忙しいと、ついついおろそかになりがちな食事。
栄養バランスの悪さが気になりつつも結局何もしていない方、必見。旬な食材や話題の栄養価に着目し、気負わずに取り入れる方法を紹介していく。
普段の食事をほんの少しだけ見直していこう。(全6回)

2016.10.6

Vol.6 “1日200g”が身体と心にもたらすもの…デザートのぶどうで生活習慣病予防!

1日200gの果物って、どのくらい?

みなさんはこんな逆三角形のイラストを目にしたことはありますか?これは、厚生労働省と農林水産省が推奨する「食事バランスガイド」というもので、1日あたりどのような食品をどれくらい食べたらよいかを表しています。

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この食事バランスガイドでは、果物は1日200gが目安。デラウェアなど小粒のぶどうであれば、1房くらいになります。夏の疲れをケアしておきたい今おすすめなのが、その「ぶどう」です。疲労回復や健康増進だけでなく、生活習慣病予防の強い味方。この時期、食後のデザートにぶどうを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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ネーミングに由来、ぶどうに多く含まれるから「ブドウ糖」

「ブドウ糖」という単語を聞いたことがある人は多いと思います。それは、炭水化物や糖分などが胃腸で分解された姿…。あるいは、脱水時や疲労時の点滴に含まれるもの…。そんなイメージでしょうか。ブドウ糖は、摂取してからエネルギーに変わるのが糖のなかでいちばん早く、エネルギーチャージにはうってつけ。ぶどうの甘さは豊富なブドウ糖によるもので、ぶどうに多く含まれるためその名を冠しているのです。

また、ぶどうには「クエン酸」もたくさん。ブドウ糖がエネルギーに変換される際、クエン酸が必要になります。ぶどうは果物のなかでもブドウ糖とクエン酸を豊富に持ち合わせているため、効率よくエネルギーチャージができるというわけです。さらに、ブドウ糖は脳のエネルギーにもなるので、長時間のPC作業や頭を使ってヘトヘトのときにはぶどうを食べるのがおすすめです。

ぶどうを皮ごと食べたい、その理由

赤ワインで有名な「ポリフェノール」。赤ワインより含有量が少ないものの、じつは白ワインにも含まれています。そして、ワインの原料となるぶどうにも、もちろんたくさん含まれているんです。

ポリフェノールは、増えすぎた活性酸素を除去する働きがあります。活性酸素とは酸化力が高い酸素のことで、体内で増えすぎると細胞を傷つけて病気のリスクを高めたり、細胞をがん化させてしまったり…。普段は身体を守ってくれていますが、暴走すると病気の原因となってしまうのです。ポリフェノールのもつ抗酸化作用はこの活性酸素が体内で暴れるのを阻止してくれるので、がんや心臓病の予防、老化の防止に効果があるといわれています。

ポリフェノールにはいくつか種類がありますが、ぶどうのおもなポリフェノールは「アントシアニン」といいます。アントシアニンは目の疲労回復におすすめです。目の網膜には、目から入る光の情報を脳に送るロドプシンという物質があります。ロドプシンは光の照射によって分解と再合成をくり返しますが、長時間目を使い続けると再合成が追いつかなくなり、疲れ目や眼精疲労の原因となるのです。

ここで役に立つのがアントシアニン。アントシアニンはロドプシンの再合成を助ける働きがあるため、仕事で目を酷使している方の目の疲れや、ピント調節機能の回復に期待ができるのです。

このアントシアニンはぶどうの皮に多く含まれているため、皮ごとつぶして作られる赤ワインはポリフェノールが豊富。そのため、ポリフェノールをたくさん摂りたいときは皮ごと食べられるぶどうを選びましょう。赤や紫の色が濃いものほど、たくさんポリフェノールを含んでいます。ただし、皮の厚いものはおなかを下してしまう可能性があるので、食べすぎには気をつけて!

粉と茎と色に注目、おいしいぶどうを見抜こう!

おいしいぶどうの選び方は、「白い粉」「太い茎」「濃い色」の3つがポイント。ぶどうは病気や乾燥から実を守るために、表面にブルームという白い粉をまといます。この粉が多いほど新鮮なぶどうの証。太い茎は健康に育った証拠で、色が濃いほど甘いぶどうになります。マスカットのような黄緑系のものは黄色が強いものがおすすめです。

旬の果物は生活習慣病の予防になるものが多いです。日々に追われていると、スーパーの果物売り場は素通りしてしまいがちですが、そんなときこそ足を止めてみて。果物を食べる時間は、食事とは少し違う、ひと呼吸の時間。“1日200g”の時間で、身体と心にエネルギーチャージしましょう。

・バランスの取れた食生活を!
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Colorda編集部