまみや夜食だけでなく、朝の忙しいときにもぴったりな時短レシピ食材です。また、ミニトマトなら包丁すら不要、手でつまんで食べられるので、低カロリーなおやつにもなります。なお、ミニトマトは同じグラムで計算するとトマトより栄養価が高くなりますが、その分カロリーもわずかに上がりますので食べすぎには気をつけてください。

さて、栄養学の観点で言うと、トマトの栄養素を効果的に摂取するにはもうひと手間かけたいところ。やっていただきたいのは、「油をプラスする」ということです。リコピンは脂溶性のビタミンですので、油と合わせることでビタミンが溶け出します。油で調理し、一緒に摂取することでより効率的に体内へ吸収されるのです。

たとえば、トマトを使ったハヤシライスはいかがでしょうか。作り方は市販のルウのパッケージにあるとおりですが、書かれている水の分量をトマトに置き換えるだけ。トマト缶や無塩トマトジュースでもOKです。足りない分は水を足してください。リコピンは熱に強いので、焼いたり煮込んだりしても栄養素が減少することはありません。また、冷凍しても栄養素量はほとんど変わらないので、多めに作って冷凍保存しておけば、いつでも食べられて便利ですね。休日などにぜひトライしてみてください。

レストランなどのサラダバーで見かけたら、積極的にお皿に取りたい野菜のひとつ、トマト。栄養学的にはもはや取り入れなければ損! 生のトマトを生活に取り入れづらい方は、加工品(トマト缶やトマトジュース)で代用すれば、夏に限らずとも一年中摂取できます。ただし、加工品には塩分が含まれているものが多いので、成分表示を確認してから利用しましょう。


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Colorda編集部